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D.Pettifor著/青木正人・西谷滋人訳 |
A5・306頁 / 5500円 発行年月日 : 1997年7月 ISBN : 4-7655-0385-2 |
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合金開発や材料の理解について,電子論からの先駆的な視点を提供し続けてきた著者が,1電子問題を可能な限り単純化して,結合と構造とについて観測されている傾向の本質を解明しようと試みた書.化学的な直観が働く強結合近似により,小さな分子から巨大な結晶までのすべての共有結合について統一的な扱いができること,また一方で,物理的な直観が働くほとんど自由な電子の近似によって,sp価電子金属の自然な記述が与えられることが,鮮やかに示される.この分野の入門書として理想的であるばかりでなく,研究現場での参考書としても貴重であろう.
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第1章 結合と構造の実験傾向 1.1 はじめに 1.2 純元素の構造 1.3 格子タイプ:Pearson記号 1.4 局所配位多面体:Jensen記号 1.5 元素の結合と構造傾向 1.6 AB化合物中の結合と構造傾向 1.7 分子の構造傾向
第2章 量子力学の基本概念 2.1 はじめに 2.2 波動-粒子の二重性 2.3 Heisenbergの不確定性原理 2.4 Schrodinger 方程式 2.5 自由電子ガス 2.6 自由原子 2.7 量子力学による構造の予言
第3章 分子の結合 3.1 はじめに 3.2 s価電子二量体のボンド形成 3.3 電気陰性度 3.4 水素二量体の解離 3.5 σ,πとδボンド 3.6 sp価電子二量体のボンド形成 3.7 混成軌道
第4章 分子の構造 4.1 はじめに 4.2 構造安定性:説明に役立つ実例 4.3 構造エネルギー差定理 4.4 s価電子分子の構造 4.5 構造傾向の起源:モーメント定理 4.6 ボンドオーダー 4.7 3原子分子:直線と屈曲
第5章 sp価電子金属の結合 5.1 はじめに 5.2 ジェリウム:小さい分子からバルクへ 5.3 バンド理論の一般原理 5.4 ほとんど自由な電子の近似 5.5 擬ポテンシャル 5.6 sp価電子金属における金属結合の性質 5.7 埋め込み原子ポテンシャル
第6章 sp価電子金属の構造 6.1 はじめに 6.2 遮蔽:Thomas-Fermi近似 6.3 遮蔽:線形応答理論 6.4 逆格子表示 6.5 実空間表示 6.6 構造傾向 6.7 Hume-Rothery電子相
第7章 遷移金属と半導体の結合 7.1 はじめに 7.2 強束縛近似 7.3 NFE-TB混成バンド 7.4 遷移金属の金属結合の性質 7.5 矩形dバンドモデルによる凝集 7.6 矩形dバンドモデルによる生成熱 7.7 半導体の飽和結合
第8章 固体の構造傾向 8.1 はじめに 8.2 飽和ボンド対不飽和ボンド 8.3 sp価電子元素の構造傾向 8.4 モーメントによる解釈 8.5 sd価電子元素の構造傾向 8.6 磁性による異常構造 8.7 pd結合したAB化合物の構造傾向 8.8 ボンドオーダーポテンシャル
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