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日本鋼構造協会編 |
B5・200頁 / 5500円 発行年月日 : 2007年10月 ISBN : 978-4-7655-2503-9 |
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構造設計者が当然身に付けているべき鉄骨製作に関する知識を,視覚的に理解しやすい「改善例シート」と資料によって解説したユニークな実務書.改善例シートは実例から選定した93項目で構成,鉄骨製作のポイントを示す。資料では,仕口部の納まり,仕上げ材との取合いディテール,建て方等を簡潔にまとめた。第3版の改訂版にあたっては2000年建築基準法改正,2007年JASS6の改定に伴う見直しを行うと共に,冷間成形角形鋼管柱-H形梁構造,溶融亜鉛めっき構造の鉄骨ディテール,溶接開先形状の改善例シートを追加。
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1.序 論
1.1 建設業界・建築鉄骨業界の現状と環境 1.2 工作を加味した鉄骨設計の背景と必要性
2.鉄骨製作のフローチャート
2.1 鉄骨製作工程と設計・施工計画内容の指示・決定手順のクリティカルパス 2.2 鉄骨の製作手順 2.2.1 ボックス柱の製作手順 2.2.2 十字形柱の製作手順 2.2.3 角形鋼管柱の製作手順 2.2.4 梁の製作手順
3.工作を加味した鉄骨設計の改善例シート
3.1 柱 1−1 十字形柱の心の片寄り(偏心)すぎは,溶接や高力ボルト締め作業に支障がある. 1−2 溶接のやりにくいL字形柱は,極力避ける. 1−3 柱−柱現場溶接部のトッププレート取付けは,精度の出しやすい方法とする. 1−4 バンドプレートの取付けは,必要最小限の箇所にする. 1−5 角形鋼管柱の柱脚は,アンカーボルト締付けを考えた形状寸法とする. 1−6 角形鋼管柱の場合は,梁を外に寄せすぎない. 1−7 水勾配を有する梁と角形鋼管柱の接合部は,加工性を考慮する. 1−8 セットバック柱は上下の柱の仕口のずれに注意する. 1−9 十字形柱とボックス柱の工場継手は簡略化する. 1−10 ボックス柱と十字形柱のフランジ突合せ溶接は裏当て金工法が良い. 1−11 ボックス柱の絞り点は内ダイアフラムの位置を避ける. 1−12 ボックス柱の絞りは現場継手の階で行う. 1−13 ボックス柱最上階のトッププレートは内ダイアフラム形式とする. 1−14 SRC造で十字形柱の柱脚部は,原則として絞らない. 1−15 ボックス柱の現場溶接部のシーリングビードは置かない. 1−16 ボックス柱の板厚変更は節ごとに行う. 1−17 ボックス柱の梁仕口は角溶接のビードに当らない位置とする. 1−18 CFT柱のコンクリート打設孔の補強は,原則としてカバープレート補強とする.
3.2 梁 2−1 小梁ロールH形鋼の仕口部での下フランジカットは,安易にやらない. 2−2 H形鋼の斜め切断は避ける.(その1) 2−3 H形鋼の斜め切断は避ける.(その2) 2−4 角形鋼管柱に斜めに取り付く梁は異形ダイアフラムで調節する. 2−5 小梁取合い用のバックスチフナは,最小限とする. 2−6 ハンチ付きブラケットは,鋼板加工を原則とする. 2−7 梁ブラケットの水平ハンチはできるだけ避ける. 2−8 山形梁の頂部取合いは,はさみ板形式を原則とする. 2−9 梁のスチフナや小梁受けガセットの取付け溶接は,梁フランジ側端面での回し溶接は避ける.
3.3 仕口部 3−1 仕口部内の梁フランジは,両方向共に同厚とする. 3−2 梁貫通形式の仕口部で両方向共にロールH形鋼の使用は,加工上支障を生じる. 3−3 梁せいの異なる仕口部は,ブロックの組立て順序を考慮したディテールとする.(その1) 3−4 梁せいの異なる仕口部は,ブロックの組立て順序を考慮したディテールとする.(その2) 3−5 梁せい段差が狭いと溶接ができない. 3−6 直交梁の取り合わない中段部の水平スチフナは,加工を単純にする. 3−7 パネルプレートの過剰な溶接は避ける. 3−8 異形十字形柱の形状は,溶接や配筋が可能な形状寸法とする. 3−9 角形鋼管柱の通しダイアフラムは梁フランジの食違いを防止するため板厚を大きくする. 3−10 上下階で角形鋼管柱の設計断面を変える場合は,形状よりも板厚で調整する. 3−11 角形鋼管柱は,仕口部内での輪切りを極力避ける. 3−12 角形鋼管柱の内ダイアフラムの完全溶込み溶接にはコーナー部にスカラップを設ける. 3−13 遠心力鋳鉄管柱の斜め梁取合いは要注意. 3−14 仕口部内で梁フランジプレートの板継ぎをしない. 3−15 内ダイアフラムの間隔が狭いと,エレクトロスラグ溶接に支障をきたす.
