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松藤敏彦著 |
A5・190頁 / 2640円 発行年月日 : 2007年12月 ISBN : 978-4-7655-3423-9 |
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ごみ問題は市民の生活と密接にかかわり,また多くの自治体が困難さを抱えていることから,最も身近な環境問題といえます。しかし,一口に「ごみ問題」と言ってもその内容は複雑で複合的であり,解決には,全体を総合的にとらえる必要があります。本書は,「ごみ問題」を,(1)歴史に学ぶ,(2)表面的な理解から一歩踏み込む,(3)総合的・多次元的な視点をもつ,(4)個々人はどうすればよいのか,という4つの視点から大局的に眺め,目次に示した13のテーマに整理し,問題解決のための糸口となる知識や考え方を身に着けていいだけるように努めました。各テーマに「演習問題」を付すなど,教科書・副読本としての利用を意識して書かれていますが,一般の方々の参考書としても適しています。
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■序章 本書の視点と構成 □ごみ問題の難しさ □ごみ処理に関する情報源 □本書の視点 □本書の構成
■1章 ごみ問題の歴史 □人口増加による処理の必要性 □かつてのリサイクル型社会 □高度成長とごみの増加 □ごみ収集のサービス化 □ごみの分類 □ごみの分別方法
■2章 環境問題の歴史 □人間にとっての環境とは □古代,中世の環境問題 □江戸時代の環境問題 □明治時代の環境問題 □戦後の環境問題(公害) □社会病としての水俣病
■3章 有害化学物質による環境問題 □環境政策の経緯 □有害化学物質の環境影響 □PCB(ポリ塩化ビフェニール) □生態系における食物連鎖と生物濃縮 □残留性有機汚染物質 □ダイオキシン類
■4章 ごみの埋立処分 □わが国における埋立の歴史 □アメリカにおける有害物埋立 □途上国の社会的問題 □埋立近代化の段階 □日本における埋立地の近代化 □廃棄物処理における埋立の位置づけ
■5章 ごみの焼却処理 □わが国における焼却の歴史 □二次公害の発生と安定燃焼の努力 □焼却に対する補助金制度 □焼却の基礎的理論 □焼却施設の構成 □エネルギー利用
■6章 リサイクルの考え方と伝統的な リサイクル □リサイクルの意味 □リサイクルの必要性 □リサイクルの分類 □古紙のリサイクル □ガラスびんのリサイクル □アルミ缶,スチール缶のリサイクル
■7章 容器包装のリサイクル □容器包装リサイクルの背景 □容器包装リサイクル法 □自治体収集の変化 □自治体収集の問題点 □リサイクルの質の低さ □改善のための方向性
■8章 耐久消費財のリサイクル □耐久消費財とは □家電リサイクル □自動車リサイクル □建築物のリサイクル □リサイクル率の定義 □耐久消費財の寿命
■9章 ごみ処理施設に対する住民意識 □ごみ処理施設建設の困難さ □迷惑施設に対するNIMBY反応 □ごみ処理施設に対する住民意識 □ごみ処理施設に対する住民のイメージ □施設周辺住民の反対理由 □ごみ処理施設が受け入れられる条件
■10章 健康リスクの評価 □リスクのとらえ方 □リスクアセスメントの手順 □焼却炉のダイオキシン対策 □ごみ焼却はダイオキシン排出源か □ダイオキシンのリスク評価 □マスコミの影響力
■11章 ごみ処理コストと有料化の意味 □ごみ処理コストの増加 □ごみ処理コストの内訳 □施設建設と公共投資 □ごみ収集有料化の経緯 □有料化議論の混乱 □有料化の制度設計
■12章 地球規模の環境問題 □限界の認識 □持続可能な開発と地球環境問題 □ライフサイクルアセスメント □地球規模の環境問題 □遠い食の問題 □地球レベルの強者と弱者
■13章 私たちはどうすべきか □なぜ消費するのか □必要性はどのように決まるか □家よりモノの日本人 □早さと便利さの代償 □国・行政・企業がなすべきこと □個々人がめざすべきこと
あとがき 索 引
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