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書籍詳細
 
入門・数理地震工学
−生産・社会インフラ施設の地震・津波対策の知識と数学的方法−
原田隆典・本橋英樹著
B5・240頁 / 3850円
発行年月日 : 2020年4月
ISBN : 978-4-7655-1869-7
 

内容紹介
数理地震工学とは,震源から一貫して捉えた地盤・基礎・構造物の応答現象を数学や物理を用いて理論上の解釈を与え,被害予測法と対策案を提案する地震工学の一分野である。本書は,地震学と構造物の被害経験を発展の基礎としてきた生産・社会基盤施設の地震・津波対策に関する工学問題に対して,数学や物理学を用いて理論的解釈を与え,計算機による物理シミュレーションのような数値解析・実験方法を援用し,被害予測と対策のための方法と試算例を整理したものである。地震・津波対策に関わる行政官や経営者は,1章と2章の内容と3章以降の計算例だけ見れば,対策の知識と考え方がわかる。学生と実務者・技術者は,数式の背景と考え方を理解する努力をして計算例を見れば,新しい技術開発のアイデアとヒントが得られる。
 
目次
1章 地震被害の特徴
 1.1 地震学と地震工学
 1.2 被害の特徴
 1.3 地震と地震動の基礎知識

2章 地震被害構造から見た地震と土木構造物の関係
 2.1 震源から地盤・基礎・構造物応答における不確定性
 2.2 断層変位と構造物被害
 2.3 重要生産施設の早期再生と事前対策の重要性(構造物の老朽化と地震対策,レジリエントな社会)
 2.4 津波対策

3章 耐震設計法の簡単な歴史とシステムや地震の確率論的解析モデル
  3.1 耐震設計法
 3.2 耐震設計の基本的事項
 3.3 耐用年数,再現期間と安全確率
 3.4 システム論的考え方の基礎的事項(リスク,システムの信頼性)
 3.5 地震の確率論的解析モデル

4章 理論的方法による入力地震動
 4.1 地震動予測法の概要
 4.2 地震動計算法の概要
 4.3 剛性行列法による地震動計算法
 4.4 震源断層・不整形地盤系の地震動
 4.5 震源断層近傍の地震動上下成分・位相波特性と上下成分波形の作成方法
 4.6 SH波入射による水平多層弾性体の応答
 4.7 無限弾性体における時空間領域の震源断層と地震波

5章 多点入力地震動による構造物の応答
 5.1 運動方程式
 5.2 運動方程式の数値計算法
 5.3 地盤と基礎の地震時非線形相互作用(応力レベルのWinklerモデル)
 5.4 震源断層を横断する道路橋に及ぼす断層永久変位を含む地震動の影響と補強対策用解析
 5.5 震源断層近傍地震動の時・空間分布特性と地中幹線パイプライン,連続高架橋の応答特性
 5.6 地盤と基礎の非線形地震時相互作用を考慮した高炉ガスホルダーの応答解析

6章 流体と土木構造物
 6.1 流体の基礎方程式(Navier・Stokesの方程式と質量保存則・状態方程式)
 6.2 非圧縮性流体の渦なし流れ(スロッシング)
 6.3 非圧縮性流体の渦なし流れ(地震時動水圧,付加質量)
 6.4 圧縮性完全流体の渦なし流れ(円柱基礎の単位長さ当たりの動水圧と減衰力)
 6.5 円柱基礎の単位長さ当たりの動水圧と減衰力とMorison式の考察
 6.6 流体中の円柱基礎の地震時運動方程式
 6.7 非圧縮性流体の定常流から受ける固定物体の受ける流体力
 6.8 理想気体の状態方程式による円筒形容器内の圧力と変位(気体ばね)
 6.9 非圧縮性完全流体の波動解析
 6.10 津波伝播式
 6.11 津波の数値計算例
 6.12 津波と構造物の数値計算例
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