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山本高之著 |
B5・220頁 / 3960円 発行年月日 : 2011年6月 ISBN : 978-4-7655-4468-9 |
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近年,わが国においても,ベルギービールが市民権を得つつある。とりわけ,ベルギービールのなかでも異彩を放つランビックに関しては,ベルギービールを頻繁に飲まれる方やビール通ならば,その名を知らない者はいないのではないだろうか。その味も一度飲んだら忘れられない「酸っぱいビール」である。ビール評論家の故マイケル・ジャクソンはこんなことを書いている。「ランビックは,すべての者に注いでよいビールではない。だが,酒に強い関心をもつ者ならば,魅了させずにいない何かだ。その野性味と予測不可能性において,胸を躍らせる醸造酒だ。最良のものはビールとワインの合流点を具備し,最悪のものでさえ,古代の味覚へと誘ってくれる(Jackson;1998)」(はじめにより)
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第1章 ランビックとは 1 ランビックの基礎知識 2 古代の酒としてのランビック 3 ランビックの起源 4 ランビックのさまざまなサブタイプ 5 ストレート・ランビック 6 グーズ 7 クリーク 8 クリーケンランビック 9 フランボワーズ 10 その他のフルーツランビック 11 ファロ/メールツ 12 実験的なランビック 13 ランビックをブレンドしたエール 14 伝統的ランビックと商業的ランビックの相違 15 ランビックとその盛衰 16 伝統回帰への流れ
第2章 ランビックの制度的定義 1 ベルギーにおけるランビックの法的定義 2 EUにおけるランビックの定義(TSG) 3 HORALの活動
第3章 ランビックの醸造学 1 ランビックの原材料 2 糖化の原理 3 糖化・煮沸のプロセス 4 ランビックにおける糖化・煮沸の要請 5 冷却 6 樽詰め 7 発酵プロセスの概要 8 第1段階:エンテロバクター属の細菌による発酵 9 第2段階:サッカロマイセス属の酵母(酒造酵母)による発酵 10 第3段階:ペディオコッカス属の乳酸菌による発酵 11 第4段階:ブレッタノマイセス属の酵母による発酵 12 その他の微生物の意義 13 グーズにおける発酵 14 グーズの微生物 15 クリークにおける芳香成分とは
第4章 ランビックの生産者と銘柄 1 カンティヨン 2 ジラルダン 3 ボーン 4 リンデマンス 5 モール・シュビット 6 アウト・ベールセル 7 ドゥ・トロフ 8 ティママンス 9 ドリー・フォンティネン 10 ハンセンス・アルティザナル 11 ドゥ・カム 12 ベルビュー 13 各生産者の樽のマーク
第5章 ガストロノミーのなかのランビック 1 長期の保存 2 サーブの温度 3 サービング 4 グラスとその洗浄 5 ランビックの多様な飲み方 6 ランビックにおける食とのペアリング 7 ランビックを用いたベルギー料理の例
巻末資料1 失われた生産者 巻末資料2 日本国内でランビックを楽しむために 巻末資料3 ベルギーでランビックを楽しむために 巻末資料4 フランク・ボーン氏の序文(原文)
引用文献
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