|
空気調和・衛生工学会編 |
B5・198頁 / 3850円 発行年月日 : 2019年9月 ISBN : 978-4-7655-2613-5 |
|
|
|
空気調和・衛生工学会では,21世紀ビジョンの中で,2030年までの「ZEB化技術の確立」,2050年までの「関連分野のゼロ・エネルギー化完全移行」への寄与を重要テーマと位置づけZEB定義検討小委員会を設立し,国内外のZEBベストプラクティス調査,定義・評価方法の拡充,デザインメソッドの整理等を行ってきた。本書はそれらの成果を体系的に整理し,デザインメソッドとしてとりまとめた書。建物オーナーや設計者をはじめとするZEBを実現しようという建設関係者や建築・エネルギー関係の教育・研究に携わる学識者のガイドラインとなる。
|
|
|
|
第1章 ZEBの動向 1.1 米国の建築物省エネルギーとZEBの動向 1.1.1 エネルギー・スター 1.1.2 2006年のNRELの定義 1.1.3 2010年のNRELの定義 1.1.4 DOEの定義 1.1.5 LEED 1.1.6 単体建築物からエリアへ 1.2 英国の動向 1.2.1 英国のZEBに関する動向 1.2.2 英国のZEB定義とその変遷 1.2.3 ゼロカーボンに向けた戦略とみなし削減 1.2.4 おわりに 1.3 EU諸国の動向 1.3.1 はじめに 1.3.2 EU諸国のエネルギー事情 1.3.3 EUの省エネルギー政策 1.3.4 EPBD改訂とゼロ・エネルギー・ビル 1.3.5 REHVAにおけるゼロ・エネルギー・ビルの定義 1.3.6 REHVAによる再生可能エネルギー利用率の提案 1.3.7 EU諸国におけるZEBの実例 1.4 アジア諸国の動向 1.4.1 中国の動向 1.4.2 韓国の動向 1.4.3 東南アジア諸国の動向 1.5 日本の動向 1.5.1 ZEB普及推進の背景 1.5.2 ZEB普及のための各種施策 1.5.3 ZEB実証事業 1.5.4 今後の課題
第2章 ZEBの定義と評価方法 2.1 ZEBの意義 2.1.1 ZEB化の目的・意義,波及効果 2.1.2 ZEB化の目標時期 2.1.3 ZEB化の対象建築物 2.2 ZEBの定義 2.2.1 定性的な定義 2.2.2 定量的な定義 2.2.3 境界条件 2.3 ZEBの評価方法 2.3.1 評価指標 2.3.2 評価期間,評価時間 2.3.3 配送(外部から供給された)エネルギーの扱い 2.3.4 逆送(外部へ供給した)エネルギーの扱い 2.4 ZEBの評価基準 2.4.1 室内環境の評価基準 2.4.2 ネット・エネルギー量の評価基準 2.4.3 再生可能エネルギーの供給方法によるZEBの分類
第3章 ZEBのデザインメソッド 3.1 ZEBへのアプローチ 3.1.1 アプローチの考え方 3.1.2 二次側×一次側の省エネルギー効果 3.1.3 デザインプロセスとデザインメソッド 3.2 屋外環境を適正化する 3.2.1 建物配置の適正化 3.2.2 外構計画の適正化 3.3 屋内環境を適正化する 3.3.1 ワークプレイスの適正化 3.3.2 温熱環境の適正化 3.3.3 光環境の適正化 3.4 負荷を抑制する 3.4.1 日射の遮蔽 3.4.2 外皮の断熱強化 3.4.3 内部発熱の実態把握 3.4.4 外気負荷の低減 3.4.5 すきま風の防止 3.5 自然エネルギーを利用する 3.5.1 昼光利用(自然採光) 3.5.2 自然換気 3.5.3 地中熱の利用(クール/ヒートチューブ) 3.5.4 太陽熱の利用 3.6 未利用エネルギーを活用する 3.6.1 温度差エネルギー 3.6.2 排熱の活用 3.7 設備・システムの高効率化をはかる 3.7.1 照明システムの高効率化 3.7.2 放射空調システム 3.7.3 デシカント空調システム 3.7.4 個別分散空調システムの高効率化 3.7.5 高効率ヒートポンプと蓄熱システム 3.7.6 高効率吸収式冷凍機 3.7.7 蓄電システム 3.7.8 自動制御による省エネルギーシステム 3.7.9 IoT/AIの活用 3.8 再生可能エネルギーを導入する 3.8.1 太陽光発電 3.8.2 バイオマス 3.8.3 オフサイト再生可能エネルギー 3.9 エネルギーマネジメントを実施する 3.9.1 BEMSの活用 3.9.2 ライフサイクルエネルギーマネジメントの実施 3.9.3 エネルギーの見える化 3.9.4 スマートエネルギーシステム
第4章 ZEBの先進事例 4.1 先進事例の概要 4.2 雲南市役所新庁舎──地域の歴史・風土・資源を活かしたZEB庁舎 4.3 清水建設本社ビル──持続可能な社会に貢献する都市型超環境オフィス 4.4 大成建設ZEB実証棟──都市型ZEBの実現に向けたパイロットプロジェクト 4.5 KTビル──都市型中規模オフィスの汎用型ZEBモデルの実践 4.6 竹中工務店東関東支店──稼働オフィスビルのZEB改修 4.7 大林組技術研究所本館──高い知的生産性とZEBを両立させたオフィス 4.8 東京大学21KOMCEE──大学発ZEB 4.9 ダイキン・テクノロジー・イノベーションセンター ──機器製造・開発の実践の場としての進化・普及型ZEB 4.10 関西電力南大阪営業所──個別空調最適制御を用いた中規模ZEBオフィス 4.11 東京ガス立川ビル──再生可能エネルギーとガスシステムの親和型ZEB 4.12 三建設備工業つくばみらい技術センター ──太陽と風と大地,身近な自然と共生するZEB 4.13 エネフィス九州──光と空気と水をデザインしたZEBオフィス 4.14 新日本空調工学センター ──省エネ・創エネ技術の効果を実証するZEB改修オフィス 4.15 新菱冷熱工業本社ビル──省エネで快適な執務環境を目指したZEB改修 4.16 秋田市新庁舎──冬に強く季節の変化にも上手につきあうZEB庁舎 4.17 生長の家“森の中のオフィス” 4.18 大成札幌ビル──寒冷地における既存ビルのZEB化
第5章 ZEBの展望 5.1 ZEBの位置づけ 5.1.1 省エネ建築との違い 5.1.2 ZEBの貢献先 5.2 産業としてのZEB 5.2.1 オートクチュール空調の疲弊 5.2.2 評価の不在 5.2.3 空調のコンフェクシオンモデル 5.2.4 コンフェクシオン構築の効能 5.2.5 オートクチュールとの相乗効果 5.3 全体最適化 5.4 技術の継承
|
|
|