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書籍詳細
 
河川の水質と生態系
−新しい河川環境創出に向けて−
大垣眞一郎監修/河川環境管理財団編
A5・262頁 / 3960円
発行年月日 : 2007年6月
ISBN : 978-4-7655-3418-5
 

内容紹介
河川における生態系と水質の相互的な関係に関する研究をとりまとめた書。河川生態系からみた有機物・栄養塩の動態把握に関する提言,毒性物質の影響評価に関する提言,河川環境のモニタリングに関する提言部分と生物指標の必要性に関する提言,および停滞水域における生態系機能を利用した水質浄化に関する提言。この4つの提言に向けて,生態系と水質の相互関係について,できる限り新しい知見に基づき,河川環境の新しい創出への応用も考慮に入れて,研究した成果をまとめる。
 
目次
1章 河川における生態系と水質の相互関係
 1.1 河川生態系の成り立ち
  1.1.1 河川の場と生態系
  1.1.2 生態系と水質成分の関係
 1.2 河川における生態系の構造
  1.2.1 河川における有機物の動態
  1.2.2 河川内の有機物と消費者の関係
  1.2.3 高次捕食者
  1.2.4 栄養塩の動態
  1.2.5 伏流水
  1.2.6 洪水撹乱の影響
  1.2.7 河川生態系の枠組み
 1.3 生態系に対する重要な水質因子
  1.3.1 基礎的な水質項目
  1.3.2 栄養塩類
  1.3.3 粒状有機物(POM)
  1.3.4 毒性物質,農薬
 1.4 生物モニタリングの意義とその方法
  1.4.1 生物モニタリング
  1.4.2 水生植物
  1.4.3 底生生物
  1.4.4 重金属,特に亜鉛の生態影響評価について
 1.5 生態系と水質のダイナミックな相互関係
  1.5.1 停滞水域における生態系構造と水質変化
  1.5.2 大型植物が湖内の栄養塩類循環に与える影響
 1.6 提 言
  1.6.1 河川生態系からみた有機物・栄養塩の動態把握に関する提言
  1.6.2 毒性物質の影響評価に関する提言
  1.6.3 河川環境モニタリングに関する提言
  1.6.4 生物指標の必要性に関する提言
  1.6.5 停滞水域における生態系機能を利用した水質浄化に関する提言
 参考文献

2章 大型植物が湖沼内の栄養塩の循環に与える影響

 2.1 調査場所および方法
  2.1.1 植物および骸泥(gyttja)の分布調査
  2.1.2 植物の分解実験
  2.1.3 カルシウム濃度を増加させた室内実験
 2.2 結  果 92
  2.2.1 植物相の年間変化
  2.2.2 骸泥の堆積状況
  2.2.3 湖底の特性と植物相
  2.2.4 植物量
  2.2.5 種間競争
  2.2.6 分解実験の結果
  2.2.7 湖内の栄養塩濃度変化および栄養塩循環の機構
  2.2.8 車軸藻が水中のリン濃度に与える影響
 2.3 考  察
  2.3.1 車軸藻の生態的特性
  2.3.2 栄養塩循環への影響
  2.3.3 湖沼の管理に向けた示唆
 参考文献

3章 河床生態系の水質変換機能と栄養塩濃度の関係
 3.1 方  法
 3.2 結果と考察
  3.2.1 夏季の明条件における栄養塩フラックス
  3.2.2 秋季の明条件における栄養塩フラックス
  3.2.3 夏季の暗条件における栄養塩フラックス
  3.2.4 秋季の暗条件における栄養塩フラックス
  3.2.5 まとめ

4章 付着藻類の窒素安定同位体比から河川の汚染源を探る
 4.1 窒素安定同位体比
 4.2 千曲川における付着藻類の窒素安定同位体比
 4.3 天竜川における付着藻類の窒素安定同位体比
 参考文献

5章 粒状有機物の動態と水生生物との相互関係
 5.1 浮遊性粒状有機物の動態
  5.1.1 季節変化
  5.1.2 洪水時の変化
  5.1.3 微細粒状有機物の起源
 5.2 堆積性粒状有機物の動態
 5.3 微細粒状有機物の生成過程
 5.4 微細粒状有機物の分解過程
 5.5 堆積性粒状有機物と底生動物群集の関係
  5.5.1 底生動物現存量
  5.5.2 底生動物群集と微細粒状有機物の関係
 5.6 まとめ
 参考文献

6章 河川の微量有害物質と水生生物生息状況
 6.1 濃縮毒性試験方法
 6.2 ヒメダカ仔魚とヌマエビの有害物質に対する感度の違い
 6.3 生物生息状況の評価方法
 6.4 濃縮毒性と水生生物生息状況の関係
 6.5 農薬流出モニタリング調査
 参考文献

7章 鉱山跡周辺の亜鉛等の汚染水路・渓流における底生動物相:兵庫県旧多田銀山跡
 7.1 調査方法
 7.2 結 果
   7.2.1 水 質
   7.2.2 ペントス
   7.2.3 考 察
 参考文献

8章 河川水への農薬の影響
 8.1 使用実態と課題となる農薬成分
  8.1.1 我が国における農薬の使用実態
  8.1.2 課題となる農薬成分の抽出
  8.1.3 毒性等からの課題農薬成分の絞込み
  8.1.4 課題となる農薬成分の選定結果
  8.1.5 主要な農薬成分の国内使用量の経年変化
 8.2 水生生物への影響試験
  8.2.1 登録保留条件および安全使用基準
  8.2.2 新しい生態影響試験法
  8.2.3 登録保留基準の改定の内容
 8.3 河川における農薬のモニタリング
  8.3.1 河川における農薬濃度データ
  8.3.2 農薬の河川への流出データ
 参考文献

9章 水生植物相の変遷と水質:兵庫県加古川の事例
 9.1 調査の方法
 9.2 23定点における過去約15年間の水生植物相の変化
 9.3 近年の水質の変化
 9.4 水生植物相の変化とその原因
  9.4.1 物理的要因
  9.4.2 水質の影響
 参考文献

10章 河川における底生生物と水質の関係
 10.1 検討対象データ
  10.1.1 底生生物データ
  10.1.2 水質データ
  10.1.3 底生生物調査地点と水質調査地点の整合
 10.2 検討対象地点の底生生物と水質の状況
  10.2.1 底生生物の状況  z94
  10.2.2 水質の状況  z%
  10.2.3 底生生物の種数と水質値
 10.3 底生生物と水質項目との相関  z97
  10.3.1近似式による検討  z97
  10.3.2 底生生物の生息に関わる水質
 参考文献

11章 停滞水域での生態系と水質の関わり
 11.1 白樺湖でのバイオマニピュレーション
 11.2 お堀でのバイオマニピュレーション
 11.3 水質浄化に伴う生態系の変化
 11.4 有害化学物質汚染が生態系に及ぼす間接影響
 参考文献

12章 EUにおける河川の水環境評価の手法
 12.1 WFD
 12.2 EUにおける水環境の評価の現状とWFDの適用
 12.3 AQEMとSTAR
 12.4 AQEMについて
  12.4.1 目 的
  12.4.2 AQEMの進め方
  12.4.3 AQEMの河川タイプ分けについて
  12.4.4 基準条件と劣化のクラス分けについて
  12.4.5 河川の生態学的ステータスの評価について
  12.4.6 AQEMによる評価事例
 12.5 STARについて
 12.6 おわりに
 参考文献
Copyright