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大根義男著 |
B5・340頁 / 7480円 発行年月日 : 2006年10月 ISBN : 4-7655-1710-1 |
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土質構造物の設計では,施工時の自然環境の変化や,施工時の材料の力学的性質の変化を見極め,さらに工事工程を念頭に置き,最も合理的で安全な,しかも施工しやすい構造となる材料配置に心掛けなければならない.一方,施工者は設計者の意図を十分理解し,より合理的な施工方法の採用に心掛けなければならず,設計施工には土に関する深い知識と経験が要求される.本書は,実験や現場を重視する実務的立場から,計画設計と実施設計,調査と試験,材料調査と試験,施工の進め方などに留意して詳述。
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第1章 概 説 1.1 はじめに 1.2 計画設計と実施設計の概要 1.3 調査と試験の概要 1.4 材料調査と試験の概要 1.5 計画設計の概要 1.6 実施設計の概要 1.7 施 工 1.8 数値解析の意義
第2章 地質と土質 2.1 はじめに 2.2 地質調査と土質試験 2.2.1 計画設計における調査,試験 2.2.2 実施設計における調査,試験 2.2.3 ボーリング孔の閉塞と利用 2.2.4 材料採取場の調査,試験 2.2.5 基礎地盤の調査,試験
第3章 土の分類と工学的性質 3.1 はじめに 3.2 土の分類 3.3 粒度分布と工学的性質 3.3.1 細粒分(0.075mm以下)の含有率と工学的性質 3.3.2 シルトを多く含む材料の性質 3.3.3 シルト分や粘土分を多く含む材料の性質 3.3.4 膨張性鉱物を含有する材料 3.3.5 水に溶解する鉱物を含有する材料 3.4 土の物理的性質と工学的性質の変化 3.4.1 概 要 3.4.2 チキソトロピー土の盛立て方法 3.4.3 チキソトロピーの性質を有する土の締固め特性 3.4.4 乾燥した一般土の工学的性質 3.4.5 細粒化しやすい土質材料
第4章 基礎地盤 4.1 はじめに 4.2 岩盤基礎とその分類 4.2.1 火成岩 4.2.2 堆積岩 4.2.3 変成岩 4.3 軟弱地盤と地盤改良 4.3.1 概 要 4.3.2 サンドパイル工法 4.3.3 ペーパードレーン工法 4.3.4 先行圧密工法(プレローディング) 4.3.5 ウェルポイント工法 4.3.6 置換工法 4.3.7 サンド・コンパクション・パイル工法 4.3.8 化学的地盤改良工法 4.4 軟弱地盤の掘削と安定 4.4.1 概 要 4.4.2 ヒービングとパイピング(クイックサンド)現象とその対策 4.4.3 周辺沈下対策 4.4.4 砂地盤の液状化現象 4.4.5 一般土質地盤
第5章 盛立て材料の相似粒度と締固め特性 5.1 はじめに 5.1.1 最大粒径とモールドとの関係 5.1.2 相似粒度材料の製造 5.2 Walker - Holtzの方法 5.3 土質材料の突固めと締固め特性 5.4 転圧機械の機種と締固め特性 5.4.1 転圧機種 5.4.2 土またはロック材の締固め特性 5.4.3 タイヤ系ローラーの締固め特性 5.4.4 タンピング系ローラーの締固め特性 5.4.5 複合転圧 5.4.6 タンピングローラーの選定 5.4.7 タンピングローラーの接地圧 5.4.8 突固め試験と転圧機械 5.4.9 タンピングローラーの脚長と締固め特性 5.5 礫分を含有する材料の工学的性質 5.5.1 土質材料の礫混入量と透水性 5.5.2 礫混じり土の圧密沈下特性 5.5.3 材料の細粒化現象 5.5.4 風化岩,軟岩の転圧による細粒化と締固め度
