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木暮敬二著 |
A5・294頁 / 5500円 発行年月日 : 2004年8月 ISBN : 978-4-7655-3401-7 |
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土壌の汚染は長期にわたって影響が続く蓄積性をもつことから,水や大気のように排出源規制だけでは環境の回復を図ることがむずかしく,土壌そのものに対する浄化修復対策が必要になる。また,土壌汚染問題への対処は,従来のような公害型の民事救済手段による被害者救済だけではなく,行政的規制手段による積極的な浄化修復対策が求められるようになってきた。こうした社会情勢のもとで,2003年2月15日に,関係する政令,省令を整えて土壌汚染対策法が施行されたが,土壌汚染対策においては,とりわけ土壌汚染の調査と汚染対策としての措置に関する技術が重要な位置を占める。本書では,これらの技術的な事項に関する正確な運用方法と技術そのものの理解を目的として,土壌汚染対策法,ダイオキシン類対策特別措置法およびそれらに関係する政令,省令等に定められている技術的な事項,とくに調査方法および措置方法を実務的に解説する。
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第1章 土壌汚染への制度的な取組み 1.1 土壌汚染に関係する基準と法令 1.1.1 土壌汚染の特徴 1.1.2 土壌汚染に関係する基準と法令 1.1.3 環境基本法 1.2 土壌汚染と環境基準 1.2.1 環境基準 1.2.2 土壌環境基準 1.2.3 地下水環境基準 1.2.4 水質環境基準 1.2.5 環境基準値設定の考え方 1.3 法律による土壌汚染の規制措置 1.3.1 農用地土壌汚染防止法 1.3.2 水質汚濁防止法 1.3.3 土壌汚染対策法 1.3.4 ダイオキシン類対策特別措置法 1.3.5 その他の関係法規 1.3.6 地方自治体の条例・指導要綱等
第2章 土壌汚染対策法の概要 2.1 土壌汚染対策法制定の背景 2.1.1 公害としての市街地の土壌汚染 2.1.2 最近の市街地の土壌汚染問題 2.2 土壌汚染対策法制定の経緯 2.2.1 土壌環境保全対策制度検討会 2.2.2 土壌汚染対策法での検討事項 2.3 土壌汚染対策法の概要 2.3.1 土壌汚染対策法の概要 2.3.2 土壌汚染対策法施行令の概要 2.3.3 土壌汚染対策法施行規則の概要 2.4 土壌汚染対策法の特徴 2.4.1 基本的枠組み 2.4.2 土壌汚染対策法の特徴 2.4.3 土地所有者の義務の根拠 2.5 調査と措置の考え方 2.5.1 調査方法の考え方 2.5.2 措置(対策)の考え方 2.5.3 土壌汚染の判断基準 2.6 土壌汚染対策法の今後の課題
第3章 土壌汚染状況調査と指定区域 3.1 土壌汚染状況調査 3.1.1 土壌汚染状況調査の目的 3.1.2 土壌汚染状況調査の流れ 3.2 土壌汚染状況調査を行う契機と種類 3.2.1 調査を行う契機 3.2.2 調査方法の特徴 3.2.3 調査内容と調査の適用除外 3.3 土壌汚染状況調査の対象地と対象物質 3.3.1 3条調査の対象地と対象物質 3.3.2 4条調査の対象地と対象物質 3.4 土壌汚染の「おそれ」による土地の分類 3.4.1 土壌汚染の「おそれ」を分類するための資料等調査 3.4.2 土壌汚染の「おそれ」の分類 3.5 試料採取等のための区画の設定 3.5.1 単位区画の設定 3.5.2 試料採取等の基本的な考え方 3.5.3 