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宇佐美勉編著・日本鋼構造協会編 |
B5・444頁 / 8580円 発行年月日 : 2006年8月 ISBN : 4-7655-1706-3 |
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【在庫ございません】 1995年の兵庫県南部地震以降,大地震に対する鋼橋の耐震設計は急速に進展しました.それ以前は比較的単純な構造である単柱式鋼製橋脚の設計規準すら整備されていませんでしたが,現在では動的挙動が複雑な鋼橋の大地震時弾塑性挙動の予測と耐震性能照査が,非線形動的解析を駆使してかなりの信頼性を持ってできるようになってきています.本書は,このような現状を背景に,鋼橋の動的耐震・制震設計技術の最先端の知見と将来展望を,実践に重きを置き,詳細かつ具体的に解説.
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■第1編 基 礎
第1章 性能設計の基本的考え方 1.1 はじめに 1.2 性能設計導入の背景と動向 1.3 性能設計の基本フロー 1.4 性能設計の長所・短所 1.5 要求性能マトリックス 1.6 要求性能の階層化 1.7 要求性能の上位,中位の表現の例 1.8 要求性能の下位の表現方法と種類 1.8.1 表現方法 1.8.2 基本性能 1.8.3 限界状態 1.9 性能照査フォーマット 1.9.1 照査フォーマットの分類 1.9.2 照査フォーマットに関する動向 1.9.3 本ガイドラインで採用する照査フォーマット 1.10 適合みなし規定 1.11 ライフサイクルコスト,環境負荷と設計供用期間 1.11.1 ライフサイクルコスト(LCC) 1.11.2 環境負荷(LCCO<SUB>1</SUB>) 1.11.3 設計供用期間 1.12 まとめ
第2章 性能照査型耐震・制震設計法概説 2.1 はじめに 2.2 耐震要求性能の上位および中位の表現 2.2.1 設計地震動 2.2.2 基本性能と限界状態 2.2.3 耐震要求性能の上位・中位の表示 2.3 耐震要求性能の下位の表現(耐震性能照査法) 2.3.1 橋脚,塑性変形を許す上部構造 2.3.2 橋脚アンカー部 2.3.3 支 承 2.3.4 杭基礎 2.3.5 落橋防止システム 2.3.6 制震ダンパー 2.4 部分係数 2.4.1 強度解析モデルの不確かさを考慮した係数γ<SUB>b1</SUB> 2.4.2 限界状態の特性等を考慮した係数γ<SUB>b2</SUB>$ 2.4.3 構造解析モデルの不確かさを考慮した係数γ<SUB>a</SUB> 2.4.4 部分係数の提案値 2.5 鋼構造物の性能照査型耐震・制震設計法の提案 2.5.1 耐震要求性能マトリックス 2.5.2 部材健全度マトリックスおよび健全度照査法マトリックス 2.5.3 提案耐震・制震設計法の流れ 2.6 まとめ Appendix 1 限界値の算定方法 1. 単柱式鋼製橋脚の限界値の推定式 2. 板要素及び短柱の変形性能評価 3. せん断力を受ける板要素および梁の変形性能評価 4. まとめ 参考資料1 終局変位に関するコメント 参考資料2 局部座屈後のひずみの大きさ Appendix 2 非線形応答を求めるための経験則 1. 変位照査法 (Displacement-based approach) 2. 保有耐力法(Force-based approach) 3. まとめ Appendix 3 最大応答ひずみによる「地震後の使用性」照査 1. はじめに 2. 鋼製橋脚の地震応答解析 2.1 概 要 2.2 解析モデル 3. 解析結果 参考資料 ラーメン橋脚の軸力変動
第3章 設計地震動 3.1 はじめに 3.2 表層地盤の動的解析手法 3.3 地震動推定手法 3.3.1 震源,伝播経路,サイトの3つの特性 3.3.2 経験的評価法 3.3.3 半経験的評価法 3.3.4 理論的評価法 3.3.5 今後の設計者向けの地震動評価手法 3.4 本ガイドラインで使用するレベル2地震動 3.5 まとめ
第4章 鋼 材 4.1 はじめに 4.1.1 経 緯 4.1.2 鋼材特性と耐震性 4.2 強度特性の影響 4.2.1 鋼材の強度特性パラメータ 4.2.2 降伏応力,引張強度,一様伸び,降伏比 4.2.3 強度マッチング 4.3 鋼材の板厚引張特性の影響(RAZの影響) 4.4 靭性の影響 4.4.1 土木建築構造物で発生した脆性破壊 4.4.2 破壊力学パラメータと破壊靭性値 4.4.3 主な破壊靭性試験法 4.4.4 地震時に発生する脆性破壊 4.4.5 建築分野での脆性破壊に関する議論 4.4.6 橋脚用鋼材に要求される靭性 4.5 新しい鋼材 4.5.1 構造物に要求される性能と鋼材性能 4.5.2 SN鋼 4.5.3 LYP鋼(低降伏点鋼) 4.5.4 BHS(Bridge High Performance Steel) 4.6 まとめ
