ノンポイント負荷の制御 −都市の雨水流出と負荷制御法− 和田安彦著 A5・162頁 / 4070円 発行年月日 : 1994年11月 ISBN : 4-7655-3139-2 ノンポイント汚染源負荷の量と質は複雑，相互に関連する不可分な問題である．本書はそこに焦点を当て，具体的な検討を行い，様々な対策と今後の方向を展開した． 【主要目次】雨水流出とノンポイント汚染源負荷／雨水排除と洪水・浸水防御システム／雨水貯留浸透施設とその今後の方向／最近の雨天時流出解析方法／日本の雨水流出抑制システム／海外の雨水流出制御システム／雨水流出とノンポイント汚染源負荷対策／今後の雨水流出管理とノンポイント汚染源負荷削減対策の方向   第1章　都市域の雨水流出とノンポイント汚染源負荷 1．1　都市域における汚濁負荷 都市域水系の汚濁化とノンポイント汚染源負荷／ノンポイント汚染源負荷の水系水質に与える影響／都市における汚濁発生源の変化／水源地域のノンポイント汚染とその対応策 1．2　降雨特性 都市のヒートアイランド化と降雨／地球の温暖化と降雨 1．3　都市域の雨水流出 都市域の水循環経路／都市化による水循環の変化 1．4　都市域のノンポイント汚染源負荷の発生と水系への流出過程 汚濁排出源／流出過程の堆積汚濁源／水系への流出過程 第2章　都市域の雨水排除と洪水・浸水防御システム 2．1　都市域の雨水排除と総合治水対策 総合治水対策実施の背景／総合治水対策での各種事業／下水道と総合治水とのかかわり／新しい総合治水対策／制御効果の定量化 2．2　大都市における雨水整備の方向 大都市における雨水整備研究会／雨水排水整備目標の高水準化 第3章　雨水貯留浸透施設とその今後の方向 3．1　雨水貯留施設 雨水貯留施設の種類／今後の雨水貯留池の設計の方向 3．2　雨水浸透施設 雨水浸透施設の種類／雨水浸透施設の問題点とその対策 3．3　管内貯留による雨水対策 都市域での管内貯留施設整備の背景／施設の設置目的と機能／雨水貯留池との比較／今後の雨水貯留管の設計の方向 第4章　最近の都市域での雨天時流出解析手法 4．1　雨天時流出解析モデル 最近の雨天時流出解析モデル／最近の雨天時流出解析モデル開発の動向／雨天時流出解析モデルによる解析事例 4．2　各種設計における雨水流出解析法 下水道管渠の設計／雨水流出抑制施設の設計 第5章　日本の雨水流出抑制システム 5．1　雨水浸透施設による雨水流出制御 5．2　広域的な雨水流出制御システム 都市域の広域的な雨水流出制御／雨水の総合流出制御システムの基本的考え方 5．3　レーダ雨量観測予測システムを用いた雨水流出制御 川崎市における導入例／東京都下水道局における導入例 5．4　大規模雨水貯留による雨水流出制御 札幌市における雨水貯留管／川崎市における大規模雨水貯留施設の多目的利用／名古屋市における雨水貯留施設／京都市における貯留施設／大阪市における大規模雨水貯留施設／横浜における貯留幹線 5．5　日本でのリアルタイムコントロールの導入状況 リアルタイムコントロール／日本におけるリアルタイムコントロール 第6章　海外の雨水流出制御システム 6．1　最近の海外の合流式下水道越流対策の概要 6．2　リアルタイムコントロールモデル MOUSE法／MIKE　11　Module／MIKE　11　UD　Module／HYCEMOSモデル 6．3　リアルタイムコントロールを利用した合流式下水道越流対策の事例 スウェーデンでの大深度貯留トンネルを用いた合流式越流のリアルタイムコントロール／デンマークでの合流式下水道からの越流の減少のためのリアルタイムコントロールのシミュレーションモデル／ドイツでの合流式下水道のリアルタイムコントロール 第7章　都市域の雨水流出とノンポイント汚染源負荷対策 7．1　都市域でのノンポイント汚染源対策 基本的考え方／汚濁ポテンシャルの低減への対策／ノンポイント汚染源負荷の雨天時流出の抑制／汚濁した雨水流出水の処理 7．2　都市域における雨天時流出負荷制御の事例 大阪市での大規模大深度下水道幹線による合流対策／寝屋川流域都市水防災総合計画／環七地下河川／東京都目黒川流域での貯留機能を持った遮集管による合流改善／京都市での貯留管による合流対策 第8章　今後の都市の雨水流出管理とノンポイント汚染源負荷削減対策の方向 8．1　21世紀の都市と雨水流出 21世紀の都市／21世紀の都市における雨水流出とノンポイント汚染源 8．2　水に強い都市づくり 水に強い都市づくりの基本的考え方／水の再生利用・有効利用による水に強い都市づくり／雨水流出抑制による水に強い都市づくり 8．3　21世紀における下水道 より環境にやさしい下水道へ／21世紀のノンポイント時代における下水道／21世紀の都市での雨水流出制御の方向