第6章 土中の浸透 6.1 はじめに 6.2 浸透の基礎理論 6.3 透水性の異方性地盤の浸透 6.3.1 概 要 6.3.2 透水性の異方性の扱い 6.3.3 k<SUB>h</SUB>,k<SUB>v</SUB>の現場試験 6.4 流線網による透水問題の扱い 6.4.1 流線網の性質 6.4.2 異方性地盤内のフローネットと流量 6.4.3 不均一地盤でのフローネット 6.5 堤体の定常浸透時の浸潤面 6.5.1 概 要 6.5.2 定常浸透時における浸潤面の性質 6.5.3 浸潤面決定に関するCasagrandeの方法 6.5.4 均一ダムに対するDupuitの仮定による解法 6.5.5 中心コア型ダムの浸潤面決定法 6.5.6 傾斜コア型ダムの浸潤面(福田の方法) 6.5.7 計算例 6.5.8 流線網 6.6 差分表示とリラクゼーション 6.7 図式解法 6.7.1 Forchheimerの方法 6.7.2 流線解析法 6.8 等価透水係数 6.8.1 累層透水性の違い 6.8.2 基礎地盤が2層からなる場合 6.8.3 貯水池の底部を通しての浸透 6.8.4 貯水池周辺の地山における浸透 6.9 非定常浸透 6.9.1 基礎方程式と差分解法 6.9.2 貯水位の降下に伴う中心コア型堤体内浸透水面の変動 6.9.3 貯水位の急降下に伴う均一堤体内の浸潤面の変動 6.9.4 貯水位上昇に伴う非定常浸透 6.10 不透水性ブランケットの設計 6.10.1 概 要 6.10.2 ブランケットの設計 6.11 リリーフウェルの設計 6.11.1 概 要 6.11.2 リリーフウェルの基礎理論 6.11.3 部分貫入のリリーフウェル 6.11.4 リリーフウェルの施工例 6.12 現場透水試験 6.12.1 概 要 6.12.2 定常揚水試験(自由水面を持つ場合) 6.12.3 定常揚水試験(被圧水層の場合) 6.12.4 非定常揚水試験(被圧水層の場合) 6.12.5 オーガー孔内の水位上昇観測による方法 6.12.6 ボーリング孔を利用する注水試験 6.12.7 不透水層を有する地盤に対する前方法の拡張 6.12.8 地表面付近より注水する方法(アメリカ開拓局の方法) 6.12.9 循環式間隙水圧計のチップを利用した透水試験 6.12.10 透水試験によるパイピング
第7章 土の圧密現象 7.1 はじめに 7.2 圧密理論(1次元) 7.3 正規圧密と過圧密土 7.4 地盤の圧密沈下 7.5 過剰間隙水圧の挙動 7.5.1 三軸圧縮試験による$u_a$,$u_w$の求め方 7.5.2 Hilfの方法 7.5.3 盛土の施工中に消散する間隙水圧の実用的評価法 7.5.4 盛土休止と間隙水圧の挙動 7.5.5 基礎地盤の斬増荷重時の圧密 7.6 数値解析による施工中の間隙水圧の推定方法(沢田・鳥山の方法)の概要 7.7 盛土の沈下量
第8章 せん断強度 8.1 はじめに 8.2 有効応力強度 8.3 せん断強度の意味と実務への適用 8.3.1 砂質土のせん断強度 8.3.2 粗粒材のせん断強度 8.3.3 設計指針(国土交通省) 8.4 粘性土のせん断強度 8.4.1 概 要 8.4.2 正規圧密土の強度 8.4.3 過圧密土の強度 8.4.4 不飽和土の強度 8.4.5 締め固めた粘性土(不飽和)の有効応力強度
第9章 斜面の安定 9.1 はじめに 9.2 岩盤斜面の崩壊例 9.2.1 地山地下水の上昇による崩壊 9.2.2 トップリング現象による崩壊 9.2.3 グラウト施工時の崩壊 9.2.4 湛水池内の崩壊 9.2.5 泥岩斜面の崩壊 9.3 岩盤斜面の崩壊対策 9.3.1 地下水低下工法 9.3.2 トップリング対策 9.3.3 グラウチング時の崩壊防止対策 9.3.4 貯水池内の崩壊防止対策 9.4 土質斜面の安定 9.4.1 地山の表層崩壊(土石流) 9.4.2 周辺地の開発による崩壊 9.4.3 設計の誤りによる崩壊 9.4.4 芝生の透水性の低下による崩壊 9.4.5 過剰間隙水圧による崩壊 9.4.6 排水の不備による崩壊と対策 9.4.7 地震力による崩壊 9.5 斜面の安定解析 9.5.1 設計値の決定 9.5.2 安定解析法 9.5.3 安定解析の簡便分割法 9.5.4 簡便分割法を用いた計算例 9.5.5 ウェッジ法の解説と例題 9.6 土質斜面のすべり面の形状