第一種特定有害物質汚染における試料採取等区画の設定 3.5.4 第二・三種特定有害物質汚染における試料採取等区画の設定 3.5.5 試料採取等地点の設定の考え方 3.6 第一種特定有害物質汚染における試料採取等 3.6.1 基本的な考え方 3.6.2 土壌ガス試料採取等地点の設定 3.6.3 土壌ガス調査での試料採取等 3.6.4 地下水調査(土壌ガスが採取できない場合) 3.6.5 ボーリング調査(土壌ガス中に有害物質が検出された場合) 3.7 第二・三種特定有害物質汚染における試料採取等 3.7.1 試料採取等地点の設定 3.7.2 表層土壌調査 3.8 試料採取等の一部省略規定 3.9 4条調査(命令的調査)での土壌汚染状況調査の特例 3.9.1 基本的な考え方 3.9.2 ボーリング等による地下水調査と深層土壌調査 3.10 指定区域の指定 3.10.1 第一種特定有害物質汚染での指定区域の指定 3.10.2 第二・三種特定有害物質汚染での指定区域の指定 3.10.3 4条調査での指定区域の指定の特例 3.10.4 土対法施行前に行った調査結果の利用 3.11 指定基準値設定の考え方 3.11.1 暴露径路 3.11.2 溶出量指定基準の考え方(地下水等摂取リスクに対応) 3.11.3 含有量指定基準の考え方(直接摂取リスクに対応) 3.12 自然原因による土壌汚染の判断 3.12.1 溶出量指定基準を超過する場合の判断 3.12.2 含有量基準を超過する場合の判断
第4章 土壌汚染に関する調査と試験 4.1 土壌ガス調査 4.1.1 土壌ガス調査の意義 4.1.2 土壌ガスの採取・測定(分析)方法 4.1.3 その他の土壌ガス調査法 4.1.4 土壌ガス調査での留意点 4.2 表層土壌調査 4.2.1 表層土壌調査の目的 4.2.2 表層土壌試料の採取方法 4.2.3 試料採取での留意事項 4.2.4 採取する土壌試料の量 4.3 ボーリングによる深層土壌調査 4.3.1 ボーリング調査の位置付け 4.3.2 ボーリング掘削方式 4.3.3 ボーリングによる土壌試料の採取方法 4.3.4 ボーリングによる試料採取での留意事項 4.4 土壌試料の測定・分析方法 4.4.1 土壌溶出量測定 4.4.2 土壌含有量測定 4.5 地下水調査 4.5.1 観測井の設置 4.5.2 観測井の構造 4.5.3 観測井からの地下水試料の採水方法 4.6 採取した地下水の測定・分析
第5章 措置の種類と詳細調査 5.1 措置に関する基本的な考え方 5.1.1 措置決定の基本的な考え方 5.1.2 措置の実施に関する基本的事項 5.2 措置の種類と選択 5.2.1 土壌汚染によるリスク 5.2.2 措置に関する基本的な考え方 5.2.3 直接摂取リスク防止に関する措置 5.2.4 地下水等摂取リスク防止に関する措置 5.2.5 直接摂取と地下水等摂取の両リスク防止に対応する措置 5.3 措置のための詳細調査 5.3.1 基本的な考え方 5.3.2 第一種特定有害物質汚染での深度調査 5.3.3 第二・三種特定有害物質汚染での深度調査 5.3.4 最終的な土壌汚染の範囲の確定 5.4 土地の形質変更の制限
第6章 直接摂取リスク防止に関する措置 6.1 立入禁止措置 6.2 舗装措置 6.2.1 舗装措置とは 6.2.2 舗装の種類と特徴 6.2.3 舗装の施工 6.3 盛土措置 6.3.1 盛土措置とは 6.3.2 盛土材に必要な性質 6.4 指定区域内土壌入換え措置 6.5 指定区域外土壌入換え措置 6.6 原位置浄化措置(直接摂取リスク対応) 6.6.1 原位置浄化措置とは 6.6.2 原位置浄化措置の種類 6.6.3 原位置浄化での留意事項
