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秋山宏著 |
A5・230頁 / 4400円 発行年月日 : 1999年11月 ISBN : 4-7655-2441-8 |
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【出荷までに1週間程度お時間を頂く場合がございます】 性能設計としての耐震設計は,想定する地震動下における建築物の終局的な許容損傷状態をどう設定し,その設定条件をどのように確保するのかを決定する行為である.本書は,エネルギーの授受に着目して,地震動下の構造物の非線形挙動を明らかにすることに努めてきた著者が,性能設計の発展に寄与すべく,長年の研究の成果に基づいて,エネルギーの釣合に基づく耐震設計法を解説した書である.地震入力と構造物の挙動の関係を総合的に把握できることから,設計が意図する建築物の性能を実現する手段を,明確に示すことが可能となる.
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序章 1 耐震構造の発達と柔剛論争 2 耐震設計における分析と総合 弾性力学における分析と総合/非線形力学における分析と総合/設計における分析と総合/エネルギーに着目することの意義
第1章 1自由度系へのエネルギー入力 1.1 力の釣合式とエネルギーの釣合式 1.2 エネルギー入力の基本特性 無減衰弾性系へのエネルギー入力/弾性減衰系へのエネルギー入力/弾塑性系へのエネルギー入力/エネルギースペクトルの形態/有効周期の概念/有効周期の例
第2章 多自由度系へのエネルギー入力 2.1 連続体の弾性応答 モーダルアナリシス/せん断棒の解析例 2.2 せん断型多層骨組の弾塑性応答
第3章 構造物の損傷 3.1 損傷の表現 3.2 せん断型完全弾塑性系の基本損傷分布 3.3 最適降伏せん断力係数分布 3.4 多層骨組の層間の損傷分布則 基本損傷分布則/損傷集中指数n/損傷分布の例題 3.5 層間の損傷分布則
第4章 累積塑性変形と最大塑性変形との対応 4.1 最大変形を求めることの意義 4.2 累積塑性変形と最大変形との対応 4.3 η-μm関係の定量化 解析パラメータ/完全弾塑性型復元力特性をもつ場合/バウシンガー効果を伴う完全弾塑性復元力特性をもつ場合/剛性劣化型復元力特性をもつ場合/等価繰返し数による表現 4.4 残留変形 4.5 等価線形化モデルの成立条件
第5章 減衰による吸収エネルギー 5.1 減衰項のもつ意味 5.2 減衰項により吸収されるエネルギー 5.3 設計用VDスペクトル 5.4 減衰のより一般的な評価 履歴減衰からの粘性減衰の類推/履歴減衰と粘性減衰との練成
第6章 エネルギーの授受に着目した耐震設計法の基本的枠組 6.1 耐震構造 6.2 基本的定式化 6.3 基本量の算出 αi/α1=αiの下におけるci,si,κ1/piの設定/iDηの変動に対する対応 6.4 iDηの値 6.5 所要変形 η1に基づく表現/変形量の直接的表現 6.6 多層骨組における有効周期
第7章 免震構造 7.1 免震構造展開の経緯 7.2 免震構造の成立要因 7.3 免震構造の基本定式化 7.4 上部構造が弾性体の場合 7.5 免震構造の優位性と今後の展開
第8章 柔剛混合構造 8.1 柔剛混合構造 8.2 柔剛混合構造の基本的定式化 8.3 柔剛混合構造の可能性
第9章 耐震設計に関する補足 9.1 多層骨組各層の特性 多層骨組の層骨組への分解/層ラーメンの単位ラーメンへの集約/集約単位ラーメンのエネルギー吸収能力 9.2 一般型の完全弾塑性型への置換 より一般な復元力特性/より一般の損傷分布則/一般型の完全弾塑性型への置換 9.3 P-δ効果 P-δ効果の大きさ/P-δ効果の復元力特性に及ぼす影響/P-δ効果が骨組のエネルギー吸収能力に及ぼす影響/P-δ効果の耐震設計への反映 9.4 耐震性評価式 耐震要素が並列に存在する場合/耐震要素が直列に存在する場合/部材別Ds値/梁降伏型骨組のDs値 9.5 曲げ変形の影響 1次固有周期/曲げせん断系への総エネルギー入力/曲げせん断系における最適降伏せん断力係数分布 9.6 捩れ応答 捩れを伴う系/総エネルギー入力/損傷予測/捩れの影響を無視できる範囲/一般の系の損傷予測/多層骨組における損傷集中 9.7 各種地盤上のエネルギースペクトル 1次元波動理論による解析結果/兵庫県南部地震におけるエネルギースペクトル
第10章 設計例題 10.1 概要 10.2 設計用エネルギースペクトル 10.3 設計式および主要パラメータ 鉄筋コンクリート壁構造/梁降伏型剛接骨組/柔剛混合構造 10.4 数値計算例 10.5 壁構造と剛接骨組の混合構造
付録:復元力特性 完全弾塑性型の復元力特性/スリップ型の復元力特性/鋼構造筋違構造の復元力特性/座屈を伴う鋼製円筒殻の復元力特性/鉄筋コンクリート壁構造の復元力特性/鉄筋コンクリート剛接骨組の復元力特性
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