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真家和生著 |
A5・170頁 / 2420円 発行年月日 : 2007年4月 ISBN : 978-4-7655-0244-3 |
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人体を対象に,その生物学的側面を主に取り扱う。ヒトがどのような進化過程を経て現在この形で生きているのか,様々な地域の環境にいかに適応してきたのかを見たあと,それにより生じたヒトの様々な違い(変異)を学び,感覚と運動に関する変異を見るなかでは自分自身の位置づけを行う。人類の特性と自分という個体の特性を理解したうえで,ヒトの行動や生活の特徴である人間らしさ,あるいはヒトらしさとは何かについて,理解してゆく。初めて自然人類学を学ぼうとする人のための入門書,教科書。
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序 章 自然人類学とは何か 学問とは/人類学とは/自然人類学とは/自己疎外の克服
第1章 自然界におけるヒトの位置
1.1 宿命的命題 1.2 生物分類 生物分類階級/「種」という単位/ヒトの分類学上の位置 1.3 和名と学名 学名のルール 1.4 化石人類を含めたヒト科の分類 1.5 種以下の分類 亜種と人種/民族/品種と変種
第2章 進化過程とヒトの特性
2.1 進化に関する用語と概念 進化/退化/生態的地位/適応/適応放散 2.2 地質年代区分と進化の時間軸 進化の時間軸/進化の時間軸をつくる/地質年代区分 2.3 初期脊椎動物の進化と特徴 血液凝固/食べ合い関係/初期脊椎動物/有顎魚類の進化/陸上に向かう脊椎動物 2.4 陸上の脊椎動物の進化と特徴 有羊膜卵の獲得/中生代の爬虫類 2.5 哺乳綱の進化と特徴 初期哺乳類/異歯性/視覚,嗅覚,皮膚感覚,体温調節/産熱,代謝/大汗腺/哺乳類としてのコミュニケーションと母子関係/その他の哺乳類らしさ/中生代の哺乳類 2.6 霊長目の進化と特徴 初期霊長類/ドリオピテクス類/霊長類の基本的特徴/霊長類と被子植物の共進化/霊長類のコミュニケーション/霊長類の運動性 2.7 ヒト科の進化と特徴 ヒト科の基本的特徴/家族の誕生/人類のコミュニケーション/学習/精神性発汗/赤外線と紫外線よけとしてのメラニンと発汗能力/人類としての手,脳,体型,歯
第3章 適応のしくみと変異
3.1 体格,体型,体組成 体格の違い―ベルクマンの法則/体型の違い―アレンの法則/平均放熱環境と平均受熱環境での体格と体型の違い/体組成 3.2 産熱と放熱のしくみ 産熱/放熱/熱量/熱容量/温熱性発汗 3.3 暑熱環境への適応 人類固有の全身発汗/「熱い」環境に対するメラニンの機能/紫外線/メラニン顆粒形成細胞/メラニン合成 3.4 低日照および寒冷環境への適応 ヨーロピアンコーカサイドの鼻と髪/ビタミンD/ヨーロピアンコーカサイドの髪と虹彩 3.5 四季の変化および寒冷環境への適応 アジアンモンゴロイドの顔/アジアンモンゴロイドの体色変化/寒冷適応能力/ハンチング・テンパラチャー・リアクション/アジアンモンゴロイドの産熱の季節性/その他の寒冷適応方法
第4章 変異と個性
4.1 変異とは何か 変異と異常/進化のメカニズムとしての変異,適応 4.2 感覚と運動の変異 感覚系の変異/嗅覚と嗅盲/味覚と味盲/脳で感じる味/視覚と色盲/運動系の変異/筋線維タイプ/呼吸循環系 4.3 ヒトの種内変異と個性
第5章 ヒトらしさ
5.1 ヒトらしさの原点としての直立二足 直立二足の定義と要素 5.2 直立二足姿勢の維持機構 伸張反射/緊張性頸反射/緊張性腰反射/緊張性迷路反射 5.3 直立二足歩行 進化上での歩行の獲得/歩行と走行のエネルギー代謝/歩行時の足の動き 5.4 ヒトらしさ,人間らしさ 生物としてのヒトらしさ/初期人類として得たヒトらしさ/哺乳類らしさとヒトらしさ/霊長類とヒトらしさ/ヒトらしい脳/ヒトらしい脳はつくられる 5.5 近未来社会におけるヒトらしさ ロボットらしさとヒトらしさ/本当のヒトらしさとは
コラム 自己家畜化 倒木目:ツパイ 霊長目 類人類の名前 Homoの意味 歴史,先史,古代 バンアレン帯と地磁気の逆転 白亜 骨:リン酸カルシウム 血友病と伴性遺伝 氷河期 猿人の分類 タンザニア・ラエトリの猿人の足跡 塩分 体重と質量 体格示数 ベルクマンの法則とアレンの法則 日向の暖かさ パンティング メラニン 摂氏,華氏,絶対温度 虹彩 衣替え 適応価 嗅覚と脳 匂いと原始記憶 偉大な色盲の化学者 性の変異 筋紡錘
参考図書 索引
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