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| 砂田憲吾編著／CRESTアジア流域水政策シナリオ研究チーム著 |
A5・316頁 / 3300円
発行年月日 : 2008年2月
ISBN : 978-4-7655-3424-6 |
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アジア地域における流域水問題について，地域に相応しい水管理政策シナリオの提示と水管理に関する知識・経験の集約をした書。流域水管理の方針が平均値や標準値で語られるものではない点を重視し，流域の水事情について，自然地理的条件のみならず社会的条件や歴史的経緯などを含めて系統的な考察を進める。典型的，代表的な9つの流域を対象に，時にわが国の河川流域と比較しながら，各流域固有の水問題について構造的な分析を試みる。
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第1章 アジアにおける河川と流域水管理
1.1 アジアの河川流域
1.2 アジアの水文・水資源と社会構造の多様性
1.3 人口の増加と水資源
1.4 流域水管理とその理解の方法
第2章 洪水が中心となる流域水問題
2.1 長江流域
2.1.1 流域の特徴
2.1.2 治水の歴史
2.1.3 1998年大洪水
2.1.4 治水政策の転換
2.1.5 洞庭湖における遊水地利用の事例
2.1.6 水害補償制度
2.2 メコン河流域
2.2.1 メコン河の流域と特徴
2.2.2 流量変動に伴う問題
2.2.3 開発，農業と漁業のゆくえ
2.2.4 土砂問題と河道の維持
2.2.5 環境と生態系
2.3 チャオプラヤ川流域
2.3.1 流域全体の状況
2.3.2 チャオプラヤ川流域での検討事項とその理由
2.3.3 バンコク首都圏，およびチャオプラヤ川流域の水害
2.3.4 人口急増地域等の治水の基本理論と対策シナリオ
2.3.5 バンコク首都圏，チャオプラヤ川流域の治水の水政策シナリオとその実践からの考察
2.3.6 その他，人口急増地域の水政策に関連する事項
2.4 ブランタス川流域
2.4.1 流域の自然環境
2.4.2 流域開発と経済発展
2.4.3 代表的な流域水問題
第3章 水不足が中心となる流域の水問題
3.1 シルダリア川流域
3.1.1 はじめに
3.1.2 流域の状況
3.1.3 中下流域における灌漑農地の水不足・塩類化とその対策
3.1.4 上下流間の利水競合と調整
3.1.5 おわりに
3.2 ユーフラテス川・チグリス川流域
3.2.1 流域全体の状況
3.2.2 流域国間の確執
3.2.3 上下流国が協調に向かう可能性とそのための要件
3.3 ヨルダン川流域
3.3.1 ヨルダン川と死海−乾燥地の水文特性と水資源−
3.3.2 ヨルダン川流域の水資源開発の歴史と中東和平
3.3.3 イスラエルのパレスチナ占領とヨルダンの水資源開発
3.3.4 中東和平構築に向けて
3.3.5 ヨルダン川の統合的水資源計画─開発-管理-政策の課題─
3.3.6 持続的な最終オプション海水淡水化─紅海-死海運河計画─
3.3.7 国際河川流域の平和構築と国際協力の課題
第4章 水不足が中心となる流域の水問題
4.1 ガンジス川流域
4.1.1 はじめに
4.1.2 問題点の整理
4.1.3 ニューデリー周辺の現状
4.2 サイゴン・ドンナイ川流域
4.2.1 ベトナムの経済開発と水需要の変化
4.2.2 ベトナムの水資源と水行政
4.2.3 サイゴン・ドンナイ川流域全体の状況
4.2.4 サイゴン・ドンナイ川流域における経済開発と水利用
4.2.5 サイゴン・ドンナイ川流域における水質問題
4.2.6 まとめ
第5章 流量変動の将来予測と流域水政策
5.1 気候変動が及ぼす流量変化の予測
5.1.1 はじめに
5.1.2 モデルによる河川流量将来予測の方法
5.1.3 全球大気海洋結合大循環モデルによる将来予測
5.1.4 高解像度大気大循環モデルによる将来予測
5.1.5 陸上降水の蒸発散と河川流出への配分
5.1.6 おわりに
5.2 アジア地域の流域比較と横断的評価
5.2.1 アジアモンスーン地域・氾濫原沖積平野の地下水利用と保全政策
5.2.2 水政策の変遷と経験の集約
第6章 水問題の克服と課題
6.1 自然共生型流域圏・都市再生シナリオ
6.1.1 流域，流域圏のとらえ方
6.1.2 人口増加と都市化が流域圏に与えた影響
6.1.3 先進的な実践事例と流域圏・都市再生シナリオの比較分析
6.1.4 流域圏・都市再生シナリオの設計，提示
6.1.5 アジアの河川流域での研究，検討での再生シナリオ
6.2 アジアに軸足をおいた河川環境情報等のネットワークの構築
6.2.1 河川環境情報等のネットワークの必要性とねらい
6.2.2 ネットワークの事例（ヨーロッパのECRR）
6.2.3 アジアに軸足をおいた河川環境情報等のネットワーク
6.2.4 今後の展開
6.3 開発と環境問題
6.3.1 わが国の水資源開発の歴史と課題
6.3.2 途上国の水問題の克服と課題
6.3.3 おわりに
6.4 水問題対応技術移転に必要な方策
6.5 流域水研究の新しい流れ
6.5.1 研究の意義と分野の結集
6.5.2 流域水管理とその実践のために
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