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日本建築学会編 |
B5・174頁 / 3080円 発行年月日 : 2007年8月 ISBN : 978-4-7655-2515-2 |
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ラーバン(rurban)とは,アーバン(urban:都市の)とルーラル(rural:農村の)という言葉の合成語です。本書では、「都市的環境と農的自然的環境の混在」という状況を「ラーバン」としています。多くの問題を抱えている混在・混住のエリアを積極的に可能性を評価して位置づけ,それをラーバンエリアと呼び,その計画・デザインに関して発信することを大きな目標としています。また,ラーバンエリアでのまちづくりの取組みを収集し,それらを紡ぎ摺り合わせて,ラーバンデザインというものの有り様を明確にするということも本書の重要な目標としています。
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1 ラーバンデザインの視座と検討課題 1.1 ラーバンデザインの視座と検討課題 1.1.1 生活環境および生活の諸問題 1.1.2 生活・生活環境に対する多様な価値観の醸成と「共生」の共有化 1.1.3 ラーバンデザインの視座と求める生活像・生活環境 1.1.4 検討課題 1.1.5 ラーバンエリアの捉え方とその類型
2 日本におけるラーバンエリアの形成過程と諸問題 2.1 日本におけるラーバンエリアの形成過程 2.1.1 郊外化と都市の成長過程 2.1.2 「アーバンフリンジ」から「ラーバンエリア」へ 2.1.3 ラーバンデザインへの視点 2.2 無計画な土地利用に伴うラーバンエリアの現状と諸問題 2.2.1 都市を支える裏方的エリア 2.2.2 虫食い状の宅地拡散エリア 2.2.3 市街地内部の農地残存エリア 2.2.4 ロードサイド・郊外大型店エリア 2.2.5 乱れたラーバンエリアの改善 2.3 ラーバンエリアの景観問題 2.3.1 ラーバンエリアの景観の現在 2.3.2 景観とはなにか 2.3.3 景観を支える「手入れ感」と歴史的文脈 2.3.4 景観法への期待 2.4 混住化に伴うコミュニティの諸問題と変化 2.4.1 混住化に伴うコミュニティの諸問題と新たな動き 2.4.2 ラーバンエリアにおけるコミュニティ組織の実態と再編
3 ラーバンエリアにおける計画・デザインの事例 3.1 ラーバンデザインへの模索“ 大学まち”と“つくばスタイル”−つくば市つくばエクスプレス沿線開発地区− 3.1.1 つくば市の概要と特徴 3.1.2 “大学まち”つくばのまちづくり活動 3.1.3 “つくばスタイル”とは 3.1.4 ラーバンデザインへの展開と課題 3.2 大都市フリンジ部における遊休農地の活用(坪沼プチファーム)−宮城県仙台市坪沼地区− 3.2.1 対象地域の概況 3.2.2 プチファームの概要と経緯 3.2.3 市民農園から地域づくり 3.2.4 遊休農地の活用と市民農園 3.2.5 プチファームの運営方法とその評価 3.2.6 まちづくり政策フォーラムの役割 3.2.7 ラーバンデザインの課題 3.3 農的・自然的要素を重視した都市形成の取り組みと課題−群馬県館林市− 3.3.1 館林市の概要 3.3.2 館林市における都市的整備の施策 3.3.3 館林市の自然的環境とその保全活動 3.3.4 ラーバンエリアとしての評価と課題 3.4 まちづくり構想の策定と構想実現に向けた活動の展開−四日市市県地区− 3.4.1 まちづくり構想策定の経過 3.4.2 地域価値を高めるためのまちづくり構想 3.4.3 構想実現に向けた実践と維持管理 3.4.4 まちづくり構想を受けた行政の働き 3.5 農業用水路がつなぐ こども達からおとなへのまちづくりの展開−山形市山形五堰地区− 3.5.1 「山形五堰地区」の概要 農業用水路整備事業のはじまり 3.5.2 都市的環境における農的資源との共生の経緯 3.5.3 ラーバンデザインへの展開・課題 3.6 ニュータウン居住者の環境評価・生活行動からみたラーバンデザインの一考察ー板倉町と板倉ニュータウン− 3.6.1 板倉町の概要と特徴的な魅力づくり 3.6.2 板倉ニュータウンの概要 3.6.3 ニュータウン居住者の環境に対する評価と生活 3.6.4 ラーバンデザインに関する一考察 3.7 地域共同による計画・実施・管理−伊賀町山出地区− 3.7.1 伊賀町まちづくり環境条例の概要 3.7.2 山出地区における計画プロセス 3.7.3 土地利用計画の内容 3.7.4 まちづくり環境計画協定の進行管理 3.7.5 山出地区の地域共同管理の特徴 3.8 町営別荘地におけるラーバンライフの模索「学者村の景観を考える会」−長野県長和町学者村− 3.8.1 長和町町営別荘地「学者村」の概要 3.8.2 「学者村の景観を考える会」設立の経緯 3.8.3 「学者村の景観を考える会」の概要 3.8.4 今後の展開 3.9 ふるさとの風景を住民主体で管理・再現する試み−静岡県三島市清住緑地− 3.9.1 地理的条件 3.9.2 社会的条件 3.9.3 生態系の状況 3.9.4 河川改修経過の概要 3.9.5 環境資産としての清住緑地 3.9.6 住民による維持管理実施への道のり 3.9.7 草刈りの持つ文化的意義 3.10 協働事業としての小河川の自然復元−静岡県三島市ホタルの里− 3.10.1 事業の概要 3.10.2 協働の整備事業の経過 3.10.3 環境復元事業の社会的意義と課題 3.11 大都市内における農的・自然的環境の保全−東京都世田谷区− 3.11.1 住宅地の成立と今後 3.11.2 世田谷区における環境保全まちづくりの歩み 3.11.3 都市の農的自然的環境の保全策としての評価
4 ラーバンデザインとコミュニティ活動 4.1 ラーバンデザインとコミュニティ活動 4.1.1 ラーバンデザインを支えるコミュニティ活動の諸形態 4.1.2 日常生活を基盤としたコミュニティ活動 4.1.3 住民・行政協働型のコミュニティ活動 4.1.4 住民・NPO主体型のコミュニティ活動 4.1.5 ラーバンデザインにおける合意形成と専門家の参画 4.1.6 ラーバンデザインにおける人材育成
5 ラーバンデザインに関わる法と制度 5.1 法整備の不備による混住と混在 5.1.1 ラーバンエリアでの混住・混在 5.1.2 混住・混在を生み出してきた土地利用法制度 5.2 現行法体系による開発誘導施策 5.2.1 線引き都市計画区域以外での開発誘導施策 5.2.2 市街化調整区域での開発誘導施策 5.2.3 ラーバンエリアの地区計画制度 5.2.4 都市計画法以外の開発規制・誘導施策 5.3 新たな土地利用制度の必要性 5.3.1 市町村独自の包括的土地利用制度 5.3.2 現行法制度の見直しと新たな法体系の構築
6 ラーバンデザインの展望 6.1 ラーバンデザインの展望 6.1.1 本書の成果 6.1.2 本書の課題 6.1.3 ラーバンデザインの展望 6.1.4 ラーバンエリアにおけるまちづくりの支援体制
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