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書籍詳細
 
自然的攪乱・人為的インパクトと河川生態系
小倉紀雄・山本晃一編著
A5・374頁 / 5940円
発行年月日 : 2005年5月
ISBN : 978-4-7655-3408-6
 

内容紹介
河川とその周辺は、流水・流送土砂により侵食堆積等の攪乱を受ける特異な場所であり、その攪乱の形態・規模・頻度が生息する植物・動物等の生態系の構造と変動を規制し、その特異性と生物多様性を形成する。自然的攪乱と人間活動に伴う人為的インパクトが河川生態系の構造と変動形態に及ぼす影響に関する知見を集約し、要因間の関連性を含めて詳述。
 
目次
1. 序論
1.1 本書の目的と範囲
1.2 河川生態系における自然的攪乱・人為的インパクト
1.2.1 自然的攪乱と人為的インパクト
1.2.2 河川生態系の構成要素と空間・時間スケール
1.2.3 河川生態系を規定する支配要因
1.2.4 自然的攪乱・人為的インパクトに対する河川生態系応答特性の捉え方
1.2.5 河川生態系にとっての主要人為的インパクトと河川生態系への影響
参考文献

2. 地球環境変化が河川環境へ及ぼす影響
2.1 概説
2.2 地球環境問題
2.2.1 地球温暖化
2.2.2 オゾン層の破壊
2.2.3 酸 性 雨
2.3 地球温暖化による水循環および生態系への影響
2.3.1 水循環への影響
2.3.2 水質への影響
2.3.3 水資源への影響
2.3.4 生態系への影響
2.3.5 海水面変化と河川生態系への影響
2.4 酸性雨が水質や生態系へ与える影響
2.5 オゾン層の破壊(紫外線の増加)が水質や生態系へ与える影響
2.6 複合的な要因による生態系への影響
2.7 長期間の水質・生態系モニタリングによる生態系への影響評価
参考文献

3. 河川流送物質の量・質と自然的攪乱・人為的インパクト
3.1 概説
3.2 流量の自然変動と人為的インパクトの影響
3.2.1 潜在的自然流況と自然的攪乱
3.2.2 人為的インパクトによる流況の変化
3.3 河川流送物質の動態と人為的インパクト
3.3.1 土砂
3.3.2 水温
3.3.3 有機物,栄養塩
3.3.4 微量環境物質
参考文献

4. 生態系基盤としての河川地形に及ぼす自然的攪乱・人為的インパクトとその応答
4.1 概説
4.1.1 河川地形システムの捉え方
4.1.2 河川生態系における河川地形の位置
4.2 流域(大)スケールの河川地形とその変化
4.2.1 河川の縦断形とセグメント
4.2.2 セグメントの形成機構
4.2.3 セグメントの変動速度と土砂動態マップ
4.2.4 セグメントスケールの河道変化と人為的インパクト
4.3 中規模スケール(セグメント内)の地形システムとその内的構造
4.3.1 河床に働く洪水時の掃流力と河道の平均スケール
4.3.2 河床地形と土砂の分級
4.3.3 河岸侵食および氾濫原堆積に伴う土砂の分級と堆積構造
4.4 中規模河川地形に及ぼす人為的インパクトの影響
4.4.1 人為的インパクトに対する中規模河川地形の応答方向
4.4.2 人為的インパクトに対する中規模河道地形の変化
4.5 小規模河川地形と人為的インパクト
4.5.1 小規模河床波
4.5.2 流水障害物と淵(プール)・サンドリボン
4.5.3 河床材料とマトリックス
4.6 大洪水と河道の応答:大洪水はカタトロスフィックか
4.6.1 検討の目的と方法
4.6.2 2000(平成12)年9月洪水による庄内川河道の変化
4.6.3 セグメントごとの大洪水に対する応答特性
参考文献

