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都市 富山の礎を築く |
−河川・橋梁・都市計画にかけた土木技術者の足跡− |
白井芳樹著 |
A5・342頁 / 3520円 発行年月日 : 2009年1月 ISBN : 978-4-7655-1747-8 |
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昭和初期に富山市を中心とする地域で行われた河川改修,港湾修築,橋梁改築,運河新設,街路建設,土地区画整理という土木事業と,その中心となった高橋嘉一郎,小池啓吉,赤司貫一の三人の土木技術者をとりあげ,土木事業の計画立案プロセス,土木事業相互の関係および事業全体が地域社会にもたらしたもの,ならびに土木技術者が果たした役割を明らかにした書である。わが国の活力は中央でなく地域・地方の人々によって担われていること,また土木技術者の生き方,仕事への取組み方が語られる。
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土木史家誕生[篠原修] はじめに
第一章 富山の町 今昔
第一節 平成の大改築 第二節 富山の町のインフラストラクチャー 第三節 大正期の悩み 1 都市化の進展 (1) 市街地の変遷 (2) 都市化の進展 2 インフラストラクチャーの問題 (1) 治水問題 (2) 交通問題 (3) 都市問題
第二章 神通川・東岩瀬港と高橋嘉一郎
第一節 神通川改修事業と東岩瀬港修築事業 1 事業の概要 神通川改修事業 (1)事業への道のり (2)事業の実施 (3)事業の特徴と効果 東岩瀬港修築事業 (1)事業への道のり (2)事業の実施 (3)事業の特徴と効果 (4)東岩瀬港第二期修築事業の概要 2 計画立案の過程 (1)最初の計画(大正七年) (2)修築計画案の発見 (3)修築計画案の決定 (4)大正一一年の計画変更 (5)大正一四年の第二回計画変更 3 関与した土木技術者等 (1)内務省の計画三案作成ならびに第一回計画変更に関与した土木技術者等 (2)第二回計画変更案作成に関与した土木技術者等 (3)高橋嘉一郎に着目 第二節 高橋嘉一郎の経歴と仕事 1 生い立ちと学生時代(明治二五〜大正五年) 2 北上川改修事務所時代(大正五〜一三年) (1)北上川改修事業の概要 (2)北上川改修事務所における高橋嘉一郎の経歴と仕事 3 神通川改修事務所時代(大正一三〜昭和九年) (1)新潟土木出張所神通川改修事務所主任技師 (2)神通川第三次改修事業および東岩瀬港修築事業と高橋嘉一郎 (3)他の事務所主任兼務 (4)富山での生活 4 神通川改修事務所時代以後(昭和九〜四三年) (1)内務省土木局(昭和九〜一七年) (2)大阪土木出張所長(昭和一七〜二○年) (3)退官後(昭和二○〜四三年) (4)高橋嘉一郎の論説等
第三章 富山大橋と小池啓吉
第一節 富山大橋改築事業 1 事業の概要 (1)事業への道のり (2)事業の実施 (3)事業の特徴と意義 2 設計の過程 (1)当初の設計 (2)実施設計 (3)実施設計の変更 3 関与した土木技術者――小池啓吉に着目 第二節 小池啓吉の経歴と仕事 1 生い立ちと学生時代(明治二八〜大正八年) 2 東京市時代(大正八〜昭和七年) (1)東京市就職と最初の仕事 (2)震災復興橋梁の仕事 (3)東京市震災復興橋梁事業の中心技術者――復興橋梁における小池啓 吉の役割 (4)東京市によるおもな震災復興橋梁 (5)橋梁に関する著述等 (6)東京での生活 (7)東京市辞職 3 富山県時代(昭和八〜一二年) (1)富山県赴任 (2)内務部土木課での仕事 (3)電気局での仕事 (4)富山大橋改築事業と小池啓吉 (5)富山での生活 4 富山県時代以後(昭和一二〜四七年) (1)兵庫県時代(昭和一二〜一四年) (2)栃木県時代(昭和一四〜一六年) (3)内務省時代(昭和一六〜一九年) (4)宮城県時代(昭和一九〜二一年) (5)退官後(昭和二一〜四七年) (6)『小池橋梁工学』
第四章 富山都市計画と赤司貫一
第一節 富山都市計画と都市計画事業 1 都市計画の制度 (1)都市計画法の制定と内容 (2)内務大臣が決定――都市計画は国の事務 (3)都市計画地方委員会が都市計画案を作成 2 富山都市計画の概要 (1)富山都市計画への道のり (2)富山都市計画区域 (3)富山都市計画・都市計画事業の概要 (4)富山都市計画の特徴 (5)富山都市計画に対する評価 3 富山都市計画立案の過程と関与した土木技術者等 (1)廃川地処分計画案の変遷 (2)廃川地単独処分案 (3)廃川地処分・運河新設一体案 (4)赤司貫一に着目 第二節 赤司貫一の経歴と仕事 1 生い立ちと学生時代(明治二三〜大正八年) 2 熊本県時代(大正八〜一五年) (1)三井鉱山株式会社時代(大正八〜九年) (2)熊本県時代(大正一一〜一五年) 3 富山県時代(大正一五〜昭和一一年) (1)都市計画富山地方委員会技師 (2)富山県都市計画課技師 (3)都市計画の報告等 (4)富山都市計画と赤司貫一 (5)富山での生活 4 富山県時代以後(昭和一一〜二九年) (1)愛知県時代(昭和一一〜二○年) (2)退官後(昭和二○〜二九年) (3)名古屋での生活
第五章 富山の町をつくった土木事業と土木技術者たち
第一節 富山の町をつくった土木事業 1 土木事業の特徴 (1)大規模かつすぐれた内容 (2)変更を重ねた計画 2 土木事業相互の関係 (1)相互に密接に関係 (2)「神通川」を中心に展開 (3)全体計画の不在とキーストーンとしての富山都市計画 3 土木事業の意義 (1)「近代化」の概念による考察 (2)大正期前半になお不十分だった近代化 (3)インフラの近代化により富山都市圏の近代化の達成に貢献 第二節 富山の町をつくった土木技術者たち
あとがき 参考文献 索引(事項、人名)
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