第5章 材料構成則 5.1 はじめに 5.2 耐震解析に用いられる構成則モデルの分類 5.3 鋼材の構成則 5.3.1 応力−ひずみ関係 5.3.2 等方硬化則と移動硬化則 5.3.3 履歴挙動を考慮した高精度の構成則 5.3.4 薄肉鋼構造部材の局部座屈挙動を考慮した構成則 5.3.5 鋼板のせん断応力−せん断ひずみ関係 5.3.6 鋼材のモーメント−曲率関係($M$--$phi$関係) 5.4 コンクリートの構成則 5.4.1 充填コンクリート 5.4.2 鉄筋コンクリート 5.4.3 杭部材 5.5 鉄筋の構成則 5.6 まとめ
第6章 耐震解析法 6.1 はじめに 6.2 固有振動解析 6.3 静的解析 6.3.1 レベル1地震動の耐震設計に用いる解析法 6.3.2 レベル2地震動の耐震設計に用いる解析法 6.4 静的繰返し解析(準静的解析) 6.5 応答スペクトル解析 6.5.1 レベル1地震動に対する耐震設計 6.6 時刻歴応答解析 6.6.1 レベル1地震動に対する耐震設計 6.6.2 レベル2地震動に対する耐震設計 6.6.3 動的・静的併用法(変位照査法) 6.7 まとめ Appendix 1 モード解析法 Appendix 2 非線形動的解析法のアルゴリズム
第7章 耐震照査法 7.1 はじめに 7.2 Pushover解析 7.2.1 基部固定の橋脚 7.2.2 基部がばね支持されている橋脚 7.2.3 ゴムあるいは免震支承を有する橋脚 7.3 変位照査法 7.3.1 概 要 7.3.2 1自由度系構造物 7.3.3 多自由度長方形ラーメン橋脚 7.3.4 より複雑な鋼橋に対する適用方法 7.3.5 精度検証 7.3.6 変位照査法の適用限界 7.4 ひずみ照査法 7.5 耐震照査法の例題 7.5.1 対象橋脚および設計条件 7.5.2 レベル1地震動による耐震設計 7.5.3 地盤条件・設計地震動の設定 7.5.4 構造物の重要度に応じた耐震性能水準の決定 7.5.5 部材健全度の決定 7.5.6 部分係数の設定 7.5.7 構造物のモデル化 7.5.8 固有振動解析 7.5.9 減 衰 7.5.10 基本モード卓越の判定 7.5.11 変位照査法 7.5.12 ひずみ照査法 7.5.13 まとめ 7.6 各橋梁形式における照査の適用位置の例示 7.7 まとめ 参考資料1 解析および繰返し解析より求められた終局変位の精度検証 参考資料2 等価断面 Appendix} シェル要素を用いた照査事例 1. 概 要 2. シェル要素を用いたPushover解析 3. 変形性能照査 4. まとめ
第8章 減衰の考え方 8.1 鋼橋の耐震挙動における減衰 8.1.1 減衰のメカニズム 8.1.2 耐震解析における減衰特性の与え方 8.2 比例減衰 8.2.1 比例減衰の種類と設定法 8.2.2 モード減衰定数 8.3 非比例減衰とその設定法 8.4 鋼橋の耐震解析時の減衰設定例 8.4.1 比例減衰マトリックスの設定法 8.4.2 Rayleigh型減衰マトリックス設定の留意点 8.5 まとめ
第9章 構成要素とモデル化 9.1 はじめに 9.2 上部構造 9.2.1 概 要 9.2.2 塑性化を考慮しない上部構造のモデル化 9.2.3 材料非線形性を考慮した床版および桁のモデル化 9.3 支承部 9.3.1 支承部の種類と構造概要 9.3.2 機能分離型の支承部 9.3.3 支承部のモデル化 9.3.4 鋼製支承のモデル化 Appendix1 ゴム支承のモデル化 Appendix 2 ゴム支承の繰返し履歴特性のモデル化 9.4 橋脚 9.4.1 鋼製橋脚のモデル化 9.4.2 隅角部のモデル化 9.5 アンカー部 9.5.1 レベル1地震動に対するモデル 9.5.2 レベル2地震動に対するモデル 9.6 落橋防止構造 9.6.1 分 類 9.6.2 構造と機能 9.6.3 モデル化 9.7 地盤および基礎 9.7.1 地盤および基礎構造物のモデル化の分類 9.7.2 応答値算定解析モデルにおけるモデル化の概要 9.7.3 地震時保有水平耐力照査用解析モデルの概要 9.7.4 地盤および基礎の地震時挙動を推定する数値解析法における注意点 9.8 まとめと展望 9.8.1 上部構造 9.8.2 支 承 9.8.3 橋 脚 9.8.4 アンカー部 9.8.5 落橋防止構造 9.8.6 基礎および地盤
