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住まいのノーマライゼーションI |
−海外にみるこれからの福祉住宅− |
菊地弘明著 |
B5・178頁 / 4180円 発行年月日 : 1998年9月 ISBN : 4-7655-2434-5 |
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デンマークに初めて登場した「だれもが人間としての尊厳を保ちながら,自立して生きる権利を行使できる社会」こそノーマルな社会であるという主張は,いまや共通認識として社会に定着した観があり,福祉の基本理念となりつつある.本書は,このノーマライゼーションの理念に基づく「住まい」のあり方を探る一環として,海外における住宅や住環境の先進事例を,多くの写真や図とともに紹介する書である.「皆が共に生きる」時代に向けて,姉妹編の『住まいのノーマライゼーションII―バリアフリー住宅の実際と問題点』とともに,設計者にも一般の方々にも,大いに参考になるものと思われる.
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1 高齢社会の住まいにかかわる施策と施設 1.1 アメリカ マサチューセッツ州の福祉行政を通してみた最近のアメリカの高齢化対応/マンハッタン北部に位置する高齢者総合福祉ケア施設/高齢者のケアとリハビリテーションの複合施設/ビジネスとしての中産階層退職者居住施設/高齢者のライフスタイル選択情報/長期プログラムを買う高齢世代コミュニティ/ゆたかな元気老人のコミュニティ/分岐点にさしかかった公的支援なしの元気老人コミュニティ/低所得層の集合住宅/高齢者と障害者の混住と自立を支える/高齢女性の館:終身介護付施設/高齢日系一世たちの低層集合住宅/日系老人のグループホーム 1.2 カナダ 地方に権限を移譲し在宅自立を促進/高齢者に地域サービスを提供/症状が進んでもケアのできる高齢者の施設/少数民族の高齢者ケア施設/障害者・老人・母子・父子世帯が住む集合住宅/ルーテル福祉協会の高齢ケア施設 1.3 オーストラリア 施設ケアからコミュニティケアへ/リタイアメントビレッジ協会/地区と教会連合体と政府が運営する公的助成第一号/官民共同プロジェクトによる独居高齢者の高層アパート/カトリック教会と民間企業が共同で運営する政府援助の低層ホステル/数々の受賞を誇るベイビューガーデン/個人企業が経営するウィンランドビレッジ/民間デベロッパーによる政府援助なしの退職者村 1.4 ヨーロッパ 集めた住まいからふれ合いの住まいへ/年金生活者住宅との複合体/在宅自立を支える基本方針と地方分権の進んだオーデンセ市の地区ケアセンター/コペンハーゲンコミューンの公的資金による老人ホーム/養護老人ホームとサービス付住居とデイセンターの複合体/養護老人ホームとデイセンターの複合施設/アウグスブルグのケア付居住施設/ミュンヘン市の地区高齢者の在宅自立を支えるサービスセンター/デュセルドルフの高齢者・障害者のグループホーム形式のケア付きハウス/パリ近郊のターミナルケア機能を強める高水準の公立老人ホーム 2 社会的弱者の生活と住まいを支える組織と施設 2.1 アメリカ 宗教団体が経営する宗教に無関係の非営利事業/低所得者対象アパートの助っ人/入居差別に挑戦する民間事務所/障害者の手による障害者の社会的自立を支える運動 2.2 カナダ シニアショーケース/24時間心にかけてくれる人/自立と尊厳のあるライフスタイルを支える/重度障害者と健常者が混住する組合方式の集合住宅/社会復帰訓練の家/障害者専用レクリエーション宿泊施設 2.3 ヨーロッパ・その他 障壁を取り除く障害者連盟/NGOの管理運営するインデペンデントリビングセンター/自立を支える補助器具貸与システム/社会復帰用のリハビリテーションセンター/大規模施設を解体して生れた精薄者グループホーム第一号/混住をバックアップする組織/当然の権利を実現した障害者村/老人のよろず相談ボランティア組織
3 自立を目指す長寿社会(海外の事例から) 3.1 ハードを活かすソフトな組織 3.2 地元を活性化する地方分権化 3.3 生きている証し 3.4 老々活性化 3.5 社会的弱者の自立を支える組織
4 身近な住まいと生きがいを考える 4.1 高齢社会に向かって 適当な就労の場をつくる/焼物とカラマツ間伐材/ふるさとづくり 4.2 住まいの集約化 戸建住宅と高層マンションの高齢化/いつまでも住みたくなる公住の建設/ゆとりのアプローチをつくる/多機能同居と生涯学習 4.3 終のすみかとしてのプラスアルファ 季節を彩る仲間たち/手づくり野菜とハーブの魅力/集合住宅の南面通路と土のあるベランダ 4.4 スカイドームとモノレールと車の共存 ゲリラのようなカメムシと生活の足/スカイドームとモノレール/モノレールと車の相互補完 4.5 高齢社会の園芸仲間 温室のインテリジェント化/植物を媒体とする交流の場 4.6 在宅自立の新しい助っ人 寝たきり寝かせきりからの脱却/在宅自立支援保険 4.7 世代の心をつなぐ 自立化の行方/小学校を活かした生涯学習と世代の交流/いまを失った人たちへの対応
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