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流域圏から見た明日 |
−持続性に向けた流域圏の挑戦− |
辻本哲郎編 |
A5・334頁 / 3850円 発行年月日 : 2009年5月 ISBN : 978-4-7655-3441-3 |
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人間活動の拠点である都市の再生において,持続性をはかりながらのそれは,流域圏をどうするのかの議論なしには達成できない。流域圏が潜在的に持つ水循環・物質循環システムの健全さを維持することが,持続性につながる。本書は,流域圏をベースに,国土管理を考えるときの背景,市民と都市や農業・農村政策等の流域圏での人間活動における社会的取り組み,持続性に向けた流域圏の評価について,河川行政,河川工学をはじめとした総勢10名の執筆者とともに,今後の流域圏管理の在り方について考える。
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第1編 流域圏の背景
第1章 持続性と流域圏 1.1 持続性への三要素 1.2 国土とは? 1.3 国土形成計画の課題 1.4 生態系の劣化 1.5 流域から流域圏へ 1.6 持続的な流域圏に向けて 1.7 流域圏管理とは? 1.8 持続性と流域圏 第2章 持続可能な未来文明は流域圏から 2.1 温暖化の顕在化 2.2 日本の温暖化 2.3 温暖化で何が困るのか? 2.4 天然ダム・雪の消失の対策 2.5 食糧自給は可能か? 2.6 食料自給の問題,海の環境 2.7 下肥の復活 2.8 太陽エネルギー・水 2.9 流域での持続可能な発展 第3章 河川の領域を広げる−人口減少時代の土地利用と都市− 3.1 人口減少時代へ 3.2 国の発展と国土の開発 3.3 稲作国家の成り立ちとその技術 3.4 国土の変遷と土地改良事業 3.5 国土と水害
第2編 流域圏の構造(流域と湾)
第4章 伊勢湾流域圏の自然共生型環境管理技術開発 4.1 流域圏研究プロジェクトの始まり 4.2 流域圏の課題 4.3 流域圏の環境管理 4.4 伊勢湾流域圏研究の目的と目標 4.5 流域圏の構成と研究テーマ 4.6 5つのサブテーマの連携 第5章 木曽川流域と黒潮に連動する伊勢湾生態系の応答 5.1 はじめに 5.2 海の生産構造 5.3 沿岸域の海況と黒潮の関係―イセエビを例に― 5.4 伊勢湾の概況 5.5 伊勢湾のエスチュアリー循環と富栄養化 5.6 伊勢湾の漁獲量変動と黒潮 5.7 伊勢湾の富栄養化と貧酸素化現象 5.8 木曽川水系河川整備計画とヤマトシジミ 第6章 里海の再生と創出をめざして−内湾・内海の水環境保全− 6.1 はじめに 6.2 内湾・内海の水環境 6.3 内湾・内海の劣化と再生 6.4 内湾・内海の里海による再生 6.5 今後の課題
第3編 流域圏と社会
第7章 鴨川の流域管理と鴨川条例 7.1 川と人とのかかわり 7.2 鴨川と人々の暮らし 7.3 鴨川利用の現状 7.4 鴨川をめぐる課題 7.5 京都府鴨川条例 第8章 農業農村政策の変遷と新たな施策展開−地域(流域)管理の視点を中心に― 8.1 灌漑排水と農業土木 8.2 国土の変遷と新しい農業政策 8.3 農業環境政策と環境支払 8.4 ソーシャルキャピタルの形成と地域ガバナンス 8.5 近代的灌漑排水システムとその特性 8.6 農業用水とその管理システム 第9章 国土計画と流域圏 9.1 はじめに 9.2 国土・都市計画と流域圏とのかかわり 9.3 三番瀬をめぐる変化とその要因 9.4 国土形成計画―改革の論点― 9.5 国土形成計画―課題― 9.6 定住自立圏構想 9.7 広域行政と流域圏 9.8 おわりに
第4編 流域圏の評価
第10章 自然共生型流域圏の環境アセスメント技術の枠組み(辻本) 10.1 流域のとらえ方 10.2 流域圏と持続性 10.3 自然共生型流域圏の構築に向けて 10.4 類型景観の概念 10.5 生態系メカニズムの評価手法 10.6 自然共生型流域圏環境アセスメント 第11章 森林利用にともなう生物多様性アセスメント(中静) 11.1 はじめに 11.2 生態系サービスとは 11.3 生態系変化の総合的アセスメント 11.4 森林変化とそのドライバー 11.5 森林の変化が生物多様性に与える影響 11.6 生態系サービスを保つためのシナリオ 11.7 生物多様性の持続的利用の仕組みの評価に向けて 11.8 おわりに 第12章 流域の水マネジメント−黄河流域を例として− 12.1 水と流域水マネジメントにかかわる問題 12.2 黄河流域の水マネジメント 12.3 流域の水マネジメント 12.4 統合的水マネジメントの難しさ
第5編 パネルディスカッション
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