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日本建築学会編 |
B5・206頁 / 3520円 発行年月日 : 2015年10月 ISBN : 978-4-7655-2583-1 |
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物理的刺激に対する生理心理反応を対象とした感覚・知覚心理研究については,音,光,熱,空気の個別の物理要素ごとに取り扱われることが多い。本書は,感覚・知覚心理研究分野における相互理解を深め,実務との接点を探り,先端的な研究成果を広く一般に知らしめることを意図した書。基礎編と応用編で構成されており,基礎編では心理的な評価尺度や被験者数などの研究の方法論のほか,物理要素と人間の生理心理反応との関係を追求する理論的な知見を紹介している。また,応用編では社会的な要請でもある省エネルギーや,快適性とは異なる基準への対応など,現実場面に即した今日的な話題を紹介した。
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基礎編 感覚・知覚心理研究の方法
第1章 人間の感覚と評価尺度 1.1 評価尺度をどのようにつくるか 1.2 温熱感覚申告尺度の歴史的変遷 1.3 温熱感覚・熱的快適性の測定と評価 1.4 においの評価尺度における諸問題 コラム 騒音のアノイアンス評価尺度 コラム 視環境の心理的評価尺度
第2章 被験者は何人必要か? 2.1 環境工学研究者が用いるサンプルサイズの実態 2.2 官能試験におけるサンプルサイズ−嗅覚測定におけるパネル数について− 2.3 実験研究におけるサンプルサイズ−実験計画法と分散分析の適用− 2.4 調査研究におけるサンプルサイズ−個人差・誤差の観点から−
第3章 物理的要素と感覚・知覚 3.1 サイン音の聴覚認知−注意の向きの影響について− 3.2 非定常過程における体温調節系および温冷感のモデル化 3.3 においの主観評価実験における諸問題について 3.4 視環境における明視性の位置づけと評価指標 3.5 複合交通騒音の評価に関して
第4章 人間の行動をとらえる 4.1 行動と環境計画(1)−子育て女性の公園利用行動と公園計画− 4.2 行動と環境計画(2)−高齢女性の生活行動と身体活動量− 4.3 行動と環境調節−窓による温熱環境調節−
応用編 感覚・知覚心理研究の展開
第1章 屋内から半屋外・屋外へ 1.1 行動観察に基づく屋外・半屋外空間の評価(1)−都市公園における被験者の行動− 1.2 行動観察に基づく屋外・半屋外空間の評価(2)−小学校の中庭の環境と児童の遊び行動− 1.3 屋外・半屋外空間の物理的特性と心理的評価の関連 1.4 屋外・半屋外空間の評価手法一考
第2章 高齢者の感覚・知覚 2.1 高齢者の聴覚認知 2.2 高齢者の視認能力 2.3 高齢者の温熱的特性
第3章 空間と人間の背景を読み解く 3.1 評価者の社会・文化的背景による景観の心理的評価構造の相違 3.2 文化的景観保全と住環境の意識 3.3 暑さ・寒さにかかわる居住者の住まい方とその評価
第4章 感覚・知覚と省エネルギー 4.1 視的快適性と省エネルギーの両立を目指して−視覚の時空間特性を考慮した明るさ感に基づく視環境設計− 4.2 快適な温熱環境の実現に向けて−局所の着衣熱抵抗の影響− 4.3 快適なにおい環境の実現に向けて−においを指標とした必要換気量の考え方− 4.4 複合環境評価を活かした省エネルギー
第5章 感覚・知覚研究のめざすところ 5.1 環境の評価基準としての快適性 5.2 なぜ,プロダクティビティ(知的生産性)か 5.3 健康な住まいの温熱環境
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