第7章 地下水等摂取リスク防止に関する措置 7.1 地下水の水質測定措置 7.2 原位置不溶化措置 7.2.1 原位置不溶化措置とは 7.2.2 原位置不溶化の施工 7.3 不溶化埋め戻し措置 7.3.1 不溶化埋め戻し措置とは 7.3.2 不溶化埋め戻しの施工 7.4 原位置封じ込め措置 7.4.1 原位置封じ込め措置とは 7.4.2 原位置封じ込めの構造物 7.4.3 原位置封じ込めに用いられる遮水壁 7.4.4 原位置封じ込め適用にあたっての留意事項 7.4.5 原位置封じ込めの施工 7.5 遮水工封じ込め措置 7.5.1 遮水工封じ込め措置とは 7.5.2 遮水工の種類 7.5.3 遮水工封じ込めの施工 7.6 遮断工封じ込め措置 7.6.1 遮断工封じ込め措置とは 7.6.2 遮断工封じ込め施設の要件 7.6.3 遮断工封じ込めの施工 7.7 原位置浄化措置 7.7.1 原位置抽出法 7.7.2 化学的な原位置分解法 7.7.3 生物的な原位置分解処理法 7.7.4 原位置土壌洗浄法 7.7.5 原位置浄化措置の施工
第8章 掘削除去措置と汚染土壌の搬出処分 8.1 掘削除去措置とは 8.2 掘削除去の手順 8.3 掘削汚染土壌の指定区域内・外での浄化 8.3.1 熱処理 8.3.2 洗浄処理 8.3.3 化学処理 8.3.4 生物処理 8.3.5 抽出処理 8.4 掘削除去措置での管理事項 8.4.1 埋め戻し土の管理 8.4.2 掘削除去での留意事項 8.5 汚染土壌の指定区域外への搬出処分 8.5.1 最終処分場または埋立場所等への搬入 8.5.2 浄化施設での浄化 8.5.3 セメント原料としての利用 8.5.4 汚染土壌の外部処分での留意事項
第9章 ダイオキシン類による土壌汚染の調査と措置 9.1 ダイオキシン類汚染に係わる土壌調査 9.1.1 調査の考え方 9.2 調査の種類と進め方 9.2.1 地域概況調査 9.2.2 調査指標確認調査 9.2.3 範囲確定調査 9.2.4 対策効果確認調査 9.2.5 継続モニタリング調査 9.3 土壌試料の採取 9.3.1 試料採取の考え方 9.3.2 試料採取方法 9.3.3 分析用試料の調整 9.4 分析方法 9.5 対策技術 9.5.1 対策技術の種類 9.5.2 溶融固化 9.5.3 DCR脱ハロゲン化 9.5.4 ダイオキシン類汚染水の処理技術 9.5.5 PCB汚染土壌の処理技術
参照資料 I 「検液の作成方法(溶出方法)」(土壌環境基準の付表) (平成3年8月23日 環境省告示第46号) II 「土壌ガス採取方法および含有量測定方法」 (平成15年3月6日 環境省告示第16号) III 「地下水中の特定有害物質測定方法」(平成15年3月6日 環境省告示第17号) IV 「土壌溶出量測定方法」(平成15年3月6日 環境省告示第18号) V 「土壌含有量測定方法」(平成15年3月6日 環境省告示第19号) VI 「環境化学分析のための表層土試料の採取方法」 (平成15年 地盤工学会基準 JGS 1921−2004) VII 「ロータリー式スリーブ内蔵二重管サンプラーによる環境化学分析のための試料の採 取方法」(平成15年 地盤工学会基準 JGS 1911−2004) VIII 「打撃貫入法による環境化学分析のための試料の採取方法」 (平成15年 地盤工学会基準 JGS 1912−2004) IX 「観測井からの環境化学分析のための地下水試料の採取方法」 (平成15年 地盤工学会基準 JGS 1931−2004)
索引
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