gihodo shuppan
HOME 新刊案内 ジャンル別書籍 購入案内 会社案内 お問い合せ
書籍詳細
 
循環型の建築構造
−凌震構造のすすめ−
山口謙太郎ほか著
A5・180頁 / 2640円
発行年月日 : 2008年4月
ISBN : 978-4-7655-2511-4
 

内容紹介
サステナブルな建築の実現を目指す「循環型の建築構造」について,研究の現状を紹介し,その効果や今後の課題などを述べた書。「循環」の形態としては,とくに「リユース」を意識し,建築材料のリユースを可能にするための構造システムはどのようなものであればよいか,また,その構造システムを採用することは,構造的にはハンディにしかならないのか,有利にはたらく点はないか,ということを中心に考察している。
 
目次
第1章 今なぜ循環型か
 1.1 地球環境に優しい建築構造を考える
 1.2 地球環境負荷の増大と対策
  1.2.1 成長の限界と人口爆発
  1.2.2 エコロジカル・フットプリント
  1.2.3 地球温暖化  5
  1.2.4 カタストロフィーとソフトランディング
 1.3 我が国の対応
  1.3.1 循環型社会形成推進基本法と建設リサイクル法
 1.4 建設分野以外の対応
  1.4.1 資源有効利用促進法
  1.4.2 家電の分解デザイン
 1.5 海外における建設分野の対応
  1.5.1 建築物の総合的な環境性能評価手法
  1.5.2 Design for Disassembly
  1.5.3 Habitat for Humanityの活動

第2章 環境負荷低減に有効な循環の形態
 2.1 持続可能な生活形態
  2.1.1 環境倫理
 2.2 リデュース・リユース・リサイクル
  2.2.1 リデュース・リユース・リサイクルとリターン
 2.3 我が国における建築物の環境対策
  2.3.1 国土交通省や日本建築学会の取り組み
  2.3.2 「循環型住空間システムの構築」とスループット方程式
 2.4 地球環境に優しい建築構造であるために
  2.4.1 持続型の建築構造と循環型の建築構造

第3章 建設環境における解体を考慮した設計
 3.1 DfD序説
  3.1.1 はじめに
  3.1.2 現在の設計における問題点
  3.1.3 DfDとは何か?
 3.2 原 則
  3.2.1 はじめに
  3.2.2 DfDのための10原則
  3.2.3 具体的な戦略
 3.3 設計における戦略
  3.3.1 リユースとリサイクルの戦略
  3.3.2 建築物資源管理目標の階層
  3.3.3 DfDの価値
 3.4 設計プロセス
  3.4.1 建築物の設計
  3.4.2 異なる耐用年数を有する建築物
  3.4.3 異なる耐用年数とコストを有する建築物の要素
  3.4.4 材料の寿命
  3.4.5 材 料
  3.4.6 接 合
  3.4.7 形状と構造

第4章 循環型構造のための応力伝達システム
 4.1 循環型とするには―凌震構造の原理―
  4.1.1 現在の建築構造工学の体系と新たな自由度の付与
 4.2 循環型の建築構造とDfD
  4.2.1 応力伝達システムと循環性
  4.2.2 建築構造システムと循環性
 4.3 要素非接着型構造と建築構造力学
  4.3.1 建築構造力学と要素非接着型構造の設計

第5章 循環型の建築構造システム
 5.1 地球環境負荷の低減に向けた建築構造分野での取り組み
  5.1.1 はじめに
  5.1.2 完全リサイクルコンクリート
  5.1.3 石炭灰の大量有効利用
  5.1.4 建築構造分野でのリサイクル・リデュース
  5.1.5 パーフェクト・リサイクル・ハウスの取り組み
  5.1.6 溶接を用いない鋼構造の構法
  5.1.7 鉄骨系住宅のユニット工法
  5.1.8 博覧会におけるパビリオンのリユース
  5.1.9 プレハブ建築とリユース
  5.1.10 鋼構造のリユースマネジメントモデル
  5.1.11 ストローベイルハウス(リターンの取り組み)
 5.2 SRB-DUP構造(摩擦抵抗型乾式組積構造)
  5.2.1 日本にも長寿命の住宅を
  5.2.2 提案する組積造のベースモデル
  5.2.3 耐震性と日本の気候風土への適応性
  5.2.4 撓曲石英片岩Itacolumiteとその結晶構造のアナロジー
  5.2.5 SRB-DUP構造体の概要
  5.2.6 SRB-DUP構造に用いる固体要素(DUP煉瓦)
  5.2.7 SRB-DUP構造に用いる水平補強要素(鋼製プレート)
  5.2.8 SRB-DUP構造に用いる鉛直補強要素
  5.2.9 固体要素と水平補強要素の接触面における摩擦係数
  5.2.10 SRB-DUP乾式材料組織体の力学性状
  5.2.11 SRB-DUP構造壁部材の面内水平力に対する性能
  5.2.12 SRB-DUP構造梁部材の曲げに対する性能
  5.2.13 SRB-DUP構造壁部材・柱部材の軸圧縮力に対する性能
  5.2.14 SRB-DUP構造壁部材・柱部材の曲げに対する性能
  5.2.15 凌震構造の提案
  5.2.16 SRB-DUP構造の実験棟(熊本県玉名郡和水町)
  5.2.17 SRB-DUP構造の実験棟(福岡市東区アイランドシティ)
 5.3  SRB-DUP構造の振動特性とシミュレーション
  5.3.1 SRB-DUP構造のモデル化
  5.3.2 SRB-DUP構造の構成要素のパラメータ
  5.3.3 SRB-DUP構造壁体の振動実験(シリーズ1)
  5.3.4 SRB-DUP構造壁体の振動実験(シリーズ2)
  5.3.5 振動実験のミクロモデルによるシミュレーション
  5.3.6 振動特性とシミュレーションのまとめ
 5.4 木造リユース構造
  5.4.1 木構造への応用の基本的考え方
  5.4.2 試験体と実験の概要
  5.4.3 剛性評価
  5.4.4 ブロック間の減衰付加装置についての実験
  5.4.5 木造リユース構造のまとめ
 5.5 高摩擦すべり接合による鋼構造
 5.6 方杖ダンパーを用いた高力ボルト接合システム
 5.7 凌震構造とその可能性−循環性と構造的優位性の両立−

第6章 循環型建築構造の効果と課題
 6.1 循環型建築構造の効果
  6.1.1 建築材料のリユース率の向上
  6.1.2 ライフサイクルアセスメントによる評価
 6.2 循環型建築構造の課題
  6.2.1 リユースと材料の耐久性
  6.2.2 循環型と日本人
  6.2.3 在庫管理,保管,輸送の態勢
  6.2.4 リユースと行政
 6.3 持続可能な成長・発展・消費に向けて−循環型の建築構造を推進する意義−
Copyright