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竹林征三著 |
B6・212頁 / 2200円 発行年月日 : 2004年4月 ISBN : 4-7655-4438-9 |
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【美本ございません】 ダム建設が環境破壊の元凶であると姦しく言われ久しい.ダムの目的は人間社会の健全な構築のために資することである.しかし,公共事業としてのダム建設の是非は問われなければならない.本書は、ダムそのもののあり方についてはもとより,河川,堤防,水資源,環境保全,景観とダムとの関わりを豊富な事例をもとにわかりやすく論究したものである.
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[1] はじめに
[2] 日本の河川・堤防、そしてダム 1. 年々危険が増す天井川の宿命 2. 河川管理の難しさ−終わりのない治水事業 3. ヒマラヤ以上の世界の屋根−大山脈列島日本 4. 切れない堤防の幻−切れるように設計されている 5. 頼りありそうで、頼りなきもの 6. 大宝律令から土包堤の原則
[3] 水資源とダム 1. ダム開発量は実質的に目減り 2. 建前「水余り」と実質「水不足」 3. 石油備蓄と水備蓄 4. 渇水列島の宿命−島国日本 5. 平均値でなく異常値
[4] ダムと環境 1. 近代ダムは環境保全対策から 2. 「緑のダム」の幻と罪 3. ダム建設と鳥獣保護区 4. 珍しい鳥類の聖域となった湖水群 5. ダム建設と漁獲量の変化−日本と欧米の比較 6. 世界一の魚道技術−小牧ダム 7. 天然創生アユの故郷となった湖水群 8. 環境賞に輝く−箕面川ダム 9. 死の川を甦らした金字塔−品木ダム 10. 土木技術者の魂と本懐
[5] ダムと経済評価 1. 急がれる河川経済評価法の確立 2. 便益計算でなぜ過小評価するのか
[6] ダム築造の“こころ" 1. 生きている大地との会話 2. 大地鎮めの“こころ" 3. 活断層に対する礼儀 4. 天下り設計と地上がり設計 5. ダム築造のこころ−ダム五訓 6. ゲート五訓
[7] ダム無用論を憂う 1. あまりにも何となく「脱ダム論」 2. 嘘でも三度新聞に載れば人は信ずる 3. 素人が支配する社会の危うさ 4. 真髄を大局的に捉える大きな知恵 5. ダム無用論を憂う
[8] ダム湖水と景観 1. 作庭の心−湖水と景観 2. 傑出した自然風景地の主役−国立公園 3. 風景地を美しく演出するダム湖水−国定公園 4. 各地に趣を添える湖水群−県立公園 5. ダム湖があって国営公園が生まれて 6. 天然の滝かと紛う落水脈の演出
[9] 文人が愛した湖畔の散歩道 1. 佐藤春夫と仙禄湖 2. 有島生馬とロウ鶴湖 3. 楽翁が今に伝えるメッセージ
[10] おわりに
[11] 参考文献
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