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吟醸酒の光と影 |
−世に出るまでの秘められたはなし− |
篠田次郎著 |
B6・190頁 / 1980円 発行年月日 : 2001年9月 ISBN : 4-7655-4428-1 |
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【出荷までに1週間程度お時間を頂く場合がございます】 一時の爆発的ブームは終息しつつあるとはいえ,吟醸酒は日本酒党にとって,やはり何物にも替えがたい酒といえよう.しかしながら,吟醸酒は,ブーム直前には世の中から消えかけたことさえあったという.本書は,もともと品評会から生まれた新しい酒であった吟醸酒が,戦後,市販商品として登場する昭和50年までにたどった,真っ直ぐとはいえない道程を跡付けた読み物である.
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第1章 戦中・戦後の吟醸酒:混乱期の出来事と品質志向 1.終戦前後の酒事情 2.酒質には2つの価値観があった 3.戦前の酒質 4.戦後の混乱 昭和23年腐造/三倍増醸法の導入/添加用アルコール/三倍増醸法およびアルコール添加の実状と反省 5.戦後の品評会の動き 第2章 昭和27年から30年代:実のない試行と虚ろな発展 1.全国規模の品評会を望む声 品評会再開への思惑/復活・全国清酒品評会:記録をそのままに/空前規模での復活/全国清酒品評会の中止/中止の理由/日本酒の周辺 2.昭和30年代の吟醸酒:私の体験から 3.品質志向の蔵は滝野川へ向かった 4.東京農大ダイアモンド賞品評会始まる 5.山田正一先生と吟醸酒
第3章 昭和40年代:吟醸技術の変革と新商品開発 1.体験的実証,吟醸酒がうまくなった 2.吟醸酒に科学的なアプローチ 3.新しい品質を求める動き 4.業界の構造 5.地酒揃えの酒問屋に聞く
第4章 困難を乗り越えて:吟醸酒の市販に踏み切る 1.吟醸酒はなぜ売れなかったのか 2.吟醸酒を市場に出す 3.吟醸酒発売の事例 4.だれが飲んでくれるのか
第5章 消えていた「吟醸」という言葉 1.「吟醸」がもつ2つの意味 2.級別制度と「吟醸」 3.どこへ消えたか「吟醸」の言葉 4.社会が酒を受け入れる後ろ盾 5.日本酒を支えた「権威」の交替
おわりに/あとがき
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