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書籍詳細
 
ダムの基礎グラウチング
ダム技術センター監修/飯田隆一著
B5・402頁 / 13200円
発行年月日 : 2002年4月
ISBN : 4-7655-1627-X
 

内容紹介
ダムの基礎グラウチングは,指針類が整備されるに従って浸透流に対する安全性が大幅に向上しているが,一方で,地質条件の悪い地点での建設が増えたということだけでは説明できないほどの工事量の増加がみられる.本書は,経験工学的色合いの強い技術分野であるダムの基礎グラウチングについて,一般論的な問題点とその合理的な対応方法とを明らかにして,設計における技術的指針を示そうとする書である.20世紀後半に行われた工事例を詳細に検討して,それらの経験から得られた貴重な情報を収集・整理し,是正すべき点,今後おおいに活用すべき点等を抽出するとともに,理論的な考察を加えて,今後の基礎グラウチングのあり方を説いている.ますます立地条件が厳しくなるとともに,合理化・スリム化という社会的要請にも応えてゆかなければならない今後のダム事業に,不可欠の一書であると言えよう.
 
目次
1 ダム基礎グラウチングの基準・指針類の歴史的経緯}
1.1 日本のダム基礎グラウチングに影響を与えた基準・指針類の概要
1.2 1957年(昭和32年)の「設計基準」の止水処理から見た特徴
1.3 1972年(昭和47年)の「施工指針」の止水処理から見た特徴
1.4 1983年(昭和58年)の「技術指針」の止水処理から見た特徴

2 ダム基礎岩盤の透水特性と変形特性に関する基礎理論
2.1 岩盤内浸透流の基礎理論
Darcyの法則と浸透流の種類/真の透水係数と見掛けの透水係数/黒部ダムにおける実験的研究/カーテン・コンソリデーショングラウチングと排水孔の効果に関する考察/カーテングラウチング先端部の岩盤に必要な透水度に対する考察
2.2 節理性岩盤の力学的性質の概要
力学的性質の基礎的な特徴/グラウチングによる改良効果

3 戦後の日本のダム基礎グラウチングの変遷に対する歴史的考察
3.1 戦後の日本のダム基礎グラウチングからみた年代区分
3.2 第1期に完成したダムの基礎グラウチングの特徴
3.3 第2期に完成したダムの基礎グラウチングの特徴
3.4 第3期に完成したダムの基礎グラウチングの特徴
3.5 第4期に完成したダムの基礎グラウチングの特徴
3.6 日本のダム基礎グラウチングの歴史的観点から見た問題点

4 グラウチングによる止水処理の事例研究
4.1 グラウチングによる止水処理の事例研究での問題点と着目点
4.2 緑川ダムの更新世末期の火山性地層での止水処理
4.3 松原・下筌ダムの鮮新世後期の火山性地層での止水処理
4.4 鯖石川ダムの鮮新世末期の砂岩層での止水処理
4.5 漁川ダムの更新世末期の火砕流堆積層での止水処理
4.6 御所ダムの泥流堆積層の透水度の調査
4.7 大門ダムの更新世後期の岩屑流堆積層での止水対策
4.8 下湯ダムの更新世後期の火砕流堆積層での止水対策
4.9 美利河ダムの鮮新世末期から更新世初期の堆積層での止水処理
4.10 四時ダムの山落ち弱層の上盤の緩んだ部分での止水対策
4.11 浦山ダムの地形侵食による緩みの著しい部分での基礎グラウチング

5 各種地層のグラウチングによる止水処理の面から見た特徴と各々の問題点
5.1 ダム基礎岩盤のグラウチングによる止水処理の面から見た地層の分類
5.2 通常の地層の地形侵食により緩んだ部分での止水処理
緩んだ部分の特徴/通常の地層の緩んだ部分の止水処理上の留意点/グラウチング施工実績資料の整理方法の問題点/浸透流解析の適用の可否
5.3 鮮・更新世以降の火山性地層での止水処理
特徴/地質調査上の留意点/高溶結の火山性地層での冷却節理の特徴/新しい地質年代に生成された高溶結の火山性地層での止水処理上の問題点の要約
5.4 固結度が低い地層での止水処理
浸透流の特徴/透水度を支配する主要因/透水試験方法/透水度の表示方法/グラウチングによる改良可能値/浸透流解析の適否/止水処理上の問題点の要約
5.5 風化岩特にマサ化した花崗岩での止水処理
風化花崗岩の特徴とその止水処理事例の概況/広瀬ダムの止水処理/奈良俣ダムの止水処理の検討/布目ダム右岸鞍部の止水処理/透水特性と止水処理から見た分類方法/止水処理検討での調査・試験と浸透流解析の適否
5.6 断層・破砕帯など弱層内の浸透流の止水対策上の問題点
止水処理の問題点/止水面から見た特徴と問題点/比較的規模が大きい断層の止水対策事例に対する考察/最近の断層周辺部のグラウチングによる止水処理の問題点/その性状に適合した止水処理の要約

6 ダム基礎グラウチングの問題点と改善方法
6.1 ダム基礎グラウチングの問題点の概要
6.2 各種地層での主止水カーテンの改良目標値と施工深さの検討
現在の改良目標値の問題点と浸透流速の実測値/ダム基礎岩盤の主止水カーテン内の水頭勾配・浸透流速などの推定/施工深さと改良目標値/断層・破砕帯周辺部での改良目標値・施工深さ・孔配置/調査範囲
6.3 補助カーテン
目的と現況/孔配置・施工深さと改良目標値
6.4 コンソリデーショングラウチング
目的と効果/改善点/改良目標値
6.5 ブランケットグラウチング
目的と効果/施工範囲・孔配置・孔深と改良目標値
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