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健康建築学 |
−健康で快適な建築環境の実現に向けて− |
渡辺俊行・高口洋人ほか著 |
A5・198頁 / 2640円 発行年月日 : 2007年11月 ISBN : 978-4-7655-2508-4 |
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21世紀の健康で快適な建築環境を実現する方法論について述べた書。20世紀の建築設備の発展は,建築空間を「基準」という尺度で画一化し,無菌化を推し進めることにより,病気や騒音,不快感を締め出す一方で,ストレスや感受性の低下,シックハウスといった人間の健康にかかわる新たな問題も生み出してきた。このような状況下,本書は住まい手,使い手である人間と,それを取り囲む建築環境システムを統合的に扱うことを目指し,健康科学と建築設備の観点から建築環境を論じる。
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第1章 健康性と快適性,そして持続可能性 1.1 健康建築学とは何か 1.1.1 健康建築学 1.1.2 健康建築学と持続可能性 1.2 持続可能性とはなにか 1.2.1 持続可能性とはなにか? 1.2.2 ナチュラル・ステップとデーリーの三原則 1.2.3 自然満足度曲線 1.3 建築物の持続可能性 1.3.1 地球環境・建築憲章 1.3.2 サステイナブル・ビルディング 1.3.3 住宅の持続可能性 1.4 健康建築学とデカップリング 1.4.1 デカップリング 1.4.2 技術と住まい手,マネジメントの三位一体の取り組み
第2章 建築環境と健康問題 2.1 社会変化と健康問題 2.1.1 ヒトの歴史と環境問題 2.1.2 生物学的進化と文化的進歩のインバランス 2.2 居住環境と健康問題 2.2.1 脳卒中と熱中症 2.2.2 アレルギー性疾患 2.2.3 シックハウス症候群と化学物質過敏症 2.2.4 転倒,転落 2.3 職域環境と健康問題 2.3.1 労働災害の現状 2.3.2 腰痛,頚肩腕障害 2.3.3 じん肺およびその合併症 2.3.4 職業性難聴,振動障害 2.3.5 冷房病 2.3.6 喫 煙 2.3.7 疲労と心理的ストレス 2.3.8 その他 2.4 屋外環境と健康問題 2.4.1 アスベスト汚染 2.4.2 ダイオキシン汚染 2.4.3 騒音・振動公害 2.4.4 電磁波障害 2.5 おわりに
第3章 健康で快適な温熱・空気環境デザイン 3.1 建築環境システムの変遷 3.1.1 地球の誕生と人類の進化 3.1.2 地球の気候変動 3.1.3 土着住居の分類と変遷 3.1.4 火と水と室内環境 3.1.5 都市化による環境改変 3.2 持続可能な建築環境システム 3.2.1 建築環境システムの枠組み 3.2.2 世界の人口爆発と日本の少子高齢化 3.2.3 食料問題と資源問題 3.2.4 エネルギー問題 3.2.5 環境問題 3.2.6 持続可能な建築環境システムへの取り組み 3.3 建築温熱・空気環境のパッシブ・デザイン 3.3.1 パッシブ・デザインとアクティブ・コントロール 3.3.2 寒地と暖地 3.3.3 気候と民家 3.3.4 開放可能な閉鎖型住宅 3.3.5 建築の環境共生デザイン 3.4 建築温熱・空気環境のアクティブ・コントロール 3.4.1 アクティブ・コントロール 3.4.2 ヒートポンプの登場 3.4.3 現代建築空調の動向 3.4.4 現代建築を支える空調設備 3.4.5 空調方式と熱源方式 3.4.6 ヒートポンプ 3.4.7 京都議定書と3Es問題 3.4.8 エネルギー基本計画とエネルギー市場の自由化 3.5 豊かさWの最大化 3.5.1 環境効率とスループット 3.5.2 住まいの豊かさ 3.5.3 人の温熱感覚 3.6 環境負荷Dの最小化 3.6.1 アクティブの最小化 3.6.2 世界のエネルギー戦略 3.6.3 京都議定書目標達成計画 3.6.4 環境負荷Dの最小化シナリオ 3.6.5 循環型住空間システムのスループット最大化シナリオ
第4章 健康で快適な音環境デザイン 4.1 健康で快適な音環境デザインの考え方 4.2 環境騒音の予測・評価・対策 4.2.1 ASJ RTN-Model 2003 4.2.2 「騒音に係る環境基準」の評価 4.2.3 GISを用いた道路交通騒音評価システム 4.2.4 沿道騒音の対策 4.2.5 EUにおける環境騒音低減への取り組み 4.3 健康で快適な音環境の創出 4.3.1 自然音が聞こえる環境の保全整備 4.3.2 音環境の視点からの地区らしさの創出 4.3.3 健康で快適な音環境に向けて
第5章 健康で快適な光環境デザイン 5.1 光環境デザインの考え方 5.2 光環境の強・用・美・資 5.3 健康で快適な光環境 5.3.1 光環境と人 5.3.2 光環境と空間 5.3.3 光環境と資源 5.3.4 光環境と経済 5.4 照明の要件 5.4.1 照 度 5.4.2 輝 度 5.4.3 グレア 5.4.4 光の指向性と拡散性 5.4.5 光の色 5.4.6 演色性 5.4.7 フリッカ 5.4.8 陰 影 5.4.9 保 守 5.4.10 エネルギー 5.4.11 障害光 5.5 照明デザインの手法 5.5.1 光だまり 5.5.2 光のグラデーション 5.5.3 光のシークエンス 5.5.4 光の重心 5.5.5 光のゾーニング 5.5.6 かたい光 5.5.7 やわらかい光 5.5.8 フラットな光 5.6 光環境デザインのアートとサイエンス
第6章 快適で環境に調和した自然エネルギーの利用 6.1 自然エネルギーの利用 6.2 地中熱利用技術 6.2.1 地中熱利用ヒートポンプシステム 6.2.2 GeoHPシステムを構成する要素 6.2.3 GeoHPシステムの設計法 6.3 地中熱利用住宅用冷暖房システム設置の実例 6.3.1 設計の方針 6.3.2 冷暖房負荷の算定 6.3.3 熱移動シミュレーション 6.3.4 最適掘削長の決定 6.3.5 熱交換井掘削と温度応答試験 6.3.6 空調設備の選定 6.3.7 運転実績および運用の最適化 6.3.8 おわりに
第7章 スループットでみる健康建築 7.1 スループット方程式と健康建築 7.1.1 定常状態における豊かさWの増大 7.2 スループットシミュレーター 7.2.1 スループットシミュレーター 7.2.2 スループット方程式の一次近似 7.2.3 スループットシミュレーターの試作
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