3.4 斜材 4−1 トラス構造の弦材とウェブ材(斜材・束材)の取合い部では,溶接の重なりを避ける. 4−2 鋼管の分岐継手部は,部材の角度によって溶接方法が決まる. 4−3 H形鋼のX形ブレースの交点に過剰な補強は避ける. 4−4 斜材の仕口部のフランジとスチフナは,原則として柱・梁に直角に取り付ける. 4−5 ブレースガセットの位置は,他部材との取合いを考慮して決める. 4−6 屋根面の水平プレートと梁の仕口部は,ボルト締付けの施工性を考える. 4−7 斜材の現場溶接はなるべく避ける.
3.5 板継ぎ 5−1 柱フランジに板継ぎがある場合は,ウェブせいを一定にする. 5−2 梁中央部材は,極力板継ぎしない. 5−3 SRC造の梁フランジに板継ぎのある場合は,ウェブのせいを一定にする. 5−4 梁フランジの水平ハンチは避ける.
3.6 溶接 6−1 十字形柱は,溶接可能な形状寸法とする. 6−2 十字形柱の柱−柱接合部のウェブの現場溶接が,溶接可能な柱形状寸法とする. 6−3 梁が取り付かない側の水平スチフナの溶接は,完全溶込み溶接の必要はない. 6−4 柱梁接合部のパネルプレート,梁ウェブの溶接は,隅肉溶接または部分溶込み溶接を原則とする. 6−5 スカラップの形状(工場溶接)は,ビルトH形鋼梁のフィレットの回し溶接が可能な寸法を選ぶ. 6−6 工場溶接形式におけるハンチ付きブラケットの下フランジの曲げ加工は避ける. 6−7 現場溶接形式では,ハンチ梁下フランジは曲げ加工とする. 6−8 ボックス柱に梁が取り合う部分のスキンプレートの角溶接の過剰は避ける. 6−9 SRC造の柱とベースプレートの溶接は,全周隅肉溶接または部分溶込み溶接を原則とする. 6−10 ビルトH形鋼梁のフィレット部の過大隅肉溶接は避ける. 6−11 ウェブ板厚は,薄いと溶接変形が防止できない. 6−12 柱梁継手部ガセットプレートの溶接は,隅肉溶接または部分溶込み溶接とする. 6−13 柱梁現場溶接接合のシアプレートが大きい場合は,高力ボルト接合を溶接接合とする. 6−14 完全溶込み溶接の開先角度は部位により使い分ける.
3.7 継手 7−1 柱形状は,高力ボルト締めができる寸法とする. 7−2 フランジ幅150 mm未満は,外側スプライスプレートのみの1面せん断継手とする. 7−3 SRC造では,梁の端部と中央部材は,梁せいの心合せとする. 7−4 ハンチ梁の継手位置は,折曲げ点を避ける.
3.8 貫通孔 8−1 貫通孔の補強は必要ない場合もある. 8−2 貫通孔のカバープレート補強は,片側で十分の場合もある.また,その形状にも注意する. 8−3 貫通孔が多数ある梁は,個々の補強で対応しない. 8−4 貫通孔は継手から十分離す.
3.9 鉄筋取合い 9−1 主筋孔をカバープレートで補強するのはやめる. 9−2 SRC造大梁と鉄骨小梁の取合いは要注意. 9−3 床デッキプレートのあるSRC造は,納まりに注意. 9−4 長円孔は,施工法を考えた形状とする. 9−5 SC構造の柱梁接合のガセットタイプは要注意.
3.10 建方 10−1 ブレースは,各斜材ごとに継手を2か所設ける. 10−2 組立ブレースは,建方上の配慮が必要. 10−3 ブレースの締付けボルトは,建方上2本以上を原則とする. 10−4 SRC造では,施工中の鉄骨部材の耐力の安全性を確保する. 10−5 間柱の両端がベースプレート方式の接合法は避ける. 10−6 垂木先端の不陸押さえには,剛性の高い通し材が必要.
3.11 溶融亜鉛めっき 11−1 ガセットプレートのめっき抜き孔はスカラップよりもキリ孔がよい. 11−2 柱梁仕口部のスカラップは孔あけ加工とする(H形鋼の場合). 11−3 トラス接合部のスカラップは孔あけ加工とする. 11−4 梁部材に取り付くブレースのガセットプレートで溶接長が長い場合はボルト接合とする. 11−5 溶融亜鉛めっきを施す閉鎖断面部材のめっき抜き孔の大きさは,閉鎖断面積の25%以上を目安とする. 11−6 めっきする柱・梁の大きさは,めっき槽の大きさで決まる. 11−7 スチフナプレートのサイズを必要以上に大きくしない.
4.資 料
4.1 建築用鋼材について 4.2 角形鋼管の種類と仕口部の納まり 4.3 板継ぎの基本的な考え方 4.4 スカラップ工法 4.5 エンドタブ代替工法 4.6 SRC造の鉄筋の納まり 4.7 仕上げ材との取合い 4.8 溶融亜鉛めっき鋼構造物の設計・製作上の留意点 4.9 溶接機および高力ボルト締付け機器 4.10 自動溶接機器による製作例と留意点 4.11 現場溶接の留意点 4.12 鉄骨部材の輸送上の規制 4.13 鉄骨建方時の仮設ピース
参考文献 付.鉄骨工事の流れと関係資格一覧
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