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水環境と生態系の復元 |
−河川・湖沼・湿地の保全技術と戦略− |
浅野孝・大垣眞一郎・渡辺義公監訳 |
A5・620頁 / 11000円 発行年月日 : 1999年3月 ISBN : 4-7655-3156-2 |
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水環境の保全,再生の試みは,わが国でもさまざまになされているが,水生生態系の復元は,大きな困難が伴うだけでなく,「復元」すべき生態系とはどの時点の生態系をいうのか,その意味さえ曖昧である.本書は,米国調査研究評議会(National Research Council)の報告書を翻訳したもので,長年にわたって推進されてきた米国の生態系復元事業の経験を紹介するとともに,学識者が水生生態系復元の意義と原理を,多くのケーススタディをもとに分析・評価している.各種用語の定義付けも明確になされたうえで論が展開されており,今後の水環境への取組みに,示唆するところ大であろう.
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本書の要旨 はじめに/国家的戦略/連邦議会/調整のとれた長期的かつ大規模な復元:その企画・評価およびモニタリング/湖沼/河川/湿地/教育と訓練/結論 第1章 序論 本研究の沿革/復元とは何か/米国の水資源の現状/国家的な水生生態系復元の必要性
第2章 水生生態系管理の目的と担当機関の変遷 水質管理/氾濫原管理の非構造的アプローチ/連邦所有地の利用と連邦政府による民間意思決定のインセンティブ/世紀末における変化/州の役割の浮上
第3章 水生生態系復元のプランニングと評価 はじめに/復元プロジェクトのプランニング/評価の目的/評価基準の選択とデータの合成/結論と勧告
第4章 湖沼 概要/湖沼の重要性/湖沼が受けるストレス/湖沼の復元と管理/連邦および州の湖沼復元・管理プログラム/湖沼の復元技術/流域も含む統合的な水生システム/湖沼復元の必要性/結論と勧告
第5章 河川 概要/河川の重要性/河川の管理と復元に関連する概念/河川・河岸生態系/河川が受けるストレス/河川の復元/結論と勧告
第6章 湿地 概要/湿地の損失/復元の機会/湿地復元のためのプログラム/湿地復元の研究と技術の現状/復元の目的の達成を制限する要因/復元プロジェクトの成功に関する議論/必要性/結論と勧告
第7章 水生生態系の統合的復元 はじめに/水生生態系の統合的復元に対する制度的障害/水生生態系の統合的復元の野生生物にとっての重要性/水生生態系の復元の適切な規模/流域復元のための歴史的記録の利用/結論
第8章 国家的な水生生態系の復元戦略:その基本要素および関連する勧告 はじめに/国家的復元目標/優先順位づけと意思決定の原則/連邦機関の政策とプログラムの見直し/資金調達および土地・水市場の利用における革新/まとめ
付録A.復元のケーススタディ(湖沼/河川/湿地) 付録B.用語解説
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