第10章 泥岩類の工学的性質 10.1 はじめに 10.2 泥岩掘削時の崩壊例 10.3 崩積泥岩の安定性 10.4 応力解放時に生起する負圧 10.5 泥岩の工学的性質の特徴 10.6 泥岩のせん断強度特性 10.7 盛立て材料としての泥岩の性質 10.7.1 概 要 10.7.2 泥岩材料の粒度特性 10.7.3 強度低下と乾燥密度 10.7.4 細粒化した材料の締固め特性 10.7.5 泥岩類を用いた宅地造成の例
第11章 不飽和土の性質 11.1 はじめに 11.2 サクションとコラプス現象 11.3 一軸圧縮強度とコラプス現象 11.4 コラプス現象によるアースダムの崩壊
第12章 火山生成ロームの力学的性質 12.1 はじめに 12.2 盛立て時の強度低下 12.2.1 盛立て工事 12.2.2 動的三軸圧縮試験による検証 12.2.3 転圧機械の走行による強度低下の推定 12.2.4 火山生成ロームの特徴 12.3 強度回復 12.3.1 概 要 12.3.2 突固めエネルギーと密度との関係 12.3.3 突固めエネルギーと強度 12.3.4 経時的な強度回復 12.3.5 実務における強度低下の扱い 12.3.6 盛土の施工管理
第13章 土質構造物の水理的破壊現象 13.1 はじめに 13.2 水理的要因による河川堤防やアースフィルダムの崩壊 13.2.1 河川堤防 13.2.2 フィルダムの水理的破壊現象 13.3 水理的破壊現象によるフィルダムの崩壊例 13.3.1 概 要 13.3.2 水理的破壊現象の成田らの判定法 13.3.3 水理的破壊現象に対する村瀬らの判定法 13.3.4 水理的破壊現象に対する防止策に関する考察 13.4 ゾーン型フィルターの粒度
第14章 土質構造物の耐震性 14.1 はじめに 14.2 土質構造物の地震による被害状況 14.2.1 基礎地盤および堤体の強度不足による崩壊 14.2.2 堤体頭部付近の応答加速度の増大による崩壊 14.2.3 ロックフィルダムの地震時の被害 14.2.4 ロックフィルダムコア部の水理的破壊現象による被害 14.3 地震時の地盤の安定性 14.3.1 地盤の液状化現象 14.4 骨格構造を有する砂地盤の動的強度特性 14.4.1 概 要 14.4.2 動的強度特性 14.4.3 動的強度と静的強度 14.5 フィルダムの耐震性 14.5.1 概 要 14.5.2 地震応答加速度と震度法 14.6 大型振動実験と震度法 14.6.1 振動実験による崩壊形状 14.6.2 フィルダムの崩壊の特徴 14.6.3 大型実験による震度法の検証 14.6.4 ロックの静的安息角(φ<SUB>i</SUB>) 14.6.5 加速度振動数と震度法 14.6.6 ニューマークの地震時斜面安定評価法 14.6.7 ひずみによる安定性の評価法 14.7 フィルダムの耐震設計指針(案)の紹介 14.7.1 概 要 14.7.2 設計地盤震度 14.7.3 堤体震力係数 14.7.4 安定計算 14.7.5 安全率
第15章 施工管理 15.1 はじめに 15.2 フィルダムの盛立て管理 15.2.1 締固め度の基準 15.2.2 一般土の施工管理基準の作成 15.2.3 コアの締固め管理 15.3 施工管理試験 15.3.1 現場密度試験 15.3.2 D値,C値の評価 15.3.3 ストック材料を用いた盛土の管理 15.3.4 粗粒材料の施工管理 15.3.5 品質管理 15.4 急速施工管理法 15.4.1 急速施工管理の原理 15.4.2 含水比の原理 15.4.3 使用法 15.4.4 計算例 15.4.5 パラボラ法による最大湿潤密度の求め方 15.4.6 改良法
第16章 観測設備 16.1 はじめに 16.2 間隙水圧計 16.3 沈下計 16.4 水平方向変位計 16.4.1 アースダムの盛立て中の変形 16.4.2 コア型フィルダム 16.4.3 湛水時の斜面の変位 16.5 地震計の設置 16.6 各種計器の観測事例
索 引
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