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大槻均・澤井健二・菅原正孝編著 |
A5・208頁 / 3080円 発行年月日 : 2000年11月 ISBN : 4-7655-3174-0 |
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水環境問題への対症療法的な対策,処置は,結局,めざましい成果をあげられなかったといわざるをえない.であるなら,21世紀の水をめぐる取組みは,いかなる方向をめざすべきなのか.本書は,水を地球環境という全体の枠組みのなかでとらえることの重要さを説き,本来の水循環の姿を念頭に,一見無駄に見える迂回路のようなことがら,いかにも間接的であると思われることがらも取り込みながら,その方向性を探っている.
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第1章 20世紀末の潮流と動向 1.1 水環境をめぐる潮流と課題 水環境の変遷/水管理における総合性/システムの再編成と技術的課題/行政および法律上の課題 1.2 水環境・水循環政策の動向と新たな展開 水源涵養/水資源の確保/水の利用/河川,湖沼,地下水などの水質保全/自然環境の変化と保全対策 1.3 水環境技術の到達点 水の循環利用/水資源の確保/水の利用/水質の保全/自然環境と景観の保全 第2章 21世紀の水環境のあり方 2.1 新しい水環境創造のあり方 地球サミット後の社会システムの方向/量的,質的制御と自然の浄化機能/水環境創造の制御と管理 2.2 量的,質的制御からの技術的展望 水量制御のあり方/水環境制御のあり方/量と質の総合制御に向けて 2.3 生態系と共生する水環境整備の方向 水環境整備における生態系と共生の必要性/水環境における生態系の保全/生態系の保全と創造の方法/水環境における生態系との共生規範 2.4 水環境改善への住民参加 住民参加の必要性/住民参加の手法と事例/住民参加の問題点/よりよい住民参加のあり方
第3章 水環境と地域システムの新しい枠組み 3.1 「地域生命」を基盤とした新たな流域圏の構築 バイオリージョンとは何か/都市と農山村をつなぐ:経済地域から生命地域へ/バイオリージョナル計画手法 3.2 都市および農山村地域における水環境施策の展開 都市のリノベーションと農山村地域の再生/農山村地域における活水型地域づくり/都市近郊地域の水環境 3.3 地域,景観,生態系を包含した水文化の醸成 新たな水文化の構築:文化論への流れ/水文化のアプローチ/水文化と生態学的な発想の転換 3.4 水環境管理と技術展開 管理とマネジメントシステム/環境マネジメントシステムと環境管理/水環境管理と管理技術
第4章 新しい水環境創造技術の課題と展望 4.1 発生源負荷の削減と資源化の技術 発生源の特徴と基本的考え方/有機性の排液と廃棄物の資源化 4.2 水環境の計測と評価技術の新展開 4.3 膜処理技術の可能性 在来型水処理の限界/膜分離プロセスの利点/膜処理技術の課題 4.4 河川,ため池の水質改善の方法 底泥対策/湖水の直接浄化対策/池の浄化システムの開発例 4.5 アメニティポンドの創造と整備 アメニティポンドの定義/水辺の減少/調整池とため池の新しい価値と利用の創造/アメニティポンドの整備を推進するうえでの課題と施策 4.6 総合水管理型下水道への転換 水循環型社会創設を支える下水道/水環境再生下水道の推進/低コスト高度処理技術の開発/微量有害物質および病原性微生物対策/下水道におけるノンポイント対策 4.7 ビオトープ整備の課題と展望 ビオトープ整備の現状/ビオトープ整備の課題/今後の展望 4.8 感潮域における礫間浄化 石積み堤による水質浄化機能/石積み堤内の流れの解析法/ラグーン内の水質の時間変化/計算例/りんくう公園内における調査例/より効果的な水質浄化を目指して
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