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平田強編著/岩崎達行・大瀧雅寛・片山浩之・神子直之・木村憲司・土佐光司・松本直秀・本山信行・森田重光著 |
B5・180頁 / 3520円 発行年月日 : 2008年4月 ISBN : 978-4-7655-3422-2 |
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原虫類の感染形であるシストやオーシストは,著しい塩素抵抗性を持ち,汚染水源から取水する水道を介して集団感染が生じさせる。小規模浄水施設では,急速ろ過処理,塩素・二酸化塩素・オゾン等の化学消毒剤処理,膜処理等が立地,経済等の条件面で現実的でない点が多々ある。そこで,紫外線照射が原虫への有効な消毒方法であることがクローズアップされてきた。紫外線照射による消毒方法は,欧米における永年にわたる実績により技術的にはほぼ確立し,導入に問題がないこと,実質上,消毒副生成物を生成せず後段に付加施設を要しないこと,他の処理方法に比べ非常に廉価であることなど,幾多の利点を兼ね備えた現実的な消毒技術といえる。厚生労働省は,2007年4月『クリプトスポリジウム等対策指針』を施行し,その中で限定的ではあるが紫外線照射を新たなクリプトスポリジウム対策技術として認めている。本書は,このような状況に鑑みて,基礎から応用まで紫外線照射の持つ可能性を追求したものである。
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1章 紫外線概説 1.1 紫外線とは 1.2 紫外線ランプ 1.3 紫外線照射 1.4 紫外線の測定方法 1.5 照射装置
2章 紫外線の微生物に対する影響 2.1 紫外線によって生じる化学変化 2.2 紫外線が生体物質に与える化学変化 2.3 紫外線損傷に続く不活化と回復 2.4 紫外線反応の速度 2.5 紫外線消毒効果に影響する要因 2.6 単色光照射装置における紫外線線量率分布および生残率の解析例 2.7 まとめ
3章 紫外線による原虫の不活化 3.1 はじめに 3.2 病原性原虫の特性と水系の汚染状況 3.3 紫外線の原虫不活化力 3.4 原虫に対する紫外線消毒法の有効性と限界
4章 紫外線による細菌の不活化 4.1 水系の細菌汚染状況 4.2 紫外線の細菌不活化力 4.3 細菌に対する紫外線消毒法の有効性と限界
5章 紫外線によるウイルスの不活化 5.1 はじめに 5.2 水系のウイルス汚染状況 5.3 紫外線のウイルス不活化力 5.4 紫外線のウイルス不活化効果に影響を及ぼす要因 5.5 ウイルスに対する紫外線消毒法の有効性と限界
6章 紫外線消毒の運用上の留意点 6.1 上水処理への運用 6.2 下水処理への適用 6.3 各種産業における適用(食品/水産業/水族館/閉鎖水域系の環境浄化/医薬品/半導体製造用水/医療分野の殺菌/アメニティ施設の浄化/有機物分解)
7章 紫外線消毒のガイドラインと実施例 7.1 消毒に関するガイドライン 7.2 紫外線処理の現状 7.3 紫外線処理の実施例(カナダ・フィンランド・日本)
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