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持続可能な水供給システム研究会編 |
B6・202頁 / 2640円 発行年月日 : 2007年5月 ISBN : 978-4-7655-3416-1 |
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普及率97%を超え成熟期を迎えた水道事業も,ユーザーの意識低下,水質や環境,技術者の世代交代,グローバルな水バランスなど,様々な問題を抱えている。本書は若手技術者が中心になって,これら「閉塞感からの脱却」を原動力に4年間の討議をかさね,「まちづくり・コミュニティー・消費者」「流域」「世界」の3つの空間的視点から50年後を見通したロードマップを作成しつつ,水供給システムのあるべき姿を示した書。
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序章 「持続可能な社会」を支える「水供給システム」の視点とアプローチ 岐路に立つ水供給システム(閉塞感からの脱却) 水供給システムの空間的な広がりからの視点 持続可能な水供給システムへのアプローチ(検討方法)
第1章 水道という水供給システムの変遷 1 水道の発展史と水供給の使命 歴史的経緯に見る水供給の意味 近代水道の歩み 高度成長期からの水道界の視点(水道週間ポスターに見る水道史) 2 良質な水道水質の確保 実際に水道水がまずかった時代 水道界の努力 3 身近な水供給システムから遠い水道へ−その過程で失ったもの 水道のありがたさを知っている人、それは水道のない状態を知ってい る人 現代日本に見る水供給の位置づけ 大きくなる過程で得たもの、失ったもの これまでの水道の目標と高普及後の視点 ボトル水は水道の代替たりえない
第2章 水の消費者と供給者のコミュニケーション 1 水の消費者から見た水道水の価値 水道は商品か。あるいは公共財か 水道水の価値判断はどのような経験によって形成されるのか 2 未来の水の消費者からみた水道の価値 小学校へのアンケート調査の結果 アンケート調査から見えた実態 小学生に水道の価値を知ってもらうために 水道事業の持続性の指標=小学校での水道飲用率 3 水道の本当の姿を知ってもらうための伝え方とは 水道水は昔はおいしくなくともよかった? なぜ危ないと思われてしまうのか 水道水の質をわかってもらうためには PRのための手立て
第3章 50年後の水資源と水需要 1 限られた世界の水資源 2 日本の水供給で何が心配か? 3 50年後の水供給システムのシナリオ 4 50年後の日本の水需要量 5 水供給システムの持続可能性
第4章 流域の水循環と水供給 1 水循環とはなにか 水循環という言葉が示すもの 水循環改善の意義 2 流域の水循環と水供給の関係 「フレッシュ度」という考え方 水と物質の収支(淀川流域を例に) 3 水の循環利用と流域環境 水利用形態の多様化、再利用 水源の多様化 排水処理の改善 水供給システムの改善 新しい水供給の形、付加価値の創造 4 権利取引による水管理 日本の水利権の現状 水資源管理のための権利取引 水資源の権利取引の具体的事例 既存の権利取引事例に散見される問題点 水資源の権利とプライシング 日本の水資源管理の動向
第5章 技術の継承と国際協力 1 水道における技術者と技術継承 これまでの水道技術者と今後の水道技術者の位置づけ 求められる水道技術者像 伝承すべき技術とは 2 水を通じた国際協力 世界における水道の現況−水分野での国際協力の必要性 水を通じた国際協力−日本による水道分野での途上国援助の現況 今後の水道分野における国際協力の課題 おわりに
第6章 50年後における新たな水供給システム 1 日本の水供給システムの今後50年のロードマップ 今後50年の水供給システムのロードマップ ロードマップを前提条件とした提案 2 流域の中での水資源管理 流域単位での水管理 水管理の国際動向と日本との比較 これからの水資源管理 3 コミュニティ水供給の提案 消費者の水供給への関心と理解の重要性 水供給システムの再編 コミュニティ水供給のベースとなる公共流域水道 コミュニティ水供給の提案 コミュニティ水供給実現に向けた課題と展望 4 提言を実現するために 「縁の下の力持ち」から「知ってもらう努力」へ ナショナルミニマムの追求から多様性の許容へ 水確保と水利用の方向性 水道技術の継承、水道組織の側面 国際貢献とそのニーズ 総 括 5 まとめ(閉塞感からの脱却) 空間的広がりと時間の流れの中の水供給システム 過去から未来へ−柔軟で新たな感覚
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