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書籍詳細
 
高山の大気環境と渓流水質
−屋久島と高山・離島−
永淵修・海老瀬潜一著
B5・206頁 / 3850円
発行年月日 : 2016年9月
ISBN : 978-4-7655-3469-7
  正誤表
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内容紹介
日本の大河の第一歩は高山に始まる。そこは,山岳大気と流域の高山との接点であり,河川源流域の渓流水質の定まる場である。高山には,地域特有の上昇気流や高層大気の気団移動に左右される湿性および乾性沈着物が負荷される。したがって,高山源流域は渓流水質形成の場であり,降水から陸水への水質変換の場として重要なフィールドとなる。本書は,屋久島を主対象にして,沈着物負荷や渓流水質分布の特性を見極めるにとどまらず,全国の高山や離島を選んで比較した貴重なフィールド調査研究のおよそ数十年間の成果をまとめたものである。
 
目次
第1章 屋久島の地理・地形・気象と大気環境
 1.1 屋久島の地理・地形的特徴
 1.2 地質の特徴
 1.3 気象・水文
 1.4 気候と生態的特徴
 1.5 大気汚染と沈着物負荷の観測

第2章 屋久島の沈着物負荷特性
 2.1 沈着物負荷とは
 2.2 屋久島の調査フィールドとしての意味
 2.3 樹氷とは
 2.4 樹氷と雪の化学成分
 2.5 屋久島の樹氷
 2.6 屋久島の粒子状物質
 2.7 屋久島の水銀沈着負荷量の高度分布
 2.8 西部林道での林内雨・林外雨

第3章 屋久島の越境大気汚染の現状と森林生態系への影響
 3.1 越境大気汚染の現状
 3.2 オゾンの植生への影響評価
 3.3 大気汚染物質による樹木衰退の現状
 3.4 乾性沈着物の針葉への影響
 3.5 炭素・酸素安定同位体比による樹木影響評価
 3.6 年輪解析
 3.7 口永良部島の火山噴火影響

第4章 渓流水質の高度分布・方位分布
 4.1 渓流水質と高度
 4.2 河川地形と流下時間
 4.3 中央山岳部渓流水質
 4.4 屋久島渓流水の水質形成過程
 4.5 安房川・宮之浦川
 4.6 小揚子川・黒味川・鯛之川
 4.7 川原川・半山川
 4.8 全島河川の方位分布
 4.9 山腹斜面の方位による水質差違
 4.10 豪雨時の渓流水質の変化
 4.11 初期降雨による渓流水質の変化
 4.12 一湊川とヤクシマカワゴロモ
 4.13 全島河川の水質の経年変化

第5章 孤立峰の沈着物負荷の特徴
 5.1 富士山
 5.2 漢拏山
 5.3 伊吹山
 5.4 大山の樹氷
 5.5 九州山地の樹氷
 5.6 利尻山
 5.7 乗鞍岳
 5.8 谷川岳

第6章 孤立高山の渓流水質方位分布
 6.1 孤立峰の気象・水文特性と渓流調査
 6.2 羊蹄山・大雪山・十勝岳
 6.3 下北半島恐山
 6.4 岩木山・鳥海山・大山
 6.5 月山・朝日岳・飯豊山
 6.6 筑波山
 6.7 御嶽山
 6.8 多良岳・九重山・国東半島両子山

第7章 脊梁山脈と渓流河川
 7.1 脊梁山脈と障壁作用
 7.2 両白山地
 7.3 伊吹山地

第8章 離島の渓流水位分布
 8.1 離島の山地と渓流
 8.2 利尻島
 8.3 佐渡島大佐渡山地
 8.4 隠岐島後
 8.5 天草下島
 8.6 対馬上島・下島

第9章 盆地形状山麓渓流の水質分布
 9.1 凸状山地に対する凹状盆地
 9.2 甲府盆地
 9.3 琵琶湖湖西流域
 9.4 琵琶湖湖北流域
 9.5 琵琶湖比良山地
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