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地上資源が地球を救う |
−都市鉱山を利用するリサイクル社会へ− |
馬場研二著 |
B6・166頁 / 1650円 発行年月日 : 2008年6月 ISBN : 978-4-7655-3432-1 |
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鉱物資源や化石燃料の枯渇が近づき,鉄・銅・レアメタルが高騰していく時代にあって,持続可能な社会を実現するためには,廃棄された物を資源として再利用していくほかない。本書では,これらのリサイクルがすでに事業化されている家電・パソコン業界の先進例をみながら,環境と経済が両立する地上資源リサイクルの仕組みづくりと実施手法をわかりやすく説く。この経験を,製造業者だけでなく一般の人々にも広く伝え,多くの分野で取り組んでもらうよう提案する。
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第1章 地下資源は地球環境問題のボトルネック
1. 地球経済と地球環境問題 すべての物価が上昇する/地球環境問題 2. 地球温暖化を防ぐには 化石燃料は二酸化炭素の放出源/化石燃料はいつまでもつか/二酸化炭素排出を減らすには/使用エネルギーを減らしたい/将来に向けた抜本的対策/炭素は地球を循環する 3. 廃棄物を利用して資源枯渇を防ぐ 資源は地下から地上へ/二○世紀のリサイクル/廃棄物を減らすには 4. 環境汚染物質の影響は予知できない 水質汚濁と大気汚染/難分解性化学物質の残留/本書で語る環境問題のポイント 5. エントロピーから見た資源問題 エントロピーとは/資源問題のエントロピー/燃焼にともなうエントロピーの増加/製錬によるエントロピーの減少/地上の資源は低エントロピー状態/プラスチックも低エントロピー状態/地上移行にともなうエントロピー変化
第2章 廃棄物は未来の資源
1. 繰り返し使える資源と使えない資源 資源問題のキーワード/鉱石は再生不能資源か/繰り返し使える資源/使えばなくなる資源/地上資源とは 2. 廃棄物は広い意味で地上資源 地上にあるものすべてが廃棄物/いつか資源になる/廃棄物を地上資源と考えよう 3. 持続可能社会をめざすには 低炭素社会と循環型社会へのアプローチ/相互に影響する問題を解決する
第3章 地下から地上に移行する資源
1. 人口と資源の推移 人口増加は止められない/地下資源は減ってゆく/需給バランスで決まる資源の価格 2. 資源リサイクルを行うわけ 地球の資源バランス/地上資源量は増えてゆく/地上資源リサイクルの意義/地下資源がなくなるという前提に立つ 3. 世界モデルのなかでの資源リサイクル ローマクラブが提言したこと/従来の政策を踏襲するシナリオ/資源を節約するシナリオ
第4章 都市鉱山に着目した地上資源リサイクル
1. 金属の分類とレアメタル 元素の周期律表/ベースメタル/レアメタル/希少金属 2. レアメタルをとりまく状況 レアメタル価格の高騰/レアメタルの産出国と価格/地球に存在するレアメタル量/レアメタルの可採年数/製品中のレアメタル/合金が文明を支える/レアメタルの生産 3. 地上資源の埋蔵のかたち 都市鉱山/都市鉱石/地下資源依存の限界/都市油田 4. 地上資源のリサイクル 全体像をつかむ/都市鉱山の埋蔵量と消費/人工鉱床とリユースの位置づけ 5. 持続可能な社会への戦略 機能利用社会/一般廃棄物のリサイクル/分散地上資源の回収/地球マテリアルダイナミクス 第5章 地上資源リサイクルを実践する家電とパソコン
1. 家電リサイクル法の施行状況 2. 家電リサイクルプロセス プロセスのフロー/フロンの回収と手分解による有価物の回収/機械自動選別プロセス/冷蔵庫の断熱材フロンの回収/テレビの分解プロセス 3. 家電リサイクルの高度化の取組み プラスチックのマテリアルリサイクル/ゼロエミッション/ミックスプラスチックの品質向上/モーターのリサイクル/銅線分離装置/コンプレッサー分割装置/コンプライアンス管理/静脈の国際分業 4. パソコンのリサイクル リサイクルフロー/有害物とレアメタル含有部品の回収/ハードディスクの物理的破壊/情報セキュリティ対策
第6章 家電リサイクルがリードするサステナブル製造業
1. リサイクルの費用と便益 社会的費用/社会的便益/経済性と環境性の両立/資源環境は激変した 2. リサイクルによる環境効果 リサイクル料金は高いか/資源生産の省エネルギー性/二酸化炭素の削減効果 3. 二一世紀の都市と製造業 都市像の変化/サステナブルな製造業 4. リサイクルの将来像
第7章 世界のリサイクル現場から考える日本の役割
1. 日本のリサイクル 2. ヨーロッパのリサイクル 高い意識が支える/ヨーロッパの法規制と実態/日本とイギリスを比べる 3. アメリカのリサイクル 規制の考え方/リサイクルの現場 4. 中国のリサイクル リサイクルの歴史/プラスチックのリサイクル/パソコン・家電のリサイクル/環境政策への期待 5. 日本と外国との比較 6. 未来に向けて
第8章 エコリサイクルと私たちの生き方
1. 地球の物質循環 地球の炭素循環はエコサイクル/資源の人工的循環はエコリサイクル 2. 私たちの生き方 関心の時空間軸/地球市民/日本人と地球/地球に適した人口/地球で生き続けるために
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