5. 河川における自然的攪乱・人為的インパクトと河川固有植物・外来植物のハビタット
5.1 概説
5.1.1 河川生態系とは
5.1.2 河川における生態と遷移
5.1.3 河川植生と物理基盤の相互依存性
5.2 河川における自然的攪乱・人為的インパクトと植物の反応
5.2.1 河川における自然的攪乱と植物の反応
5.2.2 河川における人為的インパクトと植物の反応
5.3 河川における植物群落の分布と河道特性
5.3.1 セグメントスケールから見た植物群落の分布特性
5.3.2 多摩川における植物群落の分布
5.3.3 多摩川以外の河川における研究例
5.4 河川における自然的攪乱と河川固有植物
5.4.1 渓流域における自然的攪乱と河川固有植物
5.4.2 扇状地河川における自然的攪乱と河川固有植物
5.4.3 蛇行域における自然的攪乱と河川固有植物
5.5 河川の植物や植生に与える人為的インパクトの影響
5.5.1 ダム建設による下流の植生変化
5.5.2 水質の変化が植物に与える影響
5.5.3 水位変化による植生変化
5.5.4 土砂量増大による湿地の乾燥化
5.5.5 高水敷の利用と植生
5.6 河道特性と外来植物のハビタット
5.6.1 河川における外来植物の侵入
5.6.2 多摩川における外来植物群落の分布パターン
5.6.3 多摩川におけるハリエンジュのハビタットと分布拡大
5.6.4 多摩川永田地区におけるオニウシノケグサの繁茂
5.6.5 鬼怒川における外来植物の侵入
5.7 礫床河川の河道内樹林化
5.7.1 近年の礫床河川の河道特性と河川植生の繁茂
5.7.2 河道内樹林化の形成過程
5.7.3 洪水の攪乱による河道内樹林化
5.8 礫床河原植生の攪乱・破壊
5.8.1 植生の洪水破壊の形態
5.8.2 礫州上の草本類の攪乱・破壊
5.8.3 礫州上の木本類の攪乱・破壊
参考文献

6. 自然的攪乱・人為的インパクトに対する河川水質と基礎生産者の応答
6.1 河川生態系における水質と基礎生産者
6.1.1 河川生態系と水質
6.1.2 河川生態系における基礎生産者としての底生藻
6.1.3 河川生態系の食物網構造
6.2 自然的攪乱・人為的インパクトによる河川水質の変化
6.2.1 降雨による栄養塩類の流出
6.2.2 森林管理と河川水質
6.2.3 ダム・堰による停滞域の発生と水質の変化
6.2.4 河川水質と人間生活
6.3 自然的攪乱・人為的インパクトに対する底生藻群落の応答
6.3.1 河床攪乱と底生藻群落
6.3.2 河川水質の変化と底生藻
6.4 自然的攪乱・人為的インパクトと時間軸
参考文献

7. 自然的攪乱・人為的インパクトに対する底生動物の応答特性:出水が底生動物に及ぼす影響
7.1 概説
7.2 河川生態系における底生動物
7.3 底生動物に対する出水攪乱:攪乱と応答の定義と特徴付け
7.4 抵抗性と回復速度
7.5 攪乱からの回復時間
7.6 リーチ内待避場
7.6.1 冠水した氾濫原や河原等
7.6.2 巨礫の下流側および下面
7.6.3 はまり石
7.6.4 MBC(Microform bed cluster)
7.6.5 河床間隙域
7.6.6 リター堆積パッチ
7.6.7 倒流木堆積
7.7 おわりに
参考文献

8. 魚類の生活に影響を与える人為的インパクトと自然的攪乱
8.1 概説
8.2 温暖化が魚類に及ぼす影響
8.2.1 温度変化に対する魚類の生理学
8.2.2 温度選好
8.2.3 進化時間と温暖化
8.2.4 種の分布移動
8.2.5 湧水域の魚に与える影響
8.2.6 淡水魚分布における海進の影響
8.2.7 温暖化は絶滅を招くか
8.2.8 種の多様性と温暖化
8.3 ダム構造物が魚類の生活に与える影響
8.3.1 河川の魚類の生活
8.3.2 ダム上流域:湛水域(ダム湖)
8.3.3 ダム下流域:減水域
8.4 河川の魚類相:移入種と多様性
8.4.1 豊川の特性
8.4.2 豊川の魚類相
8.4.3 移入種の問題
8.4.4 魚類相からみた豊川の今後
参考文献

9. 自然的攪乱・人為的インパクトの観点から見た河川生態系の保全・復元の方向
9.1 河川生態系の保全・復元の意義
9.2 河川生態系制御における操作要素と受動要素
9.3 河川生態系の保全・復元の方向
9.3.1 流域の土地利用と河川生態系の保全・復元
9.3.2 河川計画と河川生態系の保全・復元
9.3.3 河川環境における人為的インパクトの軽減:魚類の保全の視点から
9.3.4 ダム構造物と魚類の保全・復元
9.4 今後の課題
参考文献

一般項目索引
地名関連項目索引
生物関連項目索引
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