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吉川勝秀編著/長瀬迪夫・白井勝二・瀬川明久・福成孝三著 |
A5・288頁 / 4180円 発行年月日 : 2008年5月 ISBN : 978-4-7655-1730-0 |
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本書は、わが国ではじめて、治水システムとしての河川堤防論を提唱し、河川工学の新しい分野を切り開いた。河川堤防の成り立ちや、実際の河川管理と堤防決壊に関する豊富な経験を踏まえて、これからの少子・高齢化、地球温暖化による豪雨多発社会にふさわしい河川堤防の設計・強化論と安全管理のあり方を体系的にわかりやすく述べている。河川堤防の仕事に従事する技術者、河川工学の学識者、学生などに、幅広くかつ実践的に活用されることが期待できる。
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はじめに
第1章 日本の国土の発展と治水 1.1 国土の原風景の形成―この約1万年の経過― 1.2 この2千年 1.3 この百年 1.4 これからの時代
第2章 河川堤防の歴史的な考察 2.1 水害を防ぐ工夫と堤防 2.2 水塚,輪中堤防・囲堤,部分防御堤防 2.3 連続堤防 2.3.1 一定計画のもとでの連続堤防の整備 2.3.2 利根川改修の効果 2.3.3 その後の洪水と改修計画の見直し 2.3.4 利根川の堤防・河道断面の変遷 2.4 連続堤防等における安全度の差―左右岸の安全度の差,重要防御地区の設定など― 2.5 堤防決壊の原因と決壊しない堤防―スーパー堤防とその位置づけ(点と線)など― 2.6 その他の特殊な堤防 第3章 実際の河川堤防とその破壊 3.1 河川堤防築造の歴史と堤防決壊について 3.2 歴史的に築造された堤防 3.2.1 利根川が鬼怒川に合流(利根川下流部は鬼怒川・小貝川の流路である) 3.2.2 鬼怒川と小貝川は一つの川であった 3.2.3 鬼怒川と小貝川の分離,新田の開発 3.2.4 利根川の東遷と鬼怒川・小貝川下流河道への受け入れ 3.3 設計された堤防 3.3.1 河川管理施設と構造令 3.3.2 河川堤防における設計の考え方 3.3.3 安全性照査の方法 3.3.4 強化工法の設計 3.4 堤防破壊の実態 3.4.1 近年の水害 3.4.2 利根川水系の水害 3.4.3 石狩川における堤防決壊の実態 3.5 堤防破壊の実態からの考察 3.5.1 越水 3.5.2 堤防一般部での浸透 3.5.3 樋管等の堤防横断構造物周り 3.5.4 洗掘 3.5.5 一連の堤防区間の安全性
第4章 堤防決壊の原因と堤防の設計・補強論―横断構造としての堤防論― 4.1 堤防決壊の原因と対策について 4.1.1 越水 4.1.2 堤防一般部の浸透 4.1.3 構造物周りの浸透(漏水) 4.1.4 洗掘 4.2 堤防決壊の原因1:越水による決壊の実例と対策 4.2.1 越水による堤防決壊の事例(利根川水系) 4.2.2 越水による堤防決壊の原因 4.2.3 越水による堤防決壊を防ぐための堤防での対策 4.3 堤防決壊の原因2:浸透による決壊の実例と対策 4.3.1 浸透による決壊について 4.3.2 長良川大森地先の堤防決壊 4.3.3 庄内川水系新川堤防の決壊 4.3.4 円山川堤防の決壊 4.3.5 ティサ川堤防の決壊の場合 4.3.6 ドナウ(ダニューブ)川の洪水継続時間とパイピングの発生 4.4 堤防決壊の原因3:構造物周りの決壊の実例と対策 4.4.1 決壊の事例 4.4.2 変状と対策 4.5 堤防決壊の原因4:洗掘による決壊の実例と対策 4.5.1 堤防や掘込み河道の河岸防御の考え方 4.5.2 堤防のある河川(有堤河川)の横断形の知見 4.5.3 河岸浸食の防御 4.5.4 河岸の被災形態と護岸 4.5.5 護岸の力学設計の考え方 4.6 堤防決壊の原因5:地震による破壊の実例と対策 4.6.1 釧路沖地震による釧路川堤防の破壊 4.6.2 北海道南西沖地震による後志利別川堤防の破壊 4.6.3 兵庫県南部地震による淀川堤防の破壊 4.7 複合原因(最大限の原因)と対策 4.7.1 堤防決壊の原因 4.7.2 高規格堤防 4.8 世界の堤防設計手法の比較 4.8.1 洪水特性 4.8.2 堤防構造 4.8.3 堤防設計手法 4.9 河川の実管理と堤防破壊形態・発生頻度について
第5章 治水システムとしての河川堤防論―河川縦断,システムとしての堤防論― 5.1 河川の安全度―計画論,実管理論― 5.2 河川の連続堤防システムの安全性を柔軟に確保する方法 5.3 河川の連続堤防システムの安全性を柔軟に確保する視点 5.4 危機管理の論理―被害からの発想― 5.5 河川堤防の維持管理,危機管理(実管理)についての考察
第6章 これからの時代の堤防管理論 6.1 河川堤防の実管理からその1―明確な危険の回避― 6.2 河川堤防の実管理からその2―平常時,洪水時の管理― 6.3 今後の投資水準を想定した危機管理の視点からその1―連続堤防システムの課題の軽減― 6.4 今後の投資水準を想定した危機管理の視点からその2―減災の視点,防災力の強化― 6.5 総合的な治水対策と堤防
おわりに
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