gihodo shuppan
HOME 新刊案内 ジャンル別書籍 購入案内 会社案内 お問い合せ
書籍詳細
 
オゾンと水処理
海賀信好著
A5・222頁 / 3300円
発行年月日 : 2008年11月
ISBN : 978-4-7655-3434-5
 

内容紹介
【藤田賢二先生(東京大学名誉教授)推薦文より抜粋】
(前略)本書はオゾンに関して氏自ら研究し発見した事柄と世界を旅して得た知見を集積したものである。本書の特徴はまず達意の文章にある。化学者でなくては書けない表現が随所に見られる。たとえば,「臭気分子1個を分解するのにオゾン分子10500〜11400個が必要」といった記述に接すると,小生など技術者の書くものが無味乾燥だったことに思い当たる。記述もさることながら章立てがユニークである。系統的でなく,25の話題を25の章を立てて述べている。この「オゾンに関する25章」ともいうべき体裁の本書により、読者は知りたい事柄を辞書をひもとくように調べることができよう。このように,本書はオゾンを一から勉強する教科書ではない。オゾンを使おうとする専門家が,抱える問題を解決する糸口をすばやく探索するための書−玄人向け事典−である。水処理界はまた1冊良書を得た。
 
目次
オゾン利用に当たっての留意点
  塩素消毒の功罪について
  オゾンの利用と気候の違い
  地下水のオゾン処理
  オゾン濃度について
  オゾン消費量について1

1. 公害から地球環境問題へ
  1.1 進化する処理技術
  1.2 地球の誕生,生物の誕生,酸素とオゾンの蓄積
  1.3 紫外線を遮断するオゾン層の保護
  1.4 オゾンによる水処理システム

2. 大気オゾンの化学史
  2.1 大気オゾンの研究
  2.2 オゾンの発見と特性の決定
  2.3 太陽放射スペクトルの紫外線遮断
  2.4 成層圏オゾン分布の理論
  2.5 触媒作用によるオゾン損失
  2.6 オゾンホール

3. 臭気に対するオゾンの効果
  3.1 ウェーバー−フェヒナーの相関式
  3.2 臭気の閾値
  3.3 化学的な酸化反応
  3.4 分析のマジックと裸の王様の誕生
  3.5 光学的な分析結果
  3.6 オゾンはマスキング効果による臭気のコントロール

4. 排水処理とオゾン処理
  4.1 し尿二次処理水への利用
  4.2 し尿への直接作用
  4.3 溶存有機物におけるオゾン脱色反応の場所
  4.4 事業場排水処理への応用
  4.5 染色工業排水への脱色利用
  4.6 現地報告 和歌川終末処理場

5. 下水再生水とオゾン処理
  5.1 水辺景観
  5.2 下水再生水へのオゾン利用

6. 浄水工程とオゾン処理
  6.1 浄水消毒工程への導入
  6.2 浄水工程における溶存有機物との反応

7. トリハロメタンの発見とオゾンの多段利用
  7.1 水道の発展と水質汚染
  7.2 トリハロメタンの発見
  7.3 ヨーロッパでのオゾンの多段利用

8. アメリカの浄水処理へオゾンの本格導入
  8.1 ヨーロッパの浄水場を調査
  8.2 アメリカにおけるオゾン利用

9. オゾンと生物活性炭
  9.1 オゾンと活性炭ろ過の組合せ
  9.2 有機物の除去
  9.3 高度浄水処理実験

10. オゾン処理と緩速ろ過・活性炭ろ過との組合せ
  10.1 レンク浄水場
  10.2 ドーネ浄水場
  10.3 スティルム浄水場
  10.4 パリとロンドンの事例

11. オゾン処理とアンモニア性窒素
  11.1 残留塩素の行方
  11.2 オゾンと活性炭処理
  11.3 オゾンと生物活性炭処理

12. オゾン処理と浮上分離
  12.1 水中の気泡
  12.2 機械撹拌
  12.3 散気板表面への水の流れ

13. オゾン処理の反応槽
  13.1 二重境膜説
  13.2 浄水場への導入例
  123.3 最近の動向

14. 蛍光分析
  14.1 トワイマン-ローシャンの曲線に一致する誤差
  14.2 全炭素含量,蛍光強度によるクロマトグラム
  14.3 水質分析技術の進歩
  14.4 蛍光分析による水質分析
  14.5 フルボ酸様有機物の塩素処理とオゾン処理によるスペクトル変化
  14.6 塩素処理とオゾン処理の効果
  14.7 浄水処理工程におけるフルボ酸の把握
  14.8 オゾン反応槽に蛍光分析を使う

15. オゾンの研究
  15.1 オゾンとは
  15.2 オゾンの研究動向
  15.3 オゾンの学協会

16. オゾンの発見と物性測定
  16.1 オゾンの発見
  16.2 液体と固体のオゾン
  16.3 オゾンの吸収スペクトル
  16.4 シェーンバインの略歴と記念祝典

17. オゾンの生成メカニズム
  17.1 自然界でのオゾンの生成と分解
  17.2 紫外線照射による生成
  17.3 放電による生成
  17.4 電気分解による生成

18. BOD、COD,TOCの変化
  18.1 オゾン処理によるBODの変化
  18.2 オゾン処理によるCODの変化
  18.3 オゾン処理によるTOCの変化

19. 化学物質汚染と促進酸化処理
  19.1 新規化学物質の合成と副生成物
  19.2 有限な環境と廃棄物問題
  19.3 難分解性物質の処理
  19.4 文献にみる技術動向
  19.5 反応の効率について

20. オゾンと健康
  20.1 快適な別荘地の代名詞
  20.2 オゾンの人体への影響
  20.3 ガスによる事故
  20.4 オゾンの効果

21. オゾン水溶液による配管洗浄
  21.1 オゾン水溶液による付着微生物の剥離
  21.2 微生物の配管内での付着生育
  21.3 高層住宅の給配水管洗浄
  21.4 配管洗浄前後の水質

22. 冷却水系へのオゾンの利用
  22.1 淡水での実験
  22.2 海水での実験

23. 高度浄水処理の実例
  23.1 金町浄水場
  23.2 猪名川浄水場
  23.3 村野浄水場
  23.4 柴島浄水場

24. オゾンによる水処理と色の科学
  24.1 光について
  24.2 物の色について
  24.3 散乱による色
  24.4 補色の関係
  24.5 光の吸収
  24.6 し尿処理水の色
  24.7 オゾンの反応性

25. 日本と世界の河川水
  25.1 日本の河川水
  25.2 浄水場へさらなる蛍光分析の応用
  25.3 ライン川河川水とバンクフィルトレーション方式
  25.4 ミシシッピ川河川水と石灰軟化処理方式
Copyright