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書籍詳細
 
川の蛇行復元
−水理・物質循環・生態系からの評価−
中村太士編
A5・276頁 / 3850円
発行年月日 : 2011年3月
ISBN : 978-4-7655-3446-8
 

内容紹介
直線河川と蛇行河川とはなにが違うのか。河川は本来どのような流れ,どのような自然をつくりだすのか。我が国の河川管理の歴史と蛇行河川の地形・生物地理学的特徴を踏まえ,北海道標津川において進められている,直線化された河川を再び蛇行させるプロジェクトを通じて得られた,再蛇行による水理,物質循環,生態系への効果などの知見を取りまとめた。
 
目次
はじめに

第1章 世界の蛇行復元
 1.1 米国 キシミー川
 1.2 デンマーク スキャーン川
 1.3 スロバキア モラバ川
 1.4 日本 釧路川

第2章 標津川の蛇行復元の経緯
 2.1 流域および河川の概要
 2.2 標津川での治水事業と流路変遷
 2.3 自然復元川づくりへの取り組み

第3章 蛇行河川の水理
 3.1 蛇行河道と直線河道における流れと河床形状の相違点
 3.2 標津川における過去と現在の河道の違い
 3.3 標津川蛇行復元試験地における2 way方式の試み
 3.4 2way 方式による蛇行復元技術の課題

第4章 氾濫原植生の特徴と歴史的変化、そして植生復元
 4.1 氾濫原植生の特徴
 4.2 河畔林の歴史的変遷と復元

第5章 蛇行河川と水生動物
 5.1 蛇行河川に棲む希少淡水二枚貝、カワシンジュガイ:分布、生態と保全
 5.2 蛇行復元がサケ科魚類の遡上行動およびエネルギー消費に与える影響

第6章 農業流域の物質循環―窒素循環の河川水質への影響を中心にして
 6.1 はじめに
 6.2 流域の窒素収支の概要
 6.3 窒素フローの見積もり方法
 6.4 河川窒素流出量の見積もり
 6.5 標津川流域の窒素フローとNNI
 6.6 河川窒素流出とNNI の関係
 6.7 有機態成分流出
 6.8 窒素循環と流域の窒素管理
 6.9 流域の脱窒能:蛇行河川と後背湿地の重要性
 6.10 土地利用の河川水窒素濃度への影響
 6.11 おわりに

第7章 蛇行河川における陸域・水域生態系のつながり
 7.1 蛇行河川の底生動物は、どこに棲んでいるのか?
 7.2 蛇行河川の魚はどこに棲んでいるのか?
 7.3 蛇行河川における倒木の役割?倒木投入実験
 7.4 蛇行河川で羽化した底生動物は何によって捕食されるのか?

第8章 蛇行復元によって得るもの、失うもの
 8.1 蛇行復元による植物への影響を予測する
 8.2 底生動物の変化
 8.3 魚類相の変化

おわりに
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