gihodo shuppan
HOME 新刊案内 ジャンル別書籍 購入案内 会社案内 お問い合せ
書籍詳細
 
企業戦略と環境コミュニケーション
−ドイツ企業の成功と失敗−
K.H.フォイヤヘアト・中野加都子共著
A5・230頁 / 3080円
発行年月日 : 2006年12月
ISBN : 4-7655-3415-4
 

内容紹介
1990年代を境に企業の活動は質的変化をしいられ,経済成長を目指すことから「環境と社会に配慮した企業活動」へと方向転換してきた。企業が社会的責任を果たすことは,とりもなおさず企業の権利も拡大することにつながる。ドイツ産業界ではEU創立を契機に,自国のみならず広域な加盟国を念頭に方向転回がなされてきた。その過程における多くの成功例や失敗例を具体的に示しながら,日本における社会・環境配慮型企業へと変身するための基本的考え方を説き,「持続可能な社会」実現の方向付けを示す。
 
目次
はじめに

第1章 企業と社会の新しいコミュニケーション
  1.企業と社会のコミュニケーションの必要性
     コミュニケーションの始まり/ドイツの企業の考え方/どのようなコミュニケーションが必要か
  2.コミュニケーションの問題点―環境報告書は誰のためのものか―
     ドイツの環境報告書の目的と対象/どのような効果がありどのような方向を目指すべきか/閉ざされた報告書でコミュニケーションツールとなりうるか
  3.社会向け情報提供の方法
     GRIガイドラインの背景/どれぐらい真剣に報告書が読まれているか/報告書に何を期待しているか/持続可能性報告を行うことの利点
  4.環境配慮型製品を伝えるラベルの方向―ドイツで登場した新しい環境ラベル―
     環境効率とは/BASFの環境効率ラベル
  5.環境管理の手法―ISO認証取得の効果―
     調査の概要と結果/ISO14001のコミュニケーションツールとしての価値/今後の方向

第2章 安全・安心社会構築に向けた企業と消費者
  1.EU型安全・安心社会構築への試み―新しい化学物質規制法案REACH―
     REACHの内容と特徴、背景/REACH登場に至るヨーロッパの雰囲気
  2.EU型の規制が世界に及ぼす変化
     REACH登場に至る具体的プロセス/各国の態度/REACHにより何がどう変わるのか/今後のゆくえ
  3.危機広報のあり方
     消費者情報提供法案の背景/成功の鍵は透明性とはやさ/リコールのタイミング/アメリカ向けの行動パターン/類似事件誘発の防止対策/企業を消費者から保護する方法/リスクと経営の課題
  4.安全・安心社会構築に求められる企業の役割―正しい判断を促す情報提供―
     情報に対する判断ミスの事例/良い情報提供の事例/これからの情報提供への考え方

第3章 消費者と企業の新しい関係
  1.NGOスタイルの企業間ネットワークづくり
     NGO設立当時の企業の対応/力を発揮し始めたNGO活動/NGOが権力を指向し始めたことによる問題点/組織づくりへのヒント
  2.企業の新しい組織づくり―NGOスタイルを企業活動でどう生かすか―
     ヨーロッパにおけるNGOへの批判/日本のNGO活動との違い/参考にできるNGOスタイル/日本型への工夫
  3.環境配慮投資への支援―ドイツ環境省が発行した環境配慮型投資マニュアル―
     環境配慮型投資マニュアルの概要/環境配慮型投資が環境に与える利益/利益性、安全性、換金性/商品の紹介/エコファンドの環境に対する利点/悪質なコンサルタントについての注意点/環境省が果たそうとした役割
  4.ユーザーの工夫を促す自動車業界の取り組み―エコドライブで省エネルギーを達成する―
     自動車への考え方を変えることによる省エネルギー対策/ドイツ・フォード社の具体的提案/何をどうすればよいか/これからの課題
 
第4章 地球温暖化防止に向けた経済的手法への議論
  1.ドイツで始まったEU型排出券取引制度
     排出券取引開始までのスケジュール/排出券取引局開設までの経緯と役割/排出券取引の仕組み/審査員の資格/セメント工場会社が行った「経験と可能性」に関するシミュレーション/セメント会社等のシミュレーションが提起する排出券取引制度の問題点
  2.排出券取引制度導入への産業界の態度に対するNGOの意見
     NGOがBDI(ドイツ経営者連盟)会長に出したオープンレター/NGOの反論/ドイツでも経験してきた日本と同様の経緯
  3.排出券取引制度は「空理空論」とする数学者の意見
     排出券取引制度の実施は、現実的に無理/排出券取引制度は間違った信号/排出券取引制度は個々の国におけるイニシアチブの実施を妨げるもの/個々の企業にとって排出券取引制度を計画として取り入れることは困難/排出券取引制度は倫理的に是認しがたい

第5章 持続可能性を目指す市場への変化への対応
  1.市場の自由化を契機とした環境配慮型社会への転換
     環境配慮型サービスへの転換の背景/「エネルギーサービス」の範囲の拡張/消費者の立場から考えたエネルギーサービス/転換の成否
  2.新しいエネルギー供給サービスの具体例
     エネルギーサービス会社が行う新しいビジネス/エネルギーサービスを戦略として進める方法/環境配慮型エネルギー・サービスを行った場合の評価
  3.持続可能性への戦略と政策転換期の産業界の意見
     これからの持続可能な発展/これまでの環境政策への産業界の批判
  4.持続可能性を政治的な実行性に結びつけるための課題
     産業界の意見に対する各界からの批判/持続可能性に向けた政策が実行されにくい理由

おわりに

Copyright