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西垣誠・瀬古一郎・中村裕昭編著/GUPI共生型地下水技術活用研究会著 |
B6・196頁 / 1980円 発行年月日 : 2013年7月 ISBN : 978-4-7655-4476-4 |
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本書は地球上に存在する水のうち,地下のごく表層を流動している地下水に焦点を当て,地下水の素晴らしさを理解し,流域単位で地下水を上手に利用し続けるために,人間がやるべきことを「育水」と称して提起したものである。「育水」を形式的に定義すると「持続可能な水利用を前提に,水循環の健全性を守り育てる」という表現になり,具体的には,湧水の保全・復活等も含む広い概念である。構成は一話ごとの読みきりとなっているが,全体としては@地下水は「流域の有限な共有資源・共有財産」の基本理念のもとに,A水循環の健全性と持続可能性を維持するための育水を行いながら地下水の恵みを存分に享受しようという共生思想で貫かれている。
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育水の提唱−序に代えて 発刊にあたって−本書の発行趣旨と構成
I 地下水の特徴 1 地下水は動く−涵養域、流動域、流出域 2 資源としての地下水・環境要素としての地下水 3 水資源を脅かす人の活動 4 水循環と調和した人の活動 5 地下水の顔−水質 6 身近な所で良質の水を得る
II 育水とは何か 7 共生と育水 8 水を循環させる 9 育水をコンサルティングする
III 地下水は誰のもの 10 日本の地下水事情と法制度の変遷 11 地下水の所有権 12 土壌汚染対策法から考える 13 流域の共有資源・共有財産
IV 共生型の地下水利用 14 子孫に貴重な地下水を遺すために 15 流域規模で考える 16 地下水利用と事業による人工涵養 17 共生型地下水利用の四つのパターン
V 地下水の診断 18 地下水力を把握する 19 シミュレーションとモニタリング 20 浸透桝整備による地下水涵養予測
VI 育水に必要なもの 21 地下水の制御 22 地下水人工涵養の技術 23 育水技術としての人工涵養 24 浄化の方法 25 森林環境税の視点から
VII 環境・防災・エネルギーへの利用 26 名水を使ってまちおこし 27 ヒートアイランドへの対策 28 防災井戸 29 地中熱の利用
謝辞−あとがきに代えて 引用・参考文献 著者紹介
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