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書籍詳細
 
設計のための高分子の力学
−高分子鎖が織りなす力学の世界−
深堀美英著
A5・398頁 / 8360円
発行年月日 : 2000年10月
ISBN : 4-7655-0389-5
 

内容紹介
きわめて特異,複雑な力学挙動・現象を示す高分子物質.本書は,高分子力学の概念,全体像や,その物理的イメージに,輪郭を与えるべくまとめられた書である.いわば,高分子物質の力学挙動をなんとか理解しようと苦闘してきた著者の,試行錯誤のプロセスを整理したもので,まず,固体分野での基礎理論を簡潔に示した後,高分子についてのさまざまな研究成果と対照させて,力学現象を説明している.それゆえ,「設計のための」とあるとおり,あくまでも材料設計,構造設計の現場で役立つことをめざしており,示される基礎理論のほとんどは学問的に確立したもので,数値にも定量性が与えられている.
 
目次
1章 高分子鎖の弾性
1.1 高分子鎖とゴム弾性
1.2 ゴム弾性理論
1.3 高分子網目の実態
1.4 大変形弾性理論(数学的現象論)
1.5 分子動力学による高分子鎖のシミュレーション
2章 高分子鎖の粘弾性
2.1 高分子鎖の粘弾性発現
2.2 力学モデルによる粘弾性挙動の表現
2.3 実在高分子鎖の粘弾性挙動
2.4 粘弾性挙動の分子論的解釈
2.5 実在高分子鎖の非線形粘弾性挙動

3章 振動減衰と高分子物質
3.1 振動理論の基礎
3.2 防振と防振ゴム
3.3 免震と免震ゴム
3.4 制振と高分子材料

4章 高分子の摩擦
4.1 固体摩擦理論の基礎
4.2 摩擦の力学と振動
4.3 高分子物質の滑りの力学
4.4 高分子物質の摩擦特性
4.5 摩擦制御と高分子材料

5章 高分子の摩耗
5.1 固体摩耗理論の基礎
5.2 プラスチック摩耗の特性
5.3 エラストマー摩耗の特殊性
5.4 エラストマー摩耗のメカニズム
5.5 エラストマーの耐摩耗性改良

6章 高分子の応力解析
6.1 応力解析の基礎
6.2 高分子物質における大変形下の応力集中
6.3 有限要素法解析(FEM)
6.4 FEMによるエラストマーの大変形解析実例

7章 高分子の破壊
7.1 固体破壊の基礎
7.2 高分子破壊の特性
7.3 高分子特有の破壊前駆現象(クレイジング)
7.4 固体の破壊力学
7.5 エラストマーの破壊力学

8章 高分子の疲労
8.1 高分子疲労破壊の基礎
8.2 疲労破壊の開始過程
8.3 疲労破壊の成長過程
8.4 疲労破壊の最終破断過程
8.5 疲労破壊と構造・物性因子

9章 高分子のフラクトグラフィー
9.1 フラクトグラフィーの基礎
9.2 プラスチックのフラクトグラフィー
9.3 エラストマーのフラクトグラフィー
9.4 高分子製品の破損事故解析実例

10章 高分子の耐久寿命予測
10.1 寿命予測の基礎
10.2 高分子の信頼性工学
10.3 高分子の環境劣化
10.4 免震ゴムの長期寿命予測実例

11章 高分子の補強
11.1 補強理論の基礎
11.2 エラストマーのカーボンブラック粒子補強
11.3 エラストマーのプラスチック連続相補強
11.4 ゴム粒子によるプラスチックの補強
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