第10章 制震・免震構造 10.1 はじめに 10.2 制震・免震構造の基本概念 10.3 制震・免震構造の現況 10.3.1 セミアクティブ制震 10.3.2 パッシブ制震 10.4 履歴型ダンパー 10.4.1 せん断降伏型ダンパー 10.4.2 曲げ降伏型ダンパー 10.4.3 軸降伏型ダンパー(座屈拘束ブレース) 10.5 履歴型ダンパーの解析モデル 10.5.1 座屈拘束ブレース 10.5.2 せん断パネル 10.6 制震・免震構造の設計法 10.6.1 検討・設計手順 10.6.2 地震応答値の照査における必要性能 10.7 実橋梁への適用例 10.7.1 損傷制御設計を用いた長大トラス橋 10.7.2 座屈拘束ブレース対策を施した上路アーチ橋 10.8 まとめ Appendix 座屈拘束ブレース(BRB)の全体座屈
第11章 構造細目による耐震性向上 11.1 鋼製橋脚 11.1.1 耐震上重要な構造細目 11.1.2 事 例 11.2 上部構造 11.2.1 耐震上重要な構造細目 11.2.2 事 例
第12章 耐震補強法 12.1 鋼製橋脚 12.1.1 基本的な考え方と補強方法 12.1.2 事 例 12.2 上部構造 12.2.1 基本的な考え方 12.2.2 事 例
■第2編 応 用
第1章 単柱式鋼製橋脚 1.1 はじめに 1.2 コンクリート部分充填鋼製橋脚 1.2.1 モデル化 1.2.2 耐震性能照査 1.3 コンクリート無充填鋼製橋脚 1.3.1 モデル化 1.3.2 耐震性照査 1.4 まとめ
第2章 ラーメン橋脚 2.1 はじめに 2.2 ラーメン橋脚のモデル化 2.2.1 モデル橋の構造概要 2.2.2 部材のモデル化 2.3 耐震性能照査例 2.3.1 モデル橋脚の静的および動的解析結果 2.3.2 耐震性能照査 2.3.3 照査結果 2.4 耐震性向上策 2.4.1 ラーメン橋脚における耐震性向上策の現状 2.4.2 せん断リンク付きラーメンの力学的基本概念 2.5 まとめ
第3章 連続橋 3.1 はじめに 3.2 連続橋のモデル化 3.2.1 モデル橋の構造概要 3.2.2 橋脚のモデル化 3.2.3 支承部のモデル化 3.2.4 桁衝突,落橋防止構造等のモデル化 3.3 耐震性能照査例 3.3.1 モデル橋の動的解析結果 3.3.2 耐震性能照査 3.3.3 照査例と比較 3.4 耐震性向上策 3.4.1 耐震性向上策の現状 3.4.2 変位拘束工法による耐震性向上策 3.5 まとめ
第4章 アーチ橋 4.1 はじめに 4.1.1 耐震設計と研究の現状 4.1.2 アーチ橋の耐震設計上の特徴 4.2 アーチ橋の解析モデル 4.2.1 モデル橋の構造概要 4.2.2 モデル化の方法 4.3 アーチ橋の弾塑性挙動 4.3.1 死荷重応力解析 4.3.2 固有振動解析 4.3.3 橋軸方向地震動に対する弾塑性挙動 4.3.4 橋軸直角方向地震動に対する弾塑性挙動 4.3.5 2方向地震動に対する弾塑性挙動 4.4 アーチ橋の耐震照査法 4.4.1 変位照査法(静的・動的併用照査法) 4.4.2 ひずみ照査法 4.5 耐震性向上策 4.5.1 座屈拘束ブレースの設置による耐震性向上 4.5.2 ロッキング型免震・制震構造による耐震性向上 4.5.3 フィーレンディール構造への変更による耐震性向上 4.6 まとめと今後の検討課題 4.6.1 まとめ 4.6.2 鋼アーチ橋の耐震設計の将来展望と検討課題
第5章 トラス橋 5.1 まえがき 5.1.1 耐震設計と研究の現状 5.1.2 橋軸方向の耐震解析と設計 5.1.3 橋軸直角方向の耐震解析と設計 5.2 トラス橋のモデル化 5.2.1 対象橋梁の構造 5.3 耐震性能照査例 5.3.1 モデル橋の動的解析結果 5.3.2 耐震性能照査 5.3.3 照査例と比較 5.4 耐震性向上策 5.4.1 単純トラスにおける座屈拘束ブレースの効果 5.4.2 3径間連続トラスにおける座屈拘束ブレースの効果 5.5 まとめ
第6章 斜張橋 6.1 まえがき 6.2 斜張橋のモデル化 6.2.1 構造概要 6.2.2 断面諸元 6.2.3 モデル化の概要 6.3 耐震性能照査 6.3.1 動的解析結果 6.3.2 耐震性能照査 6.3.3 照査結果 6.4 耐震性向上策 6.4.1 既設斜張橋の耐震性 6.4.2 鋼製主塔の耐震性向上策の例 6.4.3 制震デバイスの設置による耐震性向上策 6.5 まとめ
付録1 用語の解説
付録2 記号の解説
付録3 索 引
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