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書籍詳細
 
分散型サニテーションと資源循環
−概念、システムそして実践−
虫明功臣監修/船水尚行・橋本健監訳/ダム水源地環境整備センター企画/P.Lens・G.Zeeman・G.Lettinga編
A5・680頁 / 15400円
発行年月日 : 2005年4月
ISBN : 978-4-7655-3406-2
 

内容紹介
分散型サニテーション(DESAR)とは,大量の水資源と膨大な資金が必要な西欧型の集中下水道に対し,発生源に近いところで排泄物や排水の種類別に処理して,肥料やガスなどの資源を回収・利用する方式である。DESARの個別要素技術を解説した後,西欧先進国での適用事例,アフリカや中米の途上国への導入の試みを紹介するとともに,DESARと公衆衛生や環境保全との係わり,DESARを社会経済システムそして都市/住宅へ導入するに当たっての方策と課題などを広汎に議論している。
 
目次
第1部 環境保全のための分散型サニテーションと資源循環
1章 持続可能な発展に向けた環境保護技術
1.1 持続可能な発展と環境保護
1.2 持続可能な発展のための環境技術
1.3 参考文献
2章 排水処理の歴史
2.1 はじめに
2.2 先史時代
2.3 ローマ時代:BC800〜AD450年
2.4 公衆衛生の暗黒時代:450〜1750年
2.5 公衆衛生の啓蒙時代と産業革命:1750〜1950年
2.6 基本的処理プロセスの発展:1870〜1914年
2.7 処理方法の発展時代:1914〜1965年
2.8 環境保護のための基準に向けた処理法の改善:1965〜2000年
2.9 まとめ
2.10 排水処理年表
2.11 参考文献
3章 分散型排水管理と集中型排水管理
3.1 はじめに
3.2 集中型水管理システムの評価
3.3 分散型水管理システム
3.4 まとめ
3.5 参考文献


第2部 廃棄物・排水の特徴とそれらのオンサイト収集
4章 従来型の一括して排出される家庭排水の種類,特性および量
4.1 はじめに
4.2 排水の成分
4.3 人口当量(PE)と個人負荷(PL)
4.4 排水の色
4.5 家庭からの廃棄物
4.6 水使用
4.7 家庭の排水計画
4.8 廃棄物の輸送量
4.9 参考文献
5章 家庭ゴミの種類,性状と廃棄量
5.1 はじめに
5.2 家庭ゴミの種類
5.3 家庭ゴミの性状
5.4 家庭ゴミの管理
5.5 参考文献
6章 排水の収集と輸送
6.1 はじめに
6.2 排水の収集方式
6.3 合流式下水道
6.4 分流式下水道
6.5 管内堆積
6.6 排出源コントロール
6.7 参考文献
7章 都市サニテーションのジレンマ
7.1 はじめに
7.2 サニテーションシステムの変革を必要とする背景的論拠
7.3 排水処理で発生する汚泥に関する問題
7.4 肥料としての尿
7.5 現在のサニテーションのあり方と持続可能な発展
7.6 有機物質の持続可能な管理における現在の潮流
7.7 世界の動き
7.8 参考文献


第3部 DESARの技術的要素
<A DESARの概念と技術>
8章 混合された家庭排水のDESAR処理
8.1 はじめに
8.2 分散的アプローチ
8.3 技術的選択肢
8.4 おわりに
8.5 参考文献
9章 極めて効率的な発生源管理サニテーションの設計と実践例
9.1 ようこそ未来へ−地域の排水管理におけるゼロエミッション
9.2 従来型サニテーションの問題
9.3 排水管理と地域計画
9.4 発生源管理サニテーションの設計と適切な水管理に関する基本的考察
9.5 新しい展開1:分離式トイレと自然流下
9.6 新しい展開2:真空式トイレとバイオガスプラントへの真空式輸送
9.7 新しい展開3:低コストで維持が容易なオンサイトシステム
9.8 新しい展開4:既設下水道インフラの機能向上
9.9 リスク,障害,制約
9.10 ようこそ未来へ!
9.11 参考文献

<B 嫌気性前処理>
10章 低温な条件下における家庭排水の嫌気性処理の可能性
10.1 はじめに
10.2 比較的低い気温の下での嫌気性処理の基礎
10.3 比較的低い気温の下で適用する嫌気性処理技術
10.4 コスト評価
10.5 謝辞
10.6 参考文献
11章 高温な条件下における家庭排水の嫌気性前処理の可能性
11.1 はじめに
11.2 UASB概念を用いた排水処理
11.3 考察と結論
11.4 参考文献
12章 高濃度家庭排水の嫌気性処理システム
12.1 はじめに
12.2 嫌気性処理システムと排水濃度の関係
12.3 モデル計算
12.4 参考文献

<C 低濃度排水の処理(後処理)>
13章 集落用のコンパクトなオンサイト処理−ノルウェーの経験
13.1 はじめに
13.2 ノルウェーのコンパクトなプレハブ式オンサイト処理装置の技術(ミニ処理施設)
13.3 ノルウェーにおけるコンパクトな小規模処理施設(35〜2000人)の技術
13.4 まとめ
13.5 参考文献
14章 浄化槽による生活排水のオンサイト処理
14.1 はじめに
14.2 浄化槽の構造
14.3 小型浄化槽の処理性能
14.4 小型浄化槽によるディスポーザー排水の処理
14.5 膜分離技術を導入した小型浄化槽
14.6 小型浄化槽の維持管理(保守点検と清掃)
14.7 今後の展望
14.8 参考文献
15章 嫌気性的に前処理された排水の後処理
15.1 はじめに
15.2 排水基準
15.3 嫌気性前処理からの排水の水質
15.4 排水安定池
15.5 通性安定池
15.6 熟成池
15.7 安定池の設計に関するその他の考察
15.8 エアレーション式ラグーン
15.9 参考文献
16章 土壌あるいは湿地を用いた自然処理システムによる排水管理
16.1 はじめに
16.2 自然処理システムの必要性
16.3 自然処理システムの特徴とその目的
16.4 オンサイト排水処理方式
16.5 緩速処理法
16.6 急速浸透法
16.7 表面流下法
16.8 水生植物法
16.9 湿地システム
16.10 安定池
16.11 自然処理システムの組合せ
16.12 参考文献

<D 水と無機物資源の回収>
17章 グレイウォーターの処理
17.1 はじめに
17.2 グレイウォーターの特性
17.3 再生水水質基準
17.4 処理技術
17.5 参考文献
18章 グレイウォーターを利用した地下水涵養
18.1 はじめに
18.2 グレイウォーターの特性
18.3 土壌と水中における汚濁物質の挙動
18.4 参考文献
19章 住宅その他の建築物における水再利用の可能性
19.1 はじめに
19.2 家庭における水利用
19.3 水質と水利用
19.4 持続可能な水供給システムのモデル
19.5 動的シミュレーションによる節水効果の評価
19.6 実現の可能性
19.7 参考文献
20章 DESARにおける栄養塩回収の展望
20.1 はじめに
20.2 廃棄栄養塩類の起源と種類
20.3 廃棄物の流れ
20.4 栄養塩類の回収のオプション
20.5 栄養塩類回収の技術
20.6 DESARへの適合性
20.7 尿分離技術(AN技術):一つの例
20.8 AN技術はどのようにDESARコンセプトに対応するか?
20.9 まとめ
20.10 参考文献

<E 農業への再利用>
21章 潅漑と施肥の可能性
21.1 はじめに
21.2 SDIの野外実験
21.3 結果
21.4 考察
21.5 参考文献
22章 DESARと家庭廃棄物価格安定策によるアフリカ都市農業の可能性
22.1 はじめに
22.2 アフリカの都市環境問題
22.3 アフリカの都市農業
22.4 都市内および都市周辺
22.5 農業の問題点
22.6 都市農業の問題点
22.7 統合的解決
22.8 分散的解決それとも集中的解決?
22.9 統合的解決の問題点
22.10 西アフリカでの事例研究
22.11 排水の利用
22.12 結論
22.13 参考文献
23章 排水再利用のガイドラインと規制
23.1 はじめに
23.2 排水の再生利用
23.3 再利用の条件
23.4 再生水の水質基準に影響する要因
23.5 歴史的展開
23.6 現行の規制
23.7 参考文献


第4部 DESARの環境的・公衆衛生的側面
24章 DESARの衛生的側面:水循環
24.1 はじめに
24.2 リスクの概念
24.3 考察
24.4 おわりに
24.5 参考文献
25章 排水の固形部分の衛生学的側面
25.1 はじめに
25.2 排水中の固形部分の種類
25.3 各種処理法での病原性微生物低減速度
25.4 分散型汚泥処理
25.5 ドライサニテーション
25.6 潜在的病原性微生物媒介物(ベクター)
25.7 発病に要する病原体レベル
25.8 DESARのリスク管理
25.9 参考文献
26章 集中型処理と分散型処理の環境影響比較
26.1 はじめに
26.2 検討すべき環境影響
26.3 排水処理の戦略的視点
26.4 現在の排水処理方式の比較
26.5 参考文献


第5部 DESARの社会経済的側面
27章 DESAR技術適用における一般市民の支持の役割
27.1 はじめに
27.2 排水のオンサイト処理の必要性
27.3 Pyhajarvi湖地域におけるDESARの開発
27.4 運用と保守管理
27.5 参考文献
28章 サニテーションへの住民の啓発と動員
28.1 はじめに
28.2 戦略,方法,取組み
28.3 対話と社会的動員の方法および手段
28.4 参考文献
29章 DESARにおける嫌気性消化適用の展望と障害
29.1 はじめに
29.2 嫌気性処理のプロセス
29.3 経済的側面
29.4 望ましい枠組み条件
29.5 嫌気性DESARの例
29.6 参考文献
30章 排水の分散型処理のミクロ・マクロな経済学的側面
30.1 はじめに
30.2 適切なサニテーションを整備するための費用
30.3 技術的対策の経済的評価
30.4 排水処理代替方式の経済的評価
30.5 分散型処理の財政的評価
30.6 参考文献


第6部 DESARの建築的・都市計画的側面
31章 市街地におけるDESAR実施の都市計画的側面
31.1 はじめに
31.2 閉鎖循環系の持続可能性
31.3 DESARに対する市民の受容性
31.4 市街地におけるDESARの実施
31.5 分散型サニテーションシステムの住環境への統合
31.6 参考文献
32章 DESARの開発と実施における建築的・都市計画的側面
32.1 はじめに
32.2 DESARと生活の質
32.3 美的価値観への非西欧的アプローチ
32.4 DESARに関する建築家と都市計画専門家の相互影響
32.5 参考文献
Copyright