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秋山成興著 |
A5・222頁 / 3300円 発行年月日 : 1997年10月 ISBN : 4-7655-1582-6 |
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数学を道具として使用するという立場に立って著された入門書.物理現象をどのように数式で表現(定式化)するか,得られた解の物理的意味をいかに解釈するか,という点に重点をおいて詳述し,解はコンピュータによって得られるという前提で,解法については,線形で実用上も重要であり,その解法の精神のなかに偏微分方程式にとどまらず応用数学上の重要な概念が含まれていると思われる変数分離型に限定して,解説している.
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第1章 物理現象と偏微分方程式 1.1 物理現象と因果律 1.2 自然現象と微分方程式 1.3 場の概念 スカラー場とベクトル場/電磁場(ベクトル場) 1.4 物理場における微分 勾配演算子/勾配ベクトルの共変性/勾配ベクトルの性質 1.5 ベクトル場の特色
第2章 線形偏微分方程式の一般解とその性質 2.1 線形性と重ね合わせの法則 2.2 偏微分方程式の一般解 2.3 線形同次偏微分方程式の解の性質 線形結合/級数解/未定パラメータに関する積分/未定パラメータの導入/たたみ込み積分 2.4 1階偏微分方程式 定数係数をもつ1階偏微分方程式/定数係数をもつ1階偏微分方程式の幾何学的解釈/座標変換法/変数係数をもつ1階偏微分方程式/輸送現象(交通渋滞)と特性曲線
第3章 線形2階偏微分方程式 3.1 物理現象とラプラスの方程式 3.2 熱伝導方程式 3.3 波動方程式 3.4 線形2階偏微分方程式とラプラス方程式 1次元熱伝導方程式/1次元波動方程式/変数変換による解法/ダランベールの解の物理的意味/固定端をもつ半無限ロープの波の反射/有限の長さをもつ弾性棒の端における弾性波の反射/超音波飛行と特性曲線 3.5 ポテンシャル関数の性質 ラプラス演算子の差分化/立体角/点電荷・点質量によって生じる場の強さ/電荷・質量が連続分布する場合の場の強さ/ポテンシャルとポテンシャルの勾配/ニュートンポテンシャル/双極子/単層ポテンシャル/2重層ポテンシャル/対数ポテンシャル/2重層対数ポテンシャル 3.6 初期条件・境界条件 熱伝導方程式/波動方程式/ポテンシャル理論におけるディリクレ・ノイマン問題の解法(積分方程式による解法)/単層対数ポテンシャルの性質/2重層対数ポテンシャルの性質/円の内部領域に対するディリクレ問題/半無限平面領域に対するディリクレ問題/グリーンの定理を用いる解
第4章 固有関数による偏微分方程式の解法 4.1 変数分離法(フーリエの方法) 4.2 1次元熱伝導方程式 4.3 1次元波動方程式(弦の横振動) 4.4 フーリエ級数 周期関数による近似/フーリエの定理/人間の聴覚器官とフーリエ解析 4.5 ギブス現象 4.6 2重フーリエ級数 4.7 2次元ポテンシャルのディリクレ問題 4.8 2次元波動方程式(弾性膜の横振動) 4.9 長方形膜の定常波
第5章 固有関数とフーリエ積分 5.1 固有関数の直交性 5.2 ヘルムホルツの方程式と固有関数 5.3 フーリエ積分 無限領域における非周期現象/フーリエ級数よりフーリエ積分へ/無限長さをもつ針金の熱伝導問題/熱伝導方程式の基本解の物理的意味/半無限(半平面)領域に対するディリクレ問題 5.4 物理現象とフーリエ積分 物理光学とフーリエ積分/量子力学とフーリエ積分
第6章 特異性をもつ関数(グリーン関数)による解法 6.1 物理作用とグリーン関数 6.2 基本解とグリーン関数 6.3 無限領域ポテンシャル問題に対する基本解 3次元ポテンシャル/2次元ポテンシャル 6.4 ディラックのデルタ関数 ディラックのデルタ関数の表示式/ディリクレ核(回折格子関数)/1次元熱伝導問題基本解とデルタ関数 6.5 点熱源 1次元熱伝導問題(1)/1次元熱伝導問題(2)/初期値問題/3次元熱伝導(拡散)問題に対するグリーン関数 6.6 点光源 6.7 遅延ポテンシャルの概念
[Appendix] A.1 物理場における積分(1) フラックスの概念/発散/ガウスの発散定理/発散演算子/膨張における発散/速度場の発散と質量保存則 A.2 物理場における積分(2) 循環の概念/右ねじの法則/ストークの定理/回転演算子/流体の回転場:うず/ポテンシャル/ポテンシャルの性質 A.3 マクスウエルの方程式
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