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書籍詳細
 
アーバンストックの持続再生
−東京大学講義ノート−
藤野陽三・野口貴文編著/東京大学21世紀COEプログラム「都市空間の持続再生学の創出」著
A5・346頁 / 2860円
発行年月日 : 2007年11月
ISBN : 978-4-7655-1726-3
 

内容紹介
20世紀に拡大した都市は,成長を続ける部分と疲労している部分とが併存し,どこも大きな課題を抱えている。本書は,都市計画,歴史的建造物や街並みの保存,そして住宅・ビル・公共建造物・道路・鉄道等の耐震性・耐久性の向上,資源の循環など社会基盤そのものについて,問題の所在とそれを解決する糸口と方向性を学んでもらおうとするもので,最先端の学術研究の内容が述べられる。都市の持続再生への関心を高め,より安全で安心できる魅力的な都市空間の構築に資する書である。学生,一般向け。
 
目次

第1章 都市におけるストックとは何か――東京の都市構造を手がかりに考える

    1.1 都市のストックとは何か
    1.2 都市空間の背景を読む
    1.3 具体的なプロジェクトに見る都市ストックの考え方

第2章 空間文化資源の評価とその継承――異なる時空の建築・都市を視る意味

    2.1 アジアをまたに四半世紀
    2.2 空間文化資源をリスト化する必要性
    2.3 視ることの標準化
    2.4 異なる時空の建築・都市を視る意味
    2.5 日本での活動

第3章 ストックを最大限に活かす新しい地方都市政策

    3.1 建築というプロフェッション
    3.2 都市ストックの現状認識
    3.3 上越市における試み
    3.4 課題と残された問題

第4章 土木遺産をどう活かすか――その思想とデザイン

    4.1 ストックとしての近代化遺産
    4.2 宿毛・河戸堰の改築プロジェクト
    4.3 鹿児島甲突川・五石橋の架け替え
    4.4 土木遺産に固有のオーセンティシティとは何か
    4.5 北上川分流施設の改築プロジェクト

第5章 都市資源を活かす空間構想――新しいアーバンデザインの展開

    5.1 アーバンデザインの経験的定義
    5.2 空間の構想計画とプロセス
    5.3 地域遺産(ヘリテージ)の保存活用
    5.4 歴史を継承する構想
    5.5 空間の新しい発想

第6章 木造建築の耐震を考える

    6.1 木造建築の多様性
    6.2 木造住宅の構法
    6.3 震災と耐震技術の発展
    6.4 木造建築の耐震設計
    6.5 文化財としての木造建築
    6.6 木造建物をどのように守るか

第7章 鉄骨造建築の耐震性に関する課題を考える

    7.1 わが国の鉄骨造建築物
    7.2 鉄骨造建築物の安全性
    7.3 今後の耐震技術
    7.4 耐震改修

第8章 コンクリート構造物の耐震性を予測する

    8.1 構造物の地震応答シミュレーション
    8.2 耐震設計・耐震診断への応用
    8.3 耐震補強の技術
    8.4 構成材料の劣化と構造耐震性
    8.5 耐震設計された構造物の施工と品質確保

第9章 集合住宅ストックを再生する

    9.1 既存ストックの現状
    9.2 集合住宅ストックの保全
    9.3 集合住宅ストックの更新

第10章 建築ストックのサステナビリティ向上のために

    10.1 日本の建築ストックの動向
    10.2 サステナビリティの概念とは
    10.3 賽の河原に石を積む事なかれ――holistic approachの必要性
    10.4 制度の再デザイン――インフィル動産化および二段階改善論
    10.5 情報駆動社会におけるストックのマネジメント

第11章 コンクリート構造物の寿命を予測する

    11.1 都市基盤ストックの現状とコンクリート材料
    11.2 コンクリート材料の特徴,構造物の劣化メカニズム
    11.3 コンリート構造物の寿命予測システム
    11.4 今後の展望――非破壊・微破壊試験と数値解析システムの融合

第12章 コンクリートリサイクルの現在・未来

    12.1 コンクリートをとりまく環境問題
    12.2 廃棄物のコンクリートへの利用
    12.3 コンクリートのリサイクル
    12.4 コンクリートリサイクルのあるべき姿

第13章 廃棄物を活用する――リサイクル・最終処分跡地の利用

    13.1 廃棄物の取扱いとリサイクル
    13.2 タイヤのリサイクル
    13.3 破砕コンクリートの盛土材へのリサイクル
    13.4 廃棄物の最終処分跡地の高度利用
    13.5 廃棄物の技術開発とエンジニアの役割

第14章 建築・都市構造ストックのリスクを評価する

    14.1 構造物の安全性をどう捉えるか
    14.2 自然外乱の評価
    14.3 建築構造性能評価システムの紹介
    14.4 社会制度の課題

第15章 都市基盤の事故災害リスクを低減する――モニタリングの活用

    15.1 増え続けるストック
    15.2 都市基盤の特性
    15.3 災害大国日本の防災投資
    15.4 アメリカの教訓
    15.5 わが国の現状
    15.6 都市基盤ストックの保全
    15.7 都市基